いろは沼~観松平コースは湿原の高山植物や五葉松の古木に目を奪われがちですが、散策路の路傍に目を懲らすと小さなかわいい花たちが群生して、毎年、私達を迎えてくれます。
ハクサンチドリ(ラン科)
標高1,200mから山頂付近まで広く分布する。蔵王を代表する花といえる。花の色は紅紫から白まで、花弁の斑模様もさまざまでルーペで観察するのも楽しい。崩壊地や路傍などに群生が見られる。
ツマトリソウ(サクラソウ科)
亜高山帯の草地や路傍に生育する小さな多年草。6~7枚の葉が茎の上部につき葉腋より細い花茎を出して白い花を付ける。花茎は通常2本で開花時期がそれぞれ異なり1輪ずつ咲く。花はやがて薄紅に棲取ることからと聞くが、妻を娶ることからこの名があるというのはどうだろう。植物には開花時期を変えて種族を保存する性質がある。
マイズルソウ(ユリ科)
低山帯から亜高山帯にかけて広く分布し、特に針葉樹の下に群生する多年草。開花株の葉は互生するが、開花時の切れ込みの深い葉脈をもつ2枚の葉を鶴に見立てて舞鶴草となった。実は秋に紅熟する。