つれづれなるまま(小浜正子ブログ)

カリフォルニアから東京に戻り、「カリフォルニアへたれ日記」を改称しました。

戦後史の正体

2012-08-02 09:00:52 | 日記
上海からの帰りの飛行機で、刊行されたばかりの孫崎享著『戦後史の正体1945-2012』を読み始め、深夜までかかって一気に読了。戦後の日本政治が、いかに強いアメリカの支配下にあったかを具体的に明らかにする。私も知らなかった事実がたくさん述べられていて、これまで思っていた以上に、日本が米国の意向に逆らえないような仕掛けがたくさん作られていたことに驚く。
孫崎さんの本を読むようになったのは、中国研究者として、日本にとって中国の存在が重要になるにつれて逆に世間の反中感情が強くなっていくのは、どう考えても意図的なネガティブキャンペーンがなされているとしか思えない、と感じていたからだ。2番と3番の日中が反目している方が1番のアメリカにとって安心なのでそのように工作してきた、という著者の意見は説得的だ(これは前著『日本の国境問題』『不愉快な現実』に詳しい)。アメリカの頭越しに日中国交回復を実現した田中角栄がロッキード事件でつぶされ、いままた親中の小沢一郎が叩かれているのも、そもそも検察という組織がアメリカに奉仕するために作られたことを知ればよくわかる、という。
著者は元外務省国際情報局長。「高校生にも読める」を唄っているだけあって、内容は濃いがとても読みやすい。この本の内容については、いろいろな意見が出るだろうが、まずはすべての日本人必読の書だろう。