WTOで日本勝訴確定 バルブ課税、韓国は受け入れず
2019/10/1 7:28
【ジュネーブ=共同】世界貿易機関(WTO)の紛争処理機関(DSB)は30日の会合で、日本から輸入されたバルブに韓国が課した反ダンピング(不当廉売)関税はWTO協定違反と認めた上級委員会の判断を採択し、日本の勝訴が確定した。
日韓は今後、是正措置を巡り協議する予定だ。ただ韓国は10日に上級委判断が示された後、主張の大半は認められたとして「韓国が勝訴」と表明。30日のDSB会合でも「反ダンピング措置を撤廃すべきだとの日本側の提案は受け入れられない」と述べ、関税を継続する方針を示した。是正措置が取られなければ、日本は韓国から輸入される物品に対して追加関税を課すなどの対抗措置を取ることができるため、問題は長期化が予想される。
DSB会合で日本は、反ダンピング税を課す際にWTO協定が条件として定めている自国産業への悪影響や因果関係について、韓国が立証できていないと指摘。「韓国による即時かつ完全な(是正措置の)履行に向けて、対話する用意がある」との声明を出した。
韓国は11日、日本が7月に始めた半導体材料3品目の韓国向け輸出規制強化が「差別的な措置」だとして、WTOに提訴した。バルブで示された上級委判断への韓国の対応を踏まえると、半導体材料問題で第三者のWTOが仮に日本に有利な判断を示しても、楽観視できない。
一方、韓国は18日、安全保障上の輸出管理で優遇する国のグループから日本を除外した。この問題を巡り、日本が韓国をWTOに提訴するシナリオも考えられる。国際機関に舞台を移した日韓対立は、沈静化に向かう兆しは見えない。