広島 球団初のリーグ3連覇達成!27年ぶりの地元胴上げは「夢のような時間」
「広島10-0ヤクルト」(26日、マツダスタジアム)
優勝へのマジックを「1」としていた広島東洋カープは26日、マツダスタジアムで行われたヤクルト戦に勝ち、球団史上初となる3年連続9度目のリーグ優勝を飾った。
真っ赤に染まったマツダスタジアムが歓喜に包まれた。過去2年間かなわず、27年ぶりとなった地元での胴上げ。緒方監督や選手、そしてすべてのカープファンが待ち望んだ瞬間だった。歓喜の輪の中心で緒方監督が9度、宙を舞い、ファンが歓喜に酔いしれた。
3連覇に王手をかけて臨んだヤクルト戦。カープ打線が序盤から活発に打ちまくった。一回、丸の適時打で先制。さらに松山、会沢の適時打などで一挙5点を奪った。六、七回に2点を加え、先発野手全員安打の猛攻で10得点。スタンドはお祭り騒ぎとなった。
投げては先発九里が8回無失点の力投。四回は無死満塁のピンチを無失点でしのぎ、ド派手なガッツポーズ。最後は3年連続胴上げ投手となった中崎が締め、歓喜の瞬間を迎えた。
優勝監督インタビューでは緒方監督が「絶対マツダで優勝をきめるんだと臨みました。ファンの皆さん!リーグ優勝、3連覇、おめでとうございます!」と祝福。そして、「最高ですね。先取だけでなく、ファンの皆さんに胴上げしてもらい、夢のような時間でした。ありがとうございました」と感謝した。
2016年に25年ぶりのリーグ優勝を飾り、昨季は2連覇を達成。球団史上初の3連覇が懸かった今季も力強い戦いで首位を独走した。投手陣を引っ張ったのが大瀬良だ。入団当時のキレのある直球を取り戻し、自己最多となる15勝をマークした。ジョンソンも2年ぶりに2桁勝利を挙げ、左右の両エースがシーズン通して安定した力を発揮した。
一方、攻撃面は今季も強力打線が打ちまくった。3番・丸は春先に負傷で1カ月間戦列を離れたにもかかわらず、本塁打王争いのトップを走る38本。4番・鈴木も自己最多となる30本を放ち、他球団の投手陣を震え上がらせた。長距離砲の脇を固める松山やバティスタ、会沢らの勝負強さも光った。
新戦力もブレークした。丸の離脱でチャンスをつかんだ野間は打撃が開花し、レギュラーの座を獲得、終盤は1番も任された。西川も天性の打撃センスを見せつけ、三塁のポジションを奪った。投手陣では好不調の波が激しかった救援陣を、2年目のアドゥワと今季支配下登録を勝ち勝った最速159キロのフランスアが支えた。
“地元愛”も大きな原動力だった。7月の西日本豪雨では県内で甚大な被害が出たが、豪雨後、初のマツダスタジアムでの試合となった巨人3連戦ではドラマチックな3連勝を飾り、被災地に希望を届けた。「悲しいできごとが起こり、選手も動揺した。でも、そこから選手も信じられない勝ち方をした」と指揮官。被災者の思いを背負い、ともに戦い、そしてつかんだ3連覇でもあった。
さあ次はCSだ。DeNAに足元をすくわれた昨年の過ちは繰り返さない。さらに、その先には34年ぶりの日本一が待っている。今季限りの引退を表明したベテラン新井の花道を飾るためにも、緒方カープは頂点を目指して走り続ける。