つれづれなるまま(小浜正子ブログ)

カリフォルニアから東京に戻り、「カリフォルニアへたれ日記」を改称しました。

3.11からの数日間に起こっていたこと

2011-11-25 16:06:11 | 日記
サバティカルのおかげで―もしくは今年はフォローすべきことがあまりに多いので―、毎日、それなりの時間をネットサーフィンに使っている。
で、すごい記事を見つけてしまった。
「一号機水素爆発―住民には知らせずに逃げた町議会の人々」というもの(ブログ「アーバンプレッパー」11月24日) http://prepper.blog.fc2.com/blog-entry-86.html
3月11日に、福島第一原発が危機的な状況であることは、法令に従って政府と周辺自治体には連絡されていた(福島第一原発吉田所長が当日発信した緊急のFaxがたくさん残っている)。地元の大熊町には、3月11日夜、住民避難用のバス49台が待機していた。が、適切な避難は行われず、大勢が被爆することになった。地元町議会関係者など情報を知った人たちはそれを公表せず、近親のものだけを避難させた人もいる。また、3月15日段階で、作業員にすでに多数死者が出ていた。放射能汚染の現況は、(私が理解していたより)ずっとひどい。。。。 等の、私にとってショックな情報がたくさん入っている。
この間、さまざまな情報を追いかけている中で、日本のマスコミが(一部を除いて)まったくあてにできず、ひどく腐敗している、としか言いようのない状態だということがしみじみわかった。で、ネットを中心に独自情報を得ることに努力しているが、そうしてわかったことは、日本社会に対してこれまで私が持っていた信頼を崩してしまうものがかなりある。
東京電力という会社の(トップの)ひどい体質については、事故直後から知られてきたのでもう驚かないし、そのような体質がそう簡単に変わらないとすれば、その後の対応の理不尽さも道理なのだろう。「原子力村」の役人・政治家・一部学者についてもしかり。マスコミについて言えば、3.11直後からメルトダウンが起こったらしい、ということは国外では知られていて知らぬな日本人ばかりなり、だったわけだが、中でも現場の福島県では、福島テレビが一号機から四号機までの水素爆発などの他府県ではいやというほど流れた映像を意図的に流していなかったという。これでは知らせるべきことをもっとも知らせるべきところから隠すのが現在のマスコミだと考えざるを得ない。くわえて今回知ったのは、地元自治体の問題だ。
地震と津波の直後、住民の安全を確保するためにぎりぎりまで頑張って、殉職した被災地の自治体の首長と職員・消防団員・教員・警察官などが多数いたことは知られている通りだ。私はこのような場合の日本の現場の人々への期待値は、たとえば中国の役人に対するものなどより数段高いものがあり、それが日本社会を基底で支えていて、今回の震災に際しても、それが発揮されたと思っていた。
だがこのブログの一連の記事を見る限り、少なくとも、福島県・福島市、また大熊町のトップのしていることは、住民の健康と安全を守る方向の対極にあると考えざるを得ない。このブログの書き方にはやや感情的なものもないとは言えないが、福島の放射能汚染地域で駅伝を開催するなどの非常識(としか思えない)にヒリヒリしたものを感じていた身としては、彼らは自分たちの利権を手放したくないので子供たちの健康を犠牲にしている、と書かれていても反論が思いつかない。
日本社会はどうなっているのか。まだ私にはわからないことが多いが、少なくともこれまでより以上に、情報収集に努力し、自分で考えて判断し、行動する必要があることは間違いない。