つれづれなるまま(小浜正子ブログ)

カリフォルニアから東京に戻り、「カリフォルニアへたれ日記」を改称しました。

メタセコイアとセコイア、おまけにジャイアントセコイア

2011-11-30 00:55:47 | 日記

今度間借りしているお家の庭には、「生きている化石」と呼ばれるメタセコイアの樹がある。写真の手前の紅葉している樹がそうだ。
これはもう絶滅したと思われていた種が、1945年に中国で現存しているのが発見されて、その種を生物学者であるこの家の亡き主人が入手し、スタンフォードの学長公邸に一本、Palo Altoの中心の郵便局の横に一本、この庭に一本、もう一本どこか(忘れた)に植えたもの。この庭の樹は、この家を建てた時に苗を植えたてもう40年になるそうで、その間にこれだけ成長した。
後ろに見える(隣家の庭の)常緑樹はセコイアの樹。これは世界一高くなる樹で、この近辺の西海岸に多い。両方ともRedwoodと呼ばれるからややこしい。夏の間は、両方とも緑なのでますます見分けがつかないが、今の時期は一目瞭然。紅葉している方がメタセコイア。
ちなみにもうひとつ、ジャイアントセコイアと呼ばれるセコイアデンドロンというのもあって、これは世界一体積が大きくなる樹で、先日ヨセミテ国立公園のマリポサグローブで見たのは、樹齢2000年以上の巨木だ(大きくなるには時間がかかる。シエラネバダの山中にしか、巨大なのは残っていないとか)。
自身も生物学を学んだ生物学教授夫人のマージェリーに、このあたりの動植物についていろいろ教えてもらっている。
(ヨセミテ公園のジャイアントセコイア)

3.11からの数日間に起こっていたこと

2011-11-25 16:06:11 | 日記
サバティカルのおかげで―もしくは今年はフォローすべきことがあまりに多いので―、毎日、それなりの時間をネットサーフィンに使っている。
で、すごい記事を見つけてしまった。
「一号機水素爆発―住民には知らせずに逃げた町議会の人々」というもの(ブログ「アーバンプレッパー」11月24日) http://prepper.blog.fc2.com/blog-entry-86.html
3月11日に、福島第一原発が危機的な状況であることは、法令に従って政府と周辺自治体には連絡されていた(福島第一原発吉田所長が当日発信した緊急のFaxがたくさん残っている)。地元の大熊町には、3月11日夜、住民避難用のバス49台が待機していた。が、適切な避難は行われず、大勢が被爆することになった。地元町議会関係者など情報を知った人たちはそれを公表せず、近親のものだけを避難させた人もいる。また、3月15日段階で、作業員にすでに多数死者が出ていた。放射能汚染の現況は、(私が理解していたより)ずっとひどい。。。。 等の、私にとってショックな情報がたくさん入っている。
この間、さまざまな情報を追いかけている中で、日本のマスコミが(一部を除いて)まったくあてにできず、ひどく腐敗している、としか言いようのない状態だということがしみじみわかった。で、ネットを中心に独自情報を得ることに努力しているが、そうしてわかったことは、日本社会に対してこれまで私が持っていた信頼を崩してしまうものがかなりある。
東京電力という会社の(トップの)ひどい体質については、事故直後から知られてきたのでもう驚かないし、そのような体質がそう簡単に変わらないとすれば、その後の対応の理不尽さも道理なのだろう。「原子力村」の役人・政治家・一部学者についてもしかり。マスコミについて言えば、3.11直後からメルトダウンが起こったらしい、ということは国外では知られていて知らぬな日本人ばかりなり、だったわけだが、中でも現場の福島県では、福島テレビが一号機から四号機までの水素爆発などの他府県ではいやというほど流れた映像を意図的に流していなかったという。これでは知らせるべきことをもっとも知らせるべきところから隠すのが現在のマスコミだと考えざるを得ない。くわえて今回知ったのは、地元自治体の問題だ。
地震と津波の直後、住民の安全を確保するためにぎりぎりまで頑張って、殉職した被災地の自治体の首長と職員・消防団員・教員・警察官などが多数いたことは知られている通りだ。私はこのような場合の日本の現場の人々への期待値は、たとえば中国の役人に対するものなどより数段高いものがあり、それが日本社会を基底で支えていて、今回の震災に際しても、それが発揮されたと思っていた。
だがこのブログの一連の記事を見る限り、少なくとも、福島県・福島市、また大熊町のトップのしていることは、住民の健康と安全を守る方向の対極にあると考えざるを得ない。このブログの書き方にはやや感情的なものもないとは言えないが、福島の放射能汚染地域で駅伝を開催するなどの非常識(としか思えない)にヒリヒリしたものを感じていた身としては、彼らは自分たちの利権を手放したくないので子供たちの健康を犠牲にしている、と書かれていても反論が思いつかない。
日本社会はどうなっているのか。まだ私にはわからないことが多いが、少なくともこれまでより以上に、情報収集に努力し、自分で考えて判断し、行動する必要があることは間違いない。




Thanksgiving day

2011-11-24 12:42:25 | 日記

11月の第4木曜はThanksgiving dayで、この年の稔りに感謝して家族で七面鳥などの食事をいただく日だ。
アメリカの祝日は日本よりずっと少ないのだけれど、この日は翌日の金曜とともに祝日で、週末も併せると4連休になる。週末も開いている図書館も、この二日間はクローズで、お店もThanksgiving当日の午後は閉まってしまうという(もっとも翌日の金曜日はブラックフライデーと呼ばれる買い物の日だけれど)。
英語の個人レッスンの先生のキャロル(仮名)が招いてくれた彼女の家のThanksgiving dinnerにお呼ばれした。お連れ合いと娘さんに、サクラメントからやってきた弟さんとご両親、それにもう一人の友人と私が加わった。キャロルの手作りのターキーのローストに、かぼちゃとアップルとクルミの煮物、豆のシチュー、サラダなどが並ぶ。ターキーにはクランベリーソースを添えるのがお決まりで、スーパーには大きな丸ごとの冷凍ターキーと生のクランベリーがたくさん売っていたけれど、キャロルは冷凍でない生のターキーを焼いたのだという。
お父さんによる食前の感謝の祈りから始まって、皆で食事を楽しみ、デザートは手作りのアップルパイとパンプキンパイ。どれも季節の恵みを実感できる美味しさだ。食後に少し近くを散歩してからまたおしゃべりして、アメリカ文化を体験した楽しい一日だった。(これくらい毎日英語でおしゃべりしたら、私の英語ももっと上達するのに)
Thanksgivingは、あまり大規模なパーティーというよりは、比較的近い身内などで集まることが多い、という。今度の家の大家のマージェリー(仮名)はカナダ人で、家族のThanksgivingはカナダ式に10月の第2月曜に息子たちと済ませ、その息子さんは今回はお連れ合いの家族とのThanksgivingだとか。人間関係の確認の行事には、さまざまな気遣いが行き交うのも日本と同じようだ。じつはマージェリーはじめ周りの何人かの人たちが、私はThanksgivingはどうするのだろう、自分は今年は出かけるので招待できないのだけれど、と心配してくれていたらしい。誘ってくれたキャロルに大感謝! そしてこれを書きながら、もっともっとアメリカ式に大げさなくらいに料理を褒めるんだった、と反省。

TPPの行方

2011-11-10 22:22:34 | 日記
この数日、息を飲んで日本のTPP交渉への参加がどうなるかを見守っている。
私の考えは「脱原発、そして」のところで書いたけれど、参加絶対反対。これについては繰り返さないが、アメリカにいると、こちらの事情と併せて見えてくるものもある。
アメリカの景気の悪さ、国内の経済格差の拡大に加えて財政破綻の状況は、ある意味日本以上に深刻だ。Occupy Wall Street Movement はとどまるところを知らず続いて、先週はオークランドで衝突も起きた。このところ毎週、英語の個人レッスンの先生のキャロル(仮名)と、新聞記事を見ながら時事問題を(つたない英語で)議論している。典型的な高学歴中産階級主婦のキャロルにとっても、最近の1%のみに富の集中する経済格差の拡大ぶり―データからは中産階級の消滅の傾向が明らかだ―、議会がトップの富裕な人たちの道具となり、彼らのための制度作りに邁進していること―この前読んだ記事はlegalized briberyとこれを表現していた―等はショックのようだ。こういう状態の中で、とりあえず今はまだいくらか経済力のある日本を収奪する制度を作って、アメリカのトップ1%をますます儲けさせるとともに、99%も少しは潤うと宣伝して、近づく大統領選挙用の得点にしよう、というのがこちら側の思惑だろう。日本のTPPへの参加はアメリカの国益のために必要なのであって、日本のそれなんかどうでもいい(アメリカが大変な時に搾り取れるようにと日本を子分にしているのだから)、というのは、こちらでの当り前だ。
にもかかわらず、日増しに慎重・反対派が増える中で強引にTPP参加を進めようとする日本政府、それを後押しする大手マスコミの破廉恥ぶりはあきれるばかり。交渉参加反対派の議員が過半数になって国会で反対決議が出そうになったら、議事運営委員を入れ替えてそれをさせないなんて、自民党政権の時でもそこまではしなかったように思う。日本でも、アメリカでも、権力者たちのやり方のタガがどんどん外れてきている。きちんと見て対応しないと、本当に危ない。
現在日本時間の11月10日夜、アメリカ時間の早朝。首相は反対の多さを見てTPP交渉参加表明をとりあえず一日延期した。事態はまだまだ予断を許さない。
このブログはあまり激しい政治的意見は書かないつもりだったのだが、どうも今年はそうはいかないことが多い。

季節の変わり目

2011-11-07 00:17:15 | 日記

Halloweenが過ぎれば雨季が始まる、とは聞いていたが、この一週間で季節が変わった。
ある日の天気予報で、最高気温25℃くらいだったのが急に10度ほど低くなり、これまでほとんど降ってなかった雨も降るという。
その日は初めてセーターを着て、朝一番で大学のBookstoreへ自転車用のポンチョを買いに行った。Stanford印のマントのようなポンチョと、storm用という大きな傘を購入して、雨季への備えは万全、と思った途端、雨が降り出した。もっともこちらの雨は、日本のより小雨のことが多く、しとしとと降る時間はあまり長くない。雲のある日の方がカリフォルニアの強烈な太陽が和らいでいい、という人もいるが、やはり雨はちょっとうっとおしい。特に今度の住居は自転車で通うしかないし。この後、だんだん雨の日が増えるとか。幸いにして、目下はあまり雨の時間は長くなくて、紅葉の始まった樹々が美しい。
そして今日から、冬時間になった。
朝起きたらパソコンも携帯もすでに冬時間で、あわてて腕時計の針を一時間戻した。これまではdaylight saving timeという夏時間だったのだ。最近は朝は7時になってようやく明るくなっていたのが、6時頃から明けてくるのはいいけれど、夕方はこれから6時には真っ暗になる。夏休みの頃は5時にはまだ太陽がギラギラして9時過ぎまで明るかったのに!
カリフォルニアの冬がどんなかはこれから体験するしかないが、この間大雪で大変な東海岸よりは穏やかで、そんなに厳しい寒さではないというのに期待している(私は寒いのは苦手です)。