コロナ債、世界で13兆円規模 10カ国が国債で費用調達
【イブニングスクープ】

医療体制の整備や企業の資金繰り支援など新型コロナウイルス対策の資金を調達する債券(コロナ債)の発行が増えている。国際機関だけでなく、インドネシアやチリが国債を発行するなど、世界の発行額は13兆円を超えた。引き受ける機関投資家側も社会貢献につながると考え、積極的に購入しており、発行はさらに増える勢いだ。
コロナ債はアフリカ開発銀行など信用力の高い国際機関が発行していたが、足元では国家が対策費を直接調達する国債へと広がる。調査会社ディールロジックによると、調達した資金の一部または全部を新型コロナ対応に充てると開示している債券は29日時点で、世界の発行額が合計1250億ドルに達した。
発行額が増えているのは、「コロナ債と銘打つことで、新型コロナ問題に貢献したい投資家の需要を集めやすい」(みずほ証券の香月康伸氏)面がある。
年金基金や保険会社などの機関投資家は、ESG(環境・社会・企業統治)を重視し始めている。仏アクサ・インベストメント・マネージャーズは「パンデミック(世界的大流行)による社会的課題への取り組みに役立つ」と2億ユーロ(240億円)以上を投じ、コロナ債を購入した。第一生命保険も、保健衛生事業などを支援する目的でアジア開発銀行が発行した債券を購入した。
コロナ債には2種類ある。「社会貢献債」などと呼ばれ、発行時に認証を受け、発行後も資金使途の情報開示が必要なものと、一般的な債券で資金使途をコロナ対応としているものに分かれる。
情報開示義務がない後者は、調達した資金がコロナ対応に使われないリスクもある。新興国での感染拡大は続き、資金ニーズもあることから「コロナ債の発行は今後も増加し続ける」(調査会社リフィニティブのイアン・ウィルモット氏)とみられるが、投資家が選別を進める可能性もある。
(ESGエディター 松本裕子)