【アビガン開発者が語る】アビガンの効果について 白木教授 出演部分/20200229 ウェークアッププラス
【新型コロナ】感染治療の最前線「アビガンが効いていることが多い」「息が極めて苦しくなる」市立札幌病院院長が語る【HTBニュース】
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10万円一律給付措置含む補正予算案が閣議決定(20/04/20)
1人あたり10万円の一律給付措置など、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための2020年度補正予算案が閣議決定されました。総額は約25兆7000億円に上ります。収入が減った世帯に30万円を給付する措置を撤回して10万円を一律給付するため、追加の歳出として8兆8800億円余りを増やすことになりました。増加分は赤字国債を発行することで賄われます。
「10万円」海外邦人対象外か/菅官房長官 定例会見【2020年4月20日午後】
新型コロナウイルスの影響で航空会社は大打撃、国際線は一部の便を除いてほぼ全便が運休に追い込まれている。わずかに運航している便も羽田・成田・関空の3空港に集約され、それ以外の国際線は全便運休となっている。
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加えて、国内線も日増しに欠航便が増えている状況だ。実際、緊急事態宣言の前後から国内移動の自粛モードがより強まり、国内線においても利用者が目に見えて激減。運航している便でも乗客が一桁で出発する便も珍しくない。
運休となると、航空会社において真っ先に大きな影響が出るのが「客室乗務員(キャビンアテンダント、CA)」だ。
今年は本来オリンピックイヤーであり、3月29日には羽田空港の日中時間帯の国際線発着枠拡大に合わせ、ANAやJALでは、数年間をかけて積極的に客室乗務員を採用してきた。また、国内のLCC(格安航空会社)においても、訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加に合わせて積極的に国際線のネットワークを拡大したことで、客室乗務員の採用を積極的に行ってきた。
年間4000万人の訪日外国人旅行者の受け入れを想定しているなかで、航空会社の役割は大きいが、規模を拡大してきた分、コロナウイルスによる運休・減便による影響は大きい。その中で、客室乗務員の休業制度にいち早く動いたのがANA(全日本空輸)だ。
ANAの社員数は約1万5000人。そのうち客室乗務員は約9000人と半分以上を占める。
現在、国際線は多くの便が欠航になっているが、国内線は一部便が欠航で、運航を継続している便の利用者も激減している状況だ。しかし、客室乗務員の業務には接客だけでなく、緊急時の保安要員としての役割がある。
空席が多い便であっても法令に従い、最低でも座席数50席あたり1人以上の客室乗務員が乗務しなければならない規定がある。そのため、搭乗率が低くても基本的には乗務する客室乗務員の数は変わらない。
乗客が数人の場合、機内で乗務するパイロットや客室乗務員の数よりも乗客の方が少ない場合も発生している。保安業務がある以上、1便あたりの乗務人数を大きく減らすことはできない状況になっているのだ。つまり、客室乗務員の必要人数は乗客の数に比例するのではなく、運休便の比率次第で勤務体系は大きく変わることになる。
ANAによると3月29日~4月24日までの国際線における運航率(便数ベース)は約1割程度で、国内線は記事執筆時点(4月12日)で4月の運航率は約65%。運航している便でも当初予定していた機体よりも小さい機体で運航するなどの対策を取っている。
ANAの現状としては、運休や減便により発生した人員余剰に対する緊急対応として、「一時帰休制度(時限的特別単日休業制度)」を長期社員の客室乗務員6400人を対象に4月から開始した。
この一時帰休制度では、1ヵ月・一人あたり3~5日程度の休業日数で、賃金減額分と同額を会社が休業手当として全額補填するとしている。一時帰休を実施することで、移動交通費や乗務手当の削減につながる。客室乗務員にとっては、休日は増えることになるが、勤務しない分の乗務手当分が減ることになる。
だが、雇用調整助成金を活用し、社員全員の雇用を継続することを最優先にしており、影響は最小限に留めたいという考えからの経営者側の決断だろう。役員についても4月から役員報酬のカットを実施している。
一方、JAL(日本航空)は、客室乗務員の一時帰休について「弊社では客室乗務員の一時帰休を行う予定はありません。日に日に状況は変わっておりますが、現在、安全と品質に影響を与えないありとあらゆる費用の削減を行い、現在の危機的な状況を乗り越えるべく努力しております」とコメント。役員報酬についても、4月から6月まで10%を自主返納することを決めている。
このように、ANAやJALには、社員への影響を最小限にするべく、人員整理は行わずにこの難局を乗り越えたいという強い経営陣の意志を感じる。
過去にニューヨークの同時多発テロ、SARS、リーマンショック、東日本大震災など災害、政治、経済リスクを経験してきた航空会社にとっても、これほど先行き(収束の見込み)が読めないことは初めてのことに違いない。3月29日から予定されていた国際線の新規路線や増便も全て見合わせている。
しかしこの大手2社以上に深刻なのが、レジャー客の比率が高いLCC(格安航空会社)だ。国内LCCの客室乗務員の深刻度は危機的状況で、既に生活水準の維持も大変な状況に陥っている。
国内LCCの客室乗務員が危機的状況にある大きな理由として、運休便の比率が非常に高いことが挙げられる。ANA・JALでは国内線では半分以上の便が継続して運航しているが、LCCは国際線だけでなく、国内線も多くが運休していることで、客室乗務員の乗務回数が激減もしくは完全自宅待機の状態になっているからだ。
日本国内のLCCとしては、ジェットスター・ジャパン、ピーチ、スプリング・ジャパン(春秋航空日本)、エアアジア・ジャパンの4社がある。いずれも国際線も運航しているが、国際線はスプリング・ジャパンの一部便を除いて全て運休、国内線でも特に4月に入ってから運休発表が続いている。
ピーチは、4月1日から5月31日の運航予定だった便のうち、国際線は全便運休、国内線も運航予定便の比率が43%。
ピーチ全体の運航率は約28%となっているが、それでも国内LCCの中では最も高い運航率となっている。
また、ジェットスター・ジャパンは、4月10日以降は国内線全24路線のうち5路線を除いて全て運休。4月10日~5月6日の国内線の運航率は約1割で、国際線を加えた全体の運航率は1割を切っている。
そして、これ以上に深刻なのがスプリング・ジャパンとエアアジア・ジャパンの2社だ。
スプリング・ジャパンは、成田~新千歳、成田~広島、成田~佐賀、そして国内LCCで唯一運航を継続する国際線路線として成田~ハルビンの合計4路線について、4月13日以降、日曜日のみ各1往復を運航すると決定。つまり、月曜~土曜は全便運休となり、1週間に1日しか運航しない状況になる。
国内航空会社で初めて全便運休を決めたのが、エアアジア・ジャパン。拠点とする中部国際空港(セントレア)の第2ターミナルも閉鎖となり、客室乗務員は一切、空を飛ぶことができない状況になっている。
LCCの客室乗務員は、国内にLCCが誕生した2012年頃に比べると賃金は上昇傾向にあるが、それでも大手の航空会社と比べると待遇面に差はある。フライト回数も多く、基本的には就航地でのステイ(宿泊)勤務も少ない。
あるLCC航空会社の関係者は、客室乗務員の賃金体系は、フライト回数を重ねないと給与的に厳しい仕組みになっている会社が多いと話す。会社全体で9割以上の便が欠航しているLCCも多く、客室乗務員としての乗務がないことで、大手2社とは比較できないくらいに大幅に給与が減っている状況にすでに陥っている。
会社によっては、月収で10万円を切るケースも出ている。加えて、家賃補助がないLCCがほとんどであり、元々の給与も決して高くないことで貯蓄も限られ、既に家賃の支払いができずに会社に対してSOSを求めている客室乗務員も出ているそうだ。
具体的な雇用対策が会社から示されていない状況で不安な客室乗務員が多く、影響が長期化すれば、客室乗務員としての仕事を継続できない可能性も考えられる。
LCC各社は、2011年の東日本大震災より後に運航を開始しており、訪日外国人旅行者の急速な増加も追い風に拡大してきた。しかしその反面、大手航空会社のように災害・政治・経済リスクを乗り越えた経験がない。つまり、今回が初めての大量運休の経験となる。
国際線の運航比率が高いことで、コロナウイルスが収束しても利用者が戻るまでに相当な時間を要するはずだ。そうなると、雇用をいかに守ることができるのか、経営者側の経営判断を含めてLCC各社にとって大きな試練となるだろう。
国内の航空会社19社が加盟している定期航空協会は、今年2月~5月までの4ヵ月間で約5000億円の減収規模になると見込んでおり、長期化すれば年間で2兆円規模の減収になる可能性もある。
コロナ収束が前提となるが、来年に延期となった東京オリンピック・パラリンピックもあることから、その際に人員不足で飛ばしたくても飛ばせないという状況を作るわけにはいかない。人員整理だけは避けたいのが本音であり、今は夏の旅行シーズン前までの収束を心から願う声が航空業界から多く聞かれる。
日本政府では、新型コロナウイルス収束後、官民一体型の消費喚起キャンペーン「Go To キャンペーン」を1兆6794億円規模で実施する計画で、旅行代金の約半分相当の旅行先で使えるクーボンを付与するなどの需要喚起策を実施するが、このキャンペーンの開始時期が、旅行自粛が解除されるタイミングとなるだろう。
航空会社にとっても同様で、コロナを気にせずに飛行機移動ができる日が1日も早く訪れることを願うばかりだ。
鳥海 高太朗(航空・旅行アナリスト)
毎年多くの新型車が登場する一方で、残念ながら生産を終了してしまうモデルもある。生産を終了する理由はさまざまだが、なかには惜しまれつつ姿を消していったモデルや時代の流れを先取りしすぎて当時は理解されなかったモデルが存在する。
そこで今回は、現代に復活すれば話題の中心になるであろう名車を独断と偏見でピックアップしてみた。現実的には復活不可能なものもあるかと思うが、そこはあえて考えずに選んでいるのでご了承いただきたい。
1)日産シルビア
S14型を除きコンパクトな5ナンバーサイズのボディに、2リッターターボエンジンを搭載したFRレイアウトという、今ではほとんど見られなくなったパッケージングを持っていたシルビア。今でもドリフト競技ではメイン車種となっており、中古車の価格も上昇の一途を辿っている。
過去にも何度となく復活の噂が出てきては消えているシルビアだが、同様のコンセプトの車種が皆無な現代に復活すれば、多くのユーザーを虜にすることは間違いないだろう。
2)トヨタ・プログレ
高級車=大きなボディという常識を打破すべく、ほぼ5ナンバーサイズのボディにセルシオ並みの高級装備を詰め込んだプログレ。当時はそのコンセプトは一部のユーザーにしか受け入れられず、1代限りとなってしまった。
しかし、現代ではコンパクトカーを凌ぐ価格帯の軽自動車が売れているように、車格よりも自分にあったサイズ感のクルマを求めるようになっており、今ならば“小さな高級車”という概念に賛同するユーザーも多いのではないだろうか。
消えたのがもったいなさすぎる農道のポルシェ
3)スバル・サンバー
軽の商用バン&トラックとしては唯一無二の4輪独立式サスペンション、4気筒エンジン、RRレイアウトを守り続けてきたサンバー。その独自のレイアウトから生み出される走行性能は「農道のポルシェ」と言われるほど愛される存在となっていた。
残念ながらスバルの軽自動車撤退により、現在はダイハツ・ハイゼットのOEM車となってしまっている。だが生産終了前に駆け込み需要があったことからも、惜しまれつつの生産終了だったことは言うまでもない。
4)マツダRX-7(RX-8?)
2012年にRX-7の後継モデルであるRX-8が生産を終了して以来、すでに8年の時が流れているが、未だにマツダのアイデンティティとして多くのユーザーに愛され続けているロータリーエンジン。マツダも過去に何度かロータリーエンジン搭載を示唆したコンセプトカーを公開しているが、市販化には至っていない。
現在のマツダの魂動デザインは評価も高いため、ぜひロータリーエンジンを搭載した流麗なクーペの誕生を期待したいところ。もちろん、もうひとつのイメージリーダーであるロードスターのように走る楽しさにも妥協のないモデルとなっていれば、日本のみならず世界から引く手あまたとなるのではないだろうか。
【断末魔の中国】
「新型コロナウイルスは、『(1)天然ウイルス 自然に感染』『(2)天然ウイルス 過失漏れ』『(3)人工ウイルス 過失漏れ』『(4)人工ウイルス 悪意ある拡散』のいずれだと思うか?」
新型肺炎(COVID19)の流行が世界へ拡大していた2月28日、ある著名な中国人がツイッター上で、このような世論調査を行った。
これに反応した、ツイッターを使用できる環境にある中国人ネットユーザーから、1日で1万人以上の回答を得た。
結果は、「人工ウイルス 過失漏れ」が51・1%、「人工ウイルス 悪意ある拡散」が23・8%、「天然ウイルス 過失漏れ」が13%、そして、12%と最も少なかったのが「天然ウイルス 自然に感染」だった。
この調査に答えた人たちの、実に約75%が、新型コロナウイルスについて「人工的なウイルス」と考えており、発生源は中国科学院武漢病毒研究所の「武漢P4研究室」だと推測しているようだ。SARS(重症急性呼吸器症候群)や、エボラ出血熱といった危険な病原体を研究するために指定された、中国で唯一の研究室である。
「個人の世論調査」という、思い切った行動をとったのは中国中央テレビ(CCTV)の著名なニュースキャスターだった崔永元氏である。詳細は省くが、さまざまなスキャンダルのなかで国営テレビ局を辞めて久しい。近年、中国のトップ女優、范冰冰(ファン・ビンビン)氏の巨額の脱税疑惑を暴露するなど、彼の名前が再浮上していた。
一方、習近平政権から絶大なる支持を得ている国家衛生健康委員会ハイレベル専門家グループのグループ長、鐘南山氏は2月下旬、「感染はまず中国で発生したが、ウイルス発生源が中国だとはかぎらない」と語り、「人民日報」などの官製メディアで発信され、国内外で物議を醸している。
反応のなかには、「中国政府が今、『米国が中国でウイルスを拡散した』とのプロパガンダを始めていることの一環だ」と指摘する有識者の声もある。すなわち、中国湖北省武漢市が感染源ではないかのような世論操作すら始めているのだ。
習国家主席の片棒を担いでいるのが、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長である。「習主席のリーダーシップを他の国も見習うべきだ」と語るなど、「親中」姿勢を隠そうともしないテドロス氏は今月2日、新型コロナウイルスの感染拡大について、「WHOは韓国、イタリア、イラン、日本の情勢を最も懸念している」「過去24時間の感染件数の増加は、中国国外が国内の約9倍」などと指摘した。
日本の総感染者数は1000人を超えたが、大部分は英国船籍のクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の乗船者(約700人)なのだ。
さて、五輪開催国として日本政府がすべきことは、「中国からの入国制限」とともに、経済的ダメージなど国民への影響を最小限に食い止めるための財政出動ではないだろうか。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体-脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家-世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
和楽器バンド / 「暁ノ糸」MUSIC VIDEO/Wagakki Band"Akatsukino Ito"
コロナ禍でも生き延びる方法を真摯に訴えるたかまつなな(Youtube『たかまつななチャンネル』より)
新型コロナウイルスの拡大にともなう自粛要請が続き、業界によっては営業停止や雇用の縮小が広がるなかで働き口はおろか、経済難に陥り家賃が払えず、住居まで失いかけて途方に暮れる人たちがいる。さまざまな事情から家を借りず、ネットカフェを中心に生活していた人たちも、行き場をなくして窮地に立たされている。コロナ不況が今後も続けば、このような人がさらに増えることが予測される。お金に困ったとき、仕事がなくなったときに受けられる支援には、どのようなものがあるだろうか──。(取材・文/たかまつなな)
お笑いジャーナリストとして「お笑いを通して、社会問題を身近にとらえてもらうこと」を目標に活動をしている私にピンチが訪れる。新型コロナウイルスの影響で、講演や各種イベントが軒並み中止になり、取締役を務める会社の収益が5分の1になった。赤字額は数百万円にのぼる。2か月くらいなら持ち堪えられるかもしれないが、ワクチンが開発され事態が収束するまで、仮に1年かかるとしたら、もう倒産するか、お金を借りられたとしても、返せるかわからない数千万円もの借金を抱えることになりそうだ。
スタッフへの給料が払えなくなるのは時間の問題だ。しかし、周囲の芸人仲間の状況はもっと厳しい。お笑いライブは全て休止、バイトのシフトにも入れない。収入が0円になった人も多くいる。この1か月、私は毎日憂うつだった。先が見えないうえに「景気が悪くなったとき、エンタメ業界はどのくらい世間から必要とされるのか」「今まで通り、お客さんがお金を出してくれるのだろうか」と、倒産や自己破産が頭をよぎる。不安は募るばかりだ。
追い込まれて自ら命を絶ってしまう人の気持ちがすごくわかる気がした。周りの芸人仲間で自殺者が出たり、餓死する人が出るのはなんとしても防ぎたい。そのために何ができるのか、取材を通してわかったことを、伝えたいと思う。
まず、私が声高に言いたいのは「仕事を失った方、なんとか生き続けましょう」ということだ。私たちには、生きる権利が保障されている。憲法25条にある生存権で《すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する》と、しっかり定められているのだ。今まで税金を納めてきた分、生きるために遠慮なく甘えて欲しい。しばらく生きていくために生活保護を受けるのは、当然の権利なのだから。
これから間違いなく、失業者数は増える。そして失業率があがると、自殺者数も増加する。新型コロナで人が亡くなるだけでなく、経済が衰え、自らこの世を去る人が続出する。こんな未来を食い止めなければならない。実際に新型コロナで仕事が減るとか、失業してお金に窮した場合、どんな支援が受けられるのか、どうすべきなのか。路上生活者の支援活動を25年以上続けている『一般社団法人つくろい東京ファンド』の代表理事、及び認定NPO法人『ビッグイシュー基金』共同代表の稲葉剛さんにお話を伺うと、その答えが見えてきた。
新型コロナ不況の煽りを受け、フリーランスで働く人の仕事が減ったり、雇い止め、派遣切りなども増えている。休園中のディズニーランドでは、1か月の手取りが5万円にも満たない非正規雇用のキャストもいることが報じられたばかりだ。大小問わず、全国でこのような事態が発生していることは容易に想像がつく。
家賃が払えなくなったら、どうすべきか。稲葉さんいわく「もう無理だと思い、夜逃げするのは絶対にダメ」だそう。払えなくなった時点で部屋を追い出される、と思っている人が多いが、実際は借地借家法に基づく『居住権』(賃借権がなくなった後も事実上、継続して居住できる権利)があるので、1〜2か月程度ならば住み続けることができるという。
『住まいの貧困に取り組むネットワーク』の世話人でもある稲葉さんは、3月28日に『すべての家主、不動産業者、家賃保証会社への緊急アピール』を発表。コロナ危機の影響で家賃滞納が急増しかねない状況をふまえ、全国の大家に「立ち退き要求は行わず、共に政府に公的支援を求めること」を訴えた。
そもそも、家主や不動産業者、家賃保証会社等が法的手続きを踏まずに家賃滞納者を立ち退かせることは違法だが、ひどい場合だと、家主側が荷物を勝手に処分したり、鍵を付け替えて開けられなくする、ということもあるという。これらの行為には民事上のみならず、刑事上の責任も生じるとのこと。
ただ、家主にも生活がある。家賃収入がなければ、生活に困る人もいるだろう。だから稲葉さんは「無理やり追い出しても、家が空き家になるだけで得をしない。入居者が家賃を払えるようになるため、公的な支援の充実を求めましょう」と呼びかけている。「もし家主や不動産業者が家賃の滞納について問い合わせてきたら、この『緊急アピール』をプリントアウトして、渡してみてください」と稲葉さんは語る(緊急アピールの全文は写真ページ参照)。
借主側に対しては「無理やり追い出されそうになった場合は、細かく記録を残すように。録音したり、張り紙を写真に残したりしましょう」とのことだ。
ただ、3か月を過ぎると、家賃を払わずに住み続けるのは難しい。裁判で合法的に追い出されてしまうので、早めに支援を求めることが必要だという。現在、主な対策として考えられるのは、以下の2つだ。
(1)緊急小口資金の申請
各市町村の社会福祉協議会は、収入が減った世帯に原則10万円を貸与する『緊急小口資金(特例貸付)』の申請を受け付けている。貸付は無利子で保証人も必要なく、返済までの据置期間は最長1年。要介護者や感染者がいる場合、子どもの世話で仕事を休んだ世帯などは、特例で上限が20万円になる。現在、タクシー運転手、飲食店経営者、イベント関係者などが多く相談に来ているという。
(2)住宅確保給付金の利用
離職や失業などによって家賃の支払いが困難になった人は、生活困窮者自立支援法に基づく『住居確保給付金』の活用も考えてみよう。申請し一定の要件を満たせば、再就職までの原則3か月間(最長9か月)、自治体が賃貸住宅の家賃を補助してくれる制度だ。従来、65歳未満までしか支給対象ではなかったが、4月1日支給分から年齢制限などが撤廃された。相談先は、各自治体の生活困窮者自立支援制度の窓口になる。
気になる人はぜひ、各都道府県の社協や厚生労働省のホームページを覗いたり、各自治体の窓口へ相談したりしてみて欲しい。
しかし、この制度には問題がある。申請者は「求職活動をして、正社員を目指す」ことが前提となっているのだ。新型コロナの影響で求職活動自体、困難になっているため、実際の運用は柔軟になっているようだが、この点を強調されるとお笑い芸人や音楽家、役者などは、その職業を辞めて正社員を目指さないといけない、ということになってしまう。
いずれにしても、まずは「住所を死守することが大事だ」と、稲葉さんは訴える。住宅がなくなると、ネットカフェや路上で生活せざるを得ない人が多くなる。しかし、住んでいたアパートから撤去したことが自治体に分かると、住民票を消されてしまうのだという。
「履歴書に記載する住所欄を埋められなくなると、就職活動をする際にかなり不利になるため、やはり失うことは避けるべきです」(稲葉さん)
よって、前述の2つの対策法を使うことができない場合には遠慮することなく、生活保護を検討しよう。
“貧困ビジネス”。現在26歳の私が、小学生のころからドキュメンタリー番組などで目にしてきた言葉だ。昔からある問題にもかかわらず、今でも根深く残っている。「できる限り住所は死守を」と稲葉さんは言うものの、現在、都内には4千人を超える“ネットカフェ難民”がいるという。家を持たず、ネットカフェに寝泊まりして生活していたものの、緊急事態宣言に基づき休業要請が出たことから、ネットカフェが相次いで店じまいしてしまったため、行き場を失い、ひどく苦労している。
実際、稲葉さんのもとには3月末から「ネットカフェから追い出されてしまった。行くところがない」といった相談が60件以上きている。稲葉さんらはこの現状をふまえ、いち早く行政に働きかけた。
4月3日に東京都に対して要望書を提出したところ、都は4月6日の記者会見で「住まいを失った人への一時住宅として提供するためにホテルなどを借り上げ、12億円の予算を計上した」という旨を発表。現在、2000室の受け入れ体制を整えている。しかし、他県から人が押し寄せることを懸念してか「6か月以上、東京都で生活していたと証明する」ことを強く求めているという。
6か月前のネットカフェの領収書や、献血・治療の証明書などがある方は、新宿にある『TOKYOチャレンジネット・東京都』に足を運んでみるといい。ビジネスホテルを案内してもらえるそうだ。6か月未満の人は、各役所の福祉課に相談に行こう。
だが、なかには民間の無料低額宿泊所に案内されるケースもあるという。生活保護は東京都の場合、1人あたり月に約12〜13万円ほど受けられる。しかし、ひどい場合、施設側が宿泊費・食事代として10万円以上も搾取し、本人には1万円ほどしか渡さない事例もある。食事も貧しく、カップラーメンが1つということや、相部屋を強いられることも。
「狭い部屋に押し込まれ、感染リスクが高くて不安だ」と稲葉さんに相談する人もいるという。“3密”の空間で感染の恐れがあるから、とネットカフェが自粛しているのに、余計に感染の危険性が高まってしまっては本末転倒だ。本人の意思で「安全面が不安だからビジネスホテルにしてください」と申し入れることもできるので、利用する人は注意深く説明を聞いて欲しい。
稲葉さんらがこの実態に対し、4月16日、厚生労働省などに改善を求めたところ、翌17日には厚生労働省が各自治体に向けて次のような事務連絡を出した。《新たに居住が不安定な方の居所の提供、紹介等が必要となった場合には、やむを得ない場合を除き、個室の利用を促すこと、また、当該者の健康状態等に応じて衛生管理体制が整った居所を案内する等の配慮をお願いしたい》。これで今後は改善される見込みだとのこと。
このように悪徳な貧困ビジネスが横行していることは、役所も把握しているものの、公的な宿泊所を作るとなると住民に対して説明会を開かねばならない。そこで反対運動が起きるなどして、どうしても難しく「ひどい現状であることは理解しつつも、ほかに方法がない」と思っているケースも多いそうだ。20年前から問題視され、今年度に大きく見直されたのにもかかわらず、稲葉さんらが訴えてきた“完全個室化”は叶わなかった。
「ここ何年も基本的な生存権を訴えてきたものの、無視され続けたのに“新型コロナの感染リスクが高い状況下で、貧困層を中心に蔓延(まんえん)すると、社会基盤を維持できないから”という理由で、行政の制度がどんどん変わってきている。嬉しい反面、なんだか虚しさも感じる」
と言う稲葉さん。私もさまざまな分野を取材してきたなかで、今回の霞ヶ関や永田町のスピード感には驚いている。セキュリティの問題や、wi-fi環境が整っていないという理由であれだけ困難だとされてきた学校のIT化が急速に進んだり、医師会が反対し、遅々として進まなかったオンライン診療が発展したり。新型コロナをきっかけに、社会が急速に変化を遂げている。
自己責任論が強く、生活保護へのバッシングが絶えない日本社会において「明日、自分が失業するかも」「いつお金がなくなるかわからない」と実感する人が増えた昨今。それでも生きていける社会が素敵だと思えたり、生活保護に対しての当事者意識をこれほど持てたりする時代は、なかなかなかっただろう。全国の学校へ出張授業に行き、「政治に関心を持とう」と啓蒙している私は、税金の使われ方や、ルール作り、社会のセーフティネットのあり方などについて、今こそみんなで議論したい。
(取材・文/たかまつなな)
※この記事は、私たかまつなな個人の発信です。所属する組織・勤務先とは一切関係ありません。問い合わせは、下記アドレスまでお願いします(infotaka7@gmail.com)。
【PROFILE】
稲葉剛さん ◎一般社団法人『つくろい東京ファンド』代表理事。『住まいの貧困に取り組むネットワーク』世話人。『生活保護問題対策全国会議』幹事。 '69年広島県生まれ。'94年より路上生活者の支援活動に関わり、'01年『自立生活サポートセンター・もやい』を設立。幅広い生活困窮者への相談・支援活動を展開し'14年まで理事長を務める。同年につくろい東京ファンドを設立し、空き家を活用した低所得者への住宅支援事業に取り組む。著書に『貧困の現場から社会を変える』(堀之内出版)、『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』(エディマン/新宿書房)、『生活保護から考える』(岩波新書)、『閉ざされた扉をこじ開ける』(朝日新書)等。
【INFORMATION】
本件については、Youtube『たかまつななチャンネル』内の動画『コロナ禍でも生き延びる方法』でも話しています。
リンクURL→https://youtu.be/OXXOHJYQh80
『たかまつななチャンネル』ぜひご覧ください
《追い出し屋に関する相談窓口》
・消費者ホットライン(全国共通188) https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
・全国借地借家人組合連合会 http://www.zensyakuren.jp/kakuchi/kakuchi.html
・住まいの貧困に取り組むネットワーク メール:sumainohinkon@gmail.com
・全国追い出し屋対策会議 http://sikikinmondai.life.coocan.jp/oidasiya/zenkokugaigi.htm
《緊急小口資金に関して》
・都道府県・指定都市社会福祉協議会のホームページ(リンク集) https://www.shakyo.or.jp/network/kenshakyo/index.html
《生活困窮者自立支援制度に関して》
・厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000073432.html
・新型コロナウイルスに関連した生活困窮者自立支援法に基づく住居確保給付金の活用について https://www.mhlw.go.jp/content/000605807.pdf