6月29日(日)雨
長靴を履いて本屋まで、今日は少し遠くのあおい書店だ。
近所の本屋は、頻繁に利用しているが品揃えがわるい。
禁煙セラピーはもちろんだけど、久々に海外ものが読みたいこともあり
わたしはわたしの中のアウトドアを決行した。
容赦なく落ちてくる雨、たくさんの水溜まり、通りから襲ってくる汚れた水しぶき、すれ違い様にぶつかる傘、交差点を一番に渡ろうと割り込んでくる人、オープンしたばかりのサーティーワンでダブルのアイスをいち早く勝ち取るため我先にと場所を取り合う人。
サバイバルだ。
早く安全な場所に逃げこまなければ命が危ない。危険を察知した体は無意識に急ぎはじめた。
あおい書店に駆け込んだわたしは、戦況を把握する人でいっぱいの雑誌コーナーを迂回し
人の少ない海外文学コーナーへ辿りつき、迷いもなくアーヴィングの書物を確保し、
さらに奥のコーナーへ行き禁煙セラピーを捜した。
あっさり見つかった禁煙セラピーはイギリス式と式なしのものがあった。価格の差は800円。
CDなど聞くつもりはないが、読みやすさを比べ式なしのCD付きの高いほうを選んだ。
帰りのバスの中で、タバコが残り少ないことに気づいた。
さっき乗っていたバスは北に向かって発進した。名残惜しい気持ちなんてこれっぽっちもなかった。
家に着き、いつものように一服した。
タバコが無くなった彼が買いに出かけた。
わたしは、なんの迷いもなく一箱お願いした。