五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

千代のはやし  千歳林

2011-03-18 03:29:54 | 五高の歴史
千代のはやし  千歳はやし
此の林は本館の前の西東にある。はじめて校舎を建てられたとき、植えられたもので、年月はほとんど経っていないが、大御代の恵みの露は深く、鬱蒼と枝は大きくなり、今はところせましというように林を形成している。千秋のの緑、雪の中に深く、十返りの花、雲のうえに咲いている感じである。・・・・以下転載する・・・

此の林は本館の前なる西東にあり、はじめて校をたてられし時に、植えられしなりけり、歳月を重ねること、わずかにひとむかしなれど、大御代の恵みの露深く鬱々蒼々として、枝さしかわし、今は所せく、林なして、千秋の緑、雪の中に深く、十返りの花、雲のへに咲かんかん、その行く末やいかならん、といとゆかし、ことに、月すみのぼる、夜半のあらしを残し、よつの諸をかき鳴らすこと、冷々累々として  空を払って、疎韻おち、心をすまし、塵をあらい、木のもとには、草しげり、露滴りて」、やをら、そのうちに入れば、身はやがて、みやまの奥に来たりたらん。ここちぞすなる、学びのとも、この木陰に、やすらいて、うちまどろむ時もあらん。文よむおりもありむべし、仰いでは我々のみさほをしたい、俯しては、そうそうの声をきく、誰か凌霜の気をふりおこさざらん、
   たちよりてたとえにもせよ色かえぬ、千代のはやしの松の下かげ