MOVIE レビュー

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「V フォー・ヴェンデッタ」観ました。

2006年05月02日 | 映画感想 ア 行
4月22日から公開されている「V フォー・ヴェンデッタ」を観ました。(英題は「V for Vendetta」)
タイトルの最初の”V”は、”ヴィー”と言う謎の仮面の男の偽名です。そして”ヴェンデッタ”と言うのは、「血の復習」とか「かたき討ち」と言うような意味らしい。

この映画は、「マトリックス」シリーズを手掛けたスタッフが再集結と言うふれ込みで予告編をしていました。「マトリックス」では監督を務めたウォシャウスキー兄弟が、今回は制作と脚本に回っています。私は「マトリックス」はDVDでシリーズ3作とも何となく観ましたが、「う~ん、よく分からん!」と言う感想でした。・・・で、同じスタッフと言う事で、私の場合は、期待感と言うより「今回の映画は理解できるのか!?」と、ちょっと心配でした。まぁ、「マトリックス」の世界観よりは、理解しやすい展開では有りました。この物語の時代設定は、
西暦2020年頃のイギリスが舞台で近未来のお話です。

■ストーリー抜粋≫  「V フォー・ヴェンデッタ」公式サイト 上映時間 : 132分

【第3次世界大戦後、独裁国家と化した近未来のイギリスで、夜の街で秘密警察に捕まったイヴィー(ナタリー・ポートマン)は、“V”(ヒューゴ・ウィービング)とだけ名乗る仮面の男に救われる。”V”は、恐怖政治に抑圧された市民を暴君の手から解放すると言う使命感に燃えていた。その一方で、怨念にかられた血の復讐鬼でもあった。不正と暴虐にまみれた政府からイギリス国民を解放するため、Vは国の圧制を糾弾し、同胞の市民に国会議事堂前に集結するよう呼びかける。謎に包まれたVの素性が明らかになるにつれ、イヴィーは自分自身についての真実をも知るようになる。図らずもVの協力者となったイヴィーはVの悲願をはたすべく、革命の火をともし、自由と正義を取り戻すために立ち上がった。】

■感想です≫

私は、公式サイトなどの詳しい情報は見ないで、映画館に置いてあるチラシの内容だけを予備知識として、本編を観たんですが・・・まぁ、日本人には(・・・と、勝手に大きく、くくってしまいましたが、私のような信仰心の無い、革命にも興味の無い人間と言う方が良いかも知れないですが!?(苦笑))、ちょっと癖の有る内容で、この物語のベースに有る物=ヴェンデッタの本質を理解していないと、面白さが伝わらない映画だろうなと思いました。

底流に有る革命と弾圧の歴史を認識しない者には、Vが発する言葉は哲学的に聞こえてしまって、イヴィーとのセリフのやりとりもイマイチ盛り上がりに欠けて、BGMの如く聞き流さざるを得ない感じのシーンも有りました。物語の本質を知っていれば、クライマックスでの”11月5日”の意味する所や、そうしたVのセリフの意味も、何となく理解が出来て感情移入が出来たのかもしれませんが、どこか荒唐無稽な物語として冷めた目でしか見れなかったです。

この映画は、80年代にイギリスで発表されたコミックが原作だそうですが、同じようにアメコミが原作のマスクヒーローの「スパイダーマン」や「バットマン」のようにはエンターテイメント化していません。なんか暗くてどんよりした中世の空気が全編に流れていましたわ。お気楽主義的なアメリカとトラディショナルなイギリスの両極端のマスクヒーローを見た感じです。私が見慣れたハリウッド娯楽作品のヒーロー物とは一味違った、極めて政治的なメッセージ色が強い映画でした。

わがままを言って申し訳ないんですけど・・・、第三次世界大戦を持ち出したのなら、もう少し、イギリス以外の世界がどうなっていたのか?を見せて欲しかったですね。第三次世界大戦で、アメリカが植民地になっていると言うのをテレビニュースで一度言っていただけで、その後アメリカの様子は一切出てこないし、他の国も独裁国家で、それぞれやりたい放題になっていたのか?他の国は民主主義が健在なのか?それとも地球上には、かつて超仲良しだったイギリスとアメリカしか残っていないのか?(笑)とか、観ていて疑問が色々出てくるんですけど、解決されないまま終わってしまった。とにかくダークな世界でしたわ。

★ ちょこっとトリビア ★

劇中で主人公のVが数万個のドミノを倒すシーンの撮影には、オランダに本社が有るドミノ・プロダクションズから4名のドミノデザイナーが参加して制作された。並べたドミノは全部で2万2000個で、時間は約200時間。わずかな振動でドミノが倒れてしまうというハプニングも有ったらしいけど、本番ではドミノがきれいに倒れていました。

クライマックスの大爆発シーンに登場する国会議事堂、ビッグベン、中央刑事裁判所の場面は、オールC Gではなくて、3カ月近くを費やし実際の建物の7分の1に当たる大型模型を制作し、実写さながらの爆破シーンを撮影した。そのあとデジタル処理を加えて、よりリアルで迫力の有る爆破シーンが再現されている。

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コメント (28)
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