オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

都幾百姿 宮路山の月

2017-06-29 | 月百姿

月岡芳年 月百姿

『宮路山の月』 師長

明治二十二年印刷

 

藤原師長(ふじわらのもろなが)は平安時代後期の公卿、従一位太政大臣

藤原頼長の次男、母は源信雅の娘 

保延四年(1138年)~建久三年(1192年)七月十九日

雅楽の歴史においては、源博雅と並び、平安時代を代表する音楽家 

(博雅三位は6/27日の朱雀門の月で登場)

 

 国立国会図書館デジタルコレクション 033

 

治承三年の政変によって、尾張国に流されたされた師長。

宮路山山中に入って、一人琵琶を弾いていると

一人の美しい女性が師長の前に現れて

師長の弾く琵琶の音に合わせて歌を詠いだした。

師長はその姿を見て奇異に感じて、その女性を鬼神の化身と思っていた。

 

するとその女性が話をするには、その女性は

この宮路山の山水の神で、

師長の琵琶の音がとてもすばらしいので

女性の姿に化身して、琵琶を聞き共に歌を詠いたくなったのだといい

やがて姿が見えなくなった。

 

『源平盛衰記』

遠巻 第十二 師長熱田社琵琶事 より