つれづれなるまま(小浜正子ブログ)

カリフォルニアから東京に戻り、「カリフォルニアへたれ日記」を改称しました。

全日本おばちゃん党(AJOP)結成

2012-11-24 11:27:30 | 日記
昨23日、大阪で、「全日本おばちゃん党」(All Japan Obachan Party)が結成されたそうな。 http://osakanet.web.fc2.com/AJOP/
大阪出身のおばちゃんのワタクシは、熱烈支持ですよん!
AJOP(All Japan Obachan Party)は、次の提案をしています。
<今からできる10のこと>
1)オッサン化しない
2)ながら仕事は大事
3)うちの子もよその子も戦争に出さん!
4)イラッときたら共有する
5)息子をオッサンにしない
6)後進を大切にする
7)「おばちゃん」を増やす
8)自分を下げても人をバカにしない
9)おせっかいを大切に
10)私のことは政治のこと・・・だから考える

今後の方向としては、
・「もったいない」みたいに英英辞典に「Obachan」を載せたい。
・4年後に全世界おばちゃんサミットをやりたい。
だそうです。
いや~、楽しいねえ!
(大阪のおばちゃんのノリになってるので、いつもと雰囲気が違うかも)

ちょっと感動した話

2012-11-22 12:41:26 | 日記
最近、「災害とジェンダー」(丹羽雅代著、『ジェンダー史学』第8号、2012年)という論文を読んで知り、ちょっと感動したこと。
ソウルでは水曜日ごとに、元「慰安婦」への日本政府による謝罪と賠償を求めるデモが行われており、先頃1000回を超えた。昨年、3月11日の東日本大震災後の最初の水曜デモの際、元「慰安婦」のハルモニたちが「被災した人たちが気の毒だ・・・なんとか被災地の女性を元気づけたい」と封筒にお金を入れて支援者たちに託し、募金活動を促されたという。
このおばあさんたちは、日本政府には厳しく謝罪を求めても、それと日本の苦労している人たちとを峻別し、いち早く後者に寄り添う行動を取られている。
このお金を託された日本の女性たちは、被災した女性のための「P(パンツ)プロジェクト」を考えだした。着の身着のままで被災して、プライバシーの確保されない避難所に暮らす女性たちに、自分が使いたいと思うサイズいろいろのパンツに、ともにいるというメッセージと安全カードを添えて、ひとつずつきれいにラッピングして贈る、というプロジェクトだ。避難所暮らしは、着替えの下着もなく洗濯もままならないだけでなく、場合によっては性暴力を含む安全への脅威も発生しかねない(残念なことに阪神淡路大震災の際に少なくない性暴力が発生したのは、あまり知られていない事実だ)。そのような女性たちを支え、極力安全で快適な暮らしの環境を整えて、復旧へのステップを踏み出せるように、と考えられたプロジェクトなのだ。
「慰安婦」の問題を問い続けることは、前向きのアジアの人々とのつながりを紡ぎ出すのだ、とは先日の「大娘(ダーニャン)たちの戦争と記憶」のシンポジウムでも感じたことだが、韓国のハルモニたちの行動に敬服した。

日中間の良性循環-日本軍性暴力パネル展報告シンポジウム

2012-11-11 07:51:26 | 日記

日本大学で、「大娘(ダーニャン)たちの戦争と記憶」シンポジウムを開きました。
日中戦争中の日本軍性暴力の被害者(いわゆる「慰安婦」)のおばあさんたち(中国語で「大娘」)の被害の実態とその後に関するパネル展が中国各地で開かれています。これは、聞き取りをして事実を明らかにし、被害者の名誉回復を支援してきた日本の「山西省・明らかにする会」などの市民グループが、中国側の博物館や大学の協力の下で行っており、そのひとり陝西師範大学の屈雅君教授を迎えてのシンポジウムでした。
このようなパネル展を中国で開くことには、「反日感情をあおるものだ」という反対意見もあります。しかし屈さんの講演では、「日本社会には、このような活動をしているグループがあり、凄惨な被害を受け、その後もつらい人生を送ってきた被害者に寄り添い、その事実を日本と中国の社会に伝えていこうとしている。展示を見てそれを知り、多元的な価値観が共存していてそれを表明できる日本社会への理解を深め、日中関係についてより深い考察をする人たちが出てきている」といいます。
「慰安婦」とされたおばあさんたちが、生き延びたとしても長い間つらい人生を歩んできたのは、日本軍・政府に原因があるとともに、女性の人権を尊重せず性暴力の被害者を蔑視してきた中国社会の問題でもあります。中国でもそのことに気づいて変えていこうとする人々が出現し、日本の人々とつながり始めています。
こうした日中間の深い相互理解への良い循環が始まっていることに、将来への希望を感じます。

日大文理学部公開講演会「尖閣問題の歴史的背景」

2012-11-03 03:58:10 | 日記
学園祭で「今東アジアの緊張をどうとらえるか」という講演会が企画され、「尖閣問題の歴史的背景」について講演しました。
内容は、このブログに何度か書いてきた以下のようなことです。
・中国では、ほとんどの人が「釣魚島」は中国領土だと考えており、それは中国の歴史意識や経験からすると自然なことである。中国側と対応する時は、そのことを理解していないとすれ違いになる。
・尖閣諸島(釣魚島)が沖縄に属するか、台湾に属するかについて、日中では見解の相違があるが、沖縄が日本領土になったのは明治の「琉球処分」によってだし、台湾が中国の版図に組み入れられたのは清朝のことで、いずれも日中それぞれの「古来からの固有の領土」などではない。(琉球は、江戸時代(清代)は薩摩藩と清とに「両属」しており、それは双方に黙認されていて、だからこそ中継貿易が可能であった。)歴史的には「固有の領土」という概念は成立しがたい。
・日中それぞれに、政府見解とは独自の市民によるアピールなども出ており、多様な意見を持つ人々がいることを忘れてはならない。
・異なった経験を持つ国と人々の多様な意見のある中で共通の問題を考えようとする時、歴史をふまえ、将来の平和共存を見据えて、現在の問題を止揚してゆく必要がある。
大学主催・世田谷区後援の講演会で、たくさんの一般の区民の方や職場で顔見知りの方たちの顔も見えてちょっと緊張しましたが、おかげさまで好評のうちに終えることができたようです。
機会あれば、このような中国史家としての見解の発信を続けていきたいと思います。