■マーケット
企業業績 下方修正相次ぐ 東芝は過去最大の赤字見通し
2015年10-12月期の企業決算が本格化する中、東芝は今期の最終損益見通しを5,500億円の赤字から7,100億円の赤字に下方修正しました。また三井物産も最終利益の見通しを従来の2,400億円から1,900億円に下方修正しています。こうした下方修正を余儀なくされる企業は、決算を既に発表した東証1部企業の1割を超えています。SMBC日興証券の伊藤桂一チーフクオンツアナリストは企業業績の回復にまだ時間がかかると語り、110円前後まで円高ドル安が進んで定着すると企業業績にも悪影響が出ると分析しています。
米中国企業の投資に壁
中継担当:ジェトロNY 前中康志氏
米国には外国企業による米企業の買収などについて、政府が審査する「外国投資委員会」があります。企業の合併・買収を安全保障の観点から審査し、アメリカの安保を損ねる案件については大統領に差し止めを勧告します。国別にみた審査件数では、2年連続で中国企業による投資案件がトップになっています。しかし、議会では、中国企業による買収が安全保障に与える影響を指摘する声が増えています。また安保上の心配をする声が高まる一方で、中国企業のアメリカへの進出や企業買収は雇用創出などの経済効果を期待できるため、歓迎する声も大きいのが現状です。
■ニュース
混迷する再建問題 シャープ“支援”決定を先送り
経営不振に陥っているシャープの再建問題。支援に名乗りをあげたのは官民ファンドの産業革新機構と台湾の電子機器受託製造大手の鴻海精密工業でした。どちらの支援を受けるのか、きょうにも決定する予定でしたが決断は先送りになりました。しかし、決定した事実はないとしながらも高橋社長は「リソース(経営資源)を多くかけているのは鴻海」として、交渉の進行具合では鴻海が優位に進んでいることを認めました。そもそもシャープ支援は産業革新機構の既定路線で進んでいました。しかし1月下旬に鴻海精密工業の郭台銘会長が自らシャープを訪れ、支援額を引き上げたためメーンバンクも再検討に入り、鴻海精密工業優位という流れができました。またシャープも鴻海精密工業案が事業を切り離さず会社全体の再生を計画していることや雇用を確保し、技術流出の心配がないことを確認できたことから、鴻池に重きを置き始めました。
TPP8億人経済圏 誕生前夜
日本やアメリカなど12ヵ国が、巨大な経済圏を築くTPP=環太平洋経済連携協定の署名式がニュージーランドで行われました。日本からは辞任した甘利・前経済再生担当大臣に代わって高鳥内閣府副大臣が出席しました。今後、TPPの早期発効に向け、各国は議会承認など国内手続きを始めます。ニュージーランドはTPPの原型となる自由貿易の枠組みP4の立ち上げをリードし、世界でもいち早く国内経済の自由化に取り組んできました。関税撤廃措置で輸入品が安くなり、日産やトヨタの工場は90年代後半に工場を閉鎖するなど国内の製造業は大きく縮小しました。一方、乳製品は輸出トップを誇るニュージーランドの主力産業です。しかし、世界的な供給過剰による国際価格の下落により苦しい状況にあります。そのため、TPPによる輸出の増加に期待を寄せる声が聞かれました。
ファミマ ユニー統合 スーパー不採算店閉鎖も検討
9月に経営統合するファミリーマートと、ユニーグループ・ホールディングスが記者会見を開き、新会社の社長に就く上田準二氏が、総合スーパー事業の立て直しのため不採算店の閉鎖も検討していることを明らかにしました。統合後の新会社の社長にはファミリーマートの会長である上田氏が、コンビニエンスストア事業の子会社の社長には、伊藤忠商事出身の澤田貴司氏が就任します。ユニーグループ傘下の「サークルK」と「サンクス」は3年以内に「ファミリーマート」に統一します。一方、不振が続くユニーグループの総合スーパーについて上田新社長は「売り場改革をいくらやっても、店舗が今後も利益を生み出せないとすれば、閉鎖も考えなくてはいけない」と述べました。総合スーパー事業の立て直しのために、不採算店の撤退に加え、コンビニエンスストア事業との物流や商品開発の共同化など、さまざまな手段を検討しているということです。
トヨタ本社工場で火事
きょう正午前、愛知県豊田市にあるトヨタ自動車の本社工場で、火事がありました。消防によると、従業員が消火活動にあたり、およそ2時間後に鎮火しました。出火したのは、鉄を加工する機械で、排気ダクトなどが燃えました。トヨタは「生産への影響はない見通しだ」と話しています。トヨタは、グループの愛知製鋼で起きた爆発事故の影響で今月8日から13日まで国内全ての組み立て工場で操業を止めると発表したばかりです。
au 子供向け腕時計携帯
KDDIはきょう、国内初となる子供向けの腕時計型携帯電話を発表しました。未就学の幼児でも音声で簡単に電話が掛けられる仕組みです。これまでの携帯では、子どもが着信に気づかないことも多かったのですが、腕に付けるため気づきやすくなるといいます。
サンフレッチェ 首都圏で求人
Jリーグ昨シーズンの王者で、クラブワールドカップでも3位のサンフレッチェ広島が、経営面での伸び悩みを打開するため首都圏で人材募集を始めました。地方企業に「攻めの経営」を実現させることを目的にした内閣府の事業を活用するもので、首都圏の優秀な人材を地方の活性化に役立てることを目指しています。サンフレッチェは、グッズなどの販路を新たに開拓する人材を募集します。
違法ドローン ワシで退治
世界中で小型無人機ドローンに関する規制が議論される中、オランダ警察がある秘策を打ち出しました。音を立てて飛び上がるドローン。そこへ1羽のワシが現れ、鋭い爪でキャッチします。オランダ警察は、ドローンを悪用したテロ攻撃や犯罪に備え、訓練したワシをドローンの捕獲に活用することを思いつきました。日本でも、去年12月に改正航空法が施行されるなど、世界的に飛行のルールづくりが課題となっているドローン。オランダ警察は、“究極の武器”でドローン犯罪に立ち向かうことを考えています。