13・1・7
昨日の続き・・・
「これでオレは生涯家を持つことなど出来ないなァ」と思った。
倒産以来、捲土重来
家の一軒ぐらい構えることは
立ち直る一里塚のように考えていた。
立ち直りつつある証として
この中古住宅が欲しかった。
娘の意外な反対で
この物件を購入することは断念した。
そのとき、
これで生涯家を持つことなど出来ない、と思っている。
表面では勇ましいことを考えているようでも
本心は案外だらしがない事実を思い知らされた。
表面意識の勇ましさとは逆に潜在意識の中では、
駄目だろうとか、無理だろう、と思っている。
しょげ返っている私に、娘は意外なことを言う。
「お父さんが家を買う気になったのだから
間もなく家が買えるわネ」
内心、
「冗談じゃない、買う気になったって
買える訳がないじゃないか・・・・・・」の思いだった。
アブク銭を多少稼いだといっても家を一軒買うには程遠い。
倒産しているのでブラックリスト、銀行ローンも利用できない。
従って買える訳がない。
買える訳がない家を翌月買っている。
相当無理をして、書類をでっち上げて
住宅金融公庫、年金事業団からの
融資を取り付けて実現できた。
間もなくバブルも弾けて
アブク銭も得られなくなって
手に入れた家を手放した。
ここらあたりの顛末は改めて述べることにする。
一旦賃貸マンションへ移転、
ちっぽけな安い中古マンションを買って現在に至っている。
この中古マンションが終の棲家だとしたら寂しすぎる。
もう一度市川へ帰ろう、
心ではそう思っても
市川へ移転するだけの資力がある訳ではない。
「無理だろうなァ」の思いが強い。
潜在意識は無理だ、と思っている。
具体的な思案をする前に
この思いを何とか払拭しなければならない。