月岡芳年 月百姿
『宮路山の月』 師長
明治二十二年印刷
藤原師長(ふじわらのもろなが)は平安時代後期の公卿、従一位太政大臣
藤原頼長の次男、母は源信雅の娘
保延四年(1138年)~建久三年(1192年)七月十九日
雅楽の歴史においては、源博雅と並び、平安時代を代表する音楽家
(博雅三位は6/27日の朱雀門の月で登場)
国立国会図書館デジタルコレクション 033
治承三年の政変によって、尾張国に流されたされた師長。
宮路山山中に入って、一人琵琶を弾いていると
一人の美しい女性が師長の前に現れて
師長の弾く琵琶の音に合わせて歌を詠いだした。
師長はその姿を見て奇異に感じて、その女性を鬼神の化身と思っていた。
するとその女性が話をするには、その女性は
この宮路山の山水の神で、
師長の琵琶の音がとてもすばらしいので
女性の姿に化身して、琵琶を聞き共に歌を詠いたくなったのだといい
やがて姿が見えなくなった。
『源平盛衰記』
遠巻 第十二 師長熱田社琵琶事 より