■マーケット
G20の影響は?
株式市場では今週末のG20の結果を見極めたいとの見方から活発な取引が控えられ、日経平均株価は小幅な値動きとなりました。市場の一部ではG20で為替相場の急激な変動を防ぐための国際協調が期待されています。ただ実効性のある政策が出てこないと短期に利益を得ようとするヘッジファンドなどが円を買う動きを強め、円高が進むリスクもあります。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘シニア投資ストラテジストはドル円が110円を超えて円高が進むと日経平均が1万5,000円を割れる可能性もあると分析しています。
米GDP成長率 10~12月期 1.0%に上方修正
米国では10-12月期GDP=国内総生産の改定値が発表されました。先月の速報値0.7%から1.0%に上方修正されました。とてもよい数字というわけではありませんが、市場予想を上回ったため、市場関係者にはプラスの印象を与えました。個人消費は減速しているものの、堅調に推移し景気の拡大を下支えしている構図が続いていることも確認できる内容でした。GDPの動きからはドル高や輸出の減少、設備投資にブレーキがかかっていることが米経済の重石になっていることがわかりました。こうした輸出や設備投資の減少などが続くようだと、雇用や所得の改善にも歯止めがかかり、減速につながる懸念があります。
中継担当:ジェトロNY 前中康志氏
■A.T.カーニー日本法人会長/梅澤高明
・ 中国の構造改革について
Q.--人民元の安定だけではなく、根本的に中国の構造改革を進めていく必要があるが、うまくいくのか疑問視する声も多い。
A. 中長期では着実に進んでいくと思う。構造改革については、
①設備余剰の解消
2007年に約8割だった製造業の稼働率が、今は65%位まで落ちている。鉄鋼や板ガラス、船舶、太陽電池等の機械などが代表例です。これは一気に解消するわけにはいかないが、徐々にやっていくだろう。
②製造業の高度化
「中国製造2025」という方針を打ち出していて、イノベーション強化あるいはブランド力の向上、あるいは国際化等の方針を掲げています。最近この方針に合致するような大きな案件がいくつか出てきています。たとえば中国化工という会社がシンジェンタというスイスの農業科学の最大手を買収しました。これは種子の先端的技術を獲得するのが狙い。それからハイアールがGEの家電部門を買収しました。これは世界的なブランドを買収し販路を構築する。あるいはバイドゥが最近西海岸にAIの研究所を作って、グーグルXの中核メンバー(Dプランニングの第一人者)を招聘して研究を進めています。
こんな形で徐々に高度化も進めているので、時間はかかると思うが、中国もソフトランディングしていくと思います。5年から10年くらい、構造転換にかかると思います。
・アートとホテルの相性
ニューヨークやロンドンにも同じような取り組みがあって、先進事例として、エースホテルというブティックホテルのチェーンがある。1999年創業でシアトルからスタートして、ポートランドやニューヨークあるいはロンドンなど、全て基本的に古い建物のコンバージョンです。その町に住んでいる若手アーティストを中心に1部屋づつ作り込んでいくスタイルで、もともと打ち捨てられたさびれた場所にある古い建物をコンバージョンする。結果的に人が集まる新しいコミュニティスペースになる。それに触発されていろんな新しいプレーヤーがニューヨーク等でも出てきています。
街中のアートを組み合わせてもいいと思うし、さらにAR(拡張現実)を組み合わせて未来的にしても楽しいと思う。
・ SNSで梅澤さんに大学生の方から質問をいただきました。
Q.私は大学3年生で「」の中で就職活動をしています。2020年のオリンピックに向け雇用は増えると言われていますが、企業の海外移転が進む中、その後の雇用は減ってしまうのでしょうか?
A.雇用自体は減るんですが、それは企業の側の要因ではなくて労働力が減っていくからです。失業率は今最低水準の3.3%ですが、それは大きく変わらないと思います。だからオリンピック後という理由で心配する必要はない。ただ中長期で考えないといけないのは、AIやロボットで自動化・機械化が進んでくる中で、いったいどの仕事が人がやるべき仕事として残るのか、ということだ。
■特集 シリーズ「治る!最前線」
第56回 “膝の痛み”の最新治療
東千葉メディカルセンター(千葉・東金市)
国内の患者数およそ2,500万人の病、変形性ひざ関節症。加齢や肥満などが原因で、ひざの関節の骨と骨の間でクッションの役目をしている軟骨がすり減り、痛みを引き起こす病だ。末期の患者に対して行われるのが関節を取り除き人工関節に置き換える手術。
人工関節は体に害が少ない金属「チタン」と「ポリエチレン」で作られている。このポリエチレンが軟骨の役割を果たし、人間の膝の関節と同じように動く仕組みだ。治療は膝の上下の骨を削り、すり減った軟骨ごと取り除き、そこに人工関節を入れる。
体に入れた人工関節は常に体内の酸素にさらされる。これまでは体内で酸化してしまい、耐久性は15年程で、後に再手術で人口関節を交換することも多かった。
最先端の人工関節は、これまで課題だった耐久性を大きく伸ばすことに成功した。カギを握るのはビタミンE。ポリエチレンに抗酸化作用を持つビタミンEが配合されたことで、人工関節の酸化を防ぎ、耐久性がこれまでの約2倍の20年~30年になり、再手術のリスクが減った。
さらに病気を早期発見できる最新のMRI検査も登場している。
プロテオグリカンとは、加齢等で減少してしまう軟骨の中にある物質。ひざの軟骨はクッションの役割を果たすため、約7割が水分である。その水分を蓄えているのがプロテオグリカンなのだ。
最新の研究で軟骨の中のプロテオグリカンが減ると軟骨がすり減っていってしまうことが分かった。最新検査「T1ローマッピング」では、軟骨中のプロテオグリカンの量を測定できるのだ。プロテオグリカンの量を色で画像化した。検査費は3割負担で約3000円。軟骨がすり減り痛む前にプロテオグリカンの量で早期発見できる。
《東千葉メディカルセンター/リハビリテーション科/渡辺淳也部長》
「軟骨がすり減る前に早期発見できることで、減量や運動療法などいろいろな対応ができる。最終的に変形性膝関節症を進行させずに済む。」
取材先 東千葉メディカルセンター
■ニュース
早くも暗雲… シャープと鴻海トップ会談
シャープの高橋社長と鴻海の郭会長はトップ会談を行いました。鴻海がシャープに対し支援の契約を保留していてる問題について協議したものと見られます。25日シャープは鴻海からの支援策の受け入れを決め、鴻海を引き受け先とする4,890億円の増資を実施すると発表しました。しかし、鴻海は「シャープから新たな重要文書を受け取り精査の必要があり、最終合意は保留する」と発表した。重要文書とは3,500億円の偶発債務=将来債務になる可能性がある財務情報のリストです。この緊急事態に対し、シャープ高橋社長は中国・深センに滞在する郭会長を訪れ釈明しました。また鴻海は交渉期限を当初予定していた2月29日から1ヵ月延長する可能性を示唆しました。
《シャープ公式コメント》
「偶発債務については会計基準に基づき、有価証券報告書、四半期報告書などで適切に開示。その他に開示が必要と認識しているものはありません。」
《鴻海関係者》
「シャープから受け取った文書については、大部分が過去の協議で知らされなかった。郭会長は非常に怒っている。我々は東芝のような不正会計がないか精査する。」
不動産業界の暗部「おとり物件」
WBSが独自調査する「不動産業界の暗部」。第2弾は「おとり物件」です。これは賃貸物件などで「成約済み物件」を「空き物件」と偽り客を呼ぶ手法のこと。宅建業法や景品表示法に違反しています。都内の不動産会社ラインズマンは自社の管理物件の中で「募集を終えた物件」を不動産情報サイトに無断掲載されました。ラインズマンは、これを掲載した業者ネクサス・ジャパンをブログで告発。この会社はWBSの取材に「認識の甘さで引き起こされた事態で深く反省。全件再確認で再発防止に努める」と回答。またネクサス・ジャパンが看板を掲げる「アパマンショップ」の本部は「再発することが無いよう加盟企業への指導を強化する」と答えました。ラインズマンの門傳社長はおとり物件にだまされないために「見たい物件を現地待ち合わせにすること」としています。
またベンチャー企業のイタンジ(伊藤嘉盛社長)はインターネット上でおとり物件チェックができる不動産サービス「ノマド」(おとり物件チェッカー)を開始しました。「ノマド」では、物件のURLを入力すると本当募集しているかがわかる。おとり物件のチェックだけなら無料で使える。おとり物件を調べられる機能があります。1月に消費者の問い合わせ9000件のうち5300件が募集されていないものだった。人気の物件ほどおとりに使われやすいためです。
これはもはや個別企業の問題ではなく、業界全体の対応が必要だ。さらに情報サイト側も放置しているわけではなくて、独自のチェックを行っているが追いついていないのが実情である。
G20 きょう開幕
中国でG20=20の国と地域の財務相・中央銀行総裁会議が開幕しました。今回の会議では市場混乱の震源地とされている中国に注目が集まっていて、消費主導の成長のための構造改革の具体策が見えてこない中、中国がどのような説明責任を果たすのかが焦点になっています。そうした中、中国人民銀行の周総裁は「中国の輸出競争力を高めるために、通貨切り下げ競争に加わることはない」と発言しました。しかし、人民元は去年8月以降米ドルに対して6%以上下落していて富裕層による国外への資金持ち出しや、ヘッジファンドによる空売りが元安に追い打ちをかけています。投資家のジョージ・ソロス氏も「中国経済のハードランディングは不可避だ。私は予想しているのではなく、実際に目にしている」と発言、次の狙いは人民元としていて、中国では猛反発が起きています。さらなる人民元安は中国の株価下落をにつながり、世界的な株安を招くきっかけとなりかねないため、市場の安定化に向け日銀の黒田総裁も援軍に加わりました。黒田総裁は「人民元は安定している。(中国当局が)市場関係者に広く為替政策についてコミュニケーションを図るのは大変結構だと思います」と発言しました。G20会議にビデオメッセージを寄せた中国の李克強首相は、あらためて各国経済の協調を強化するように訴えています。
G20で人民元を安定させることはできるのでしょうか。
《豊島逸郎氏(投機筋に詳しい)》
「人民銀行VSヘッジファンドの投機マネーの戦いなっています。これからも人民元のきわめて不安定な状態は続く。今、人民元がなぜ安いか、売られているのか、一言で中国経済に対する不信感です。構造改革の本気度を中国政府はおそらく(G20の)記者会見や会議で強調する。その本気度が伝われば、場合によっては人民元に対する根本的な不安感が和らぐ可能性は残っています。」
アートとコラボの新ホテル
訪日外国人が政府目標の2000万人に迫り、ホテル不足が深刻な問題になっています。そんな中、若手のアーティストとコラボした新しいホテルが誕生します。
東京・JR高円寺駅の駅前に来月オープンするのが「BnAホテル高円寺」です。BnA大黒健嗣氏『泊まれるアートをコンセプトにしていて、作品の中に泊まれる。』
壁一面に描かれていたのは、オオカミの群れの絵。描いたのは、アーティストの高橋洋平さんです。
この建物、もともとは、不動産会社の事務所でしたが、若手アーティストの手によって生まれ変わりました。宿泊料金は、1室1泊で1万6,000円から2万円を想定していて、料金の15%から20%程度がアーティストに還元されます。今後は、高円寺の中で、物件を探し、30室以上の展開を目指します。さらに飲食店や銭湯などと提携することで高円寺の町を1つのホテルとして運営する計画です。
BnA大黒健嗣氏『観光マップに載っていないコアで深いところにつながる、コミュニティに入ることっだったり、作品のことを知ったりとか、外国人旅行者に対してアピールが強いものだと思う。』
北海道新幹線 一番列車 わずか25秒でチケット完売
北海道新幹線の開業まであと1ヵ月となったきょう、開業日の切符が全国一斉に発売され新函館北斗発の一番列車のチケットは、わずか25秒で完売しました。札幌駅などでは、一番列車の切符を手に入れようと徹夜で並ぶ人の姿もみられ、念願の一番列車の切符を買うことができた男性は、涙を流して喜びました。
総人口が初めて減少
総務省が公表した国勢調査の速報値によりますと、2015年10月1日時点の外国人を含む日本の総人口は、5年前の前回調査から、およそ94万7,000人減り、1億2,711万人となりました。国勢調査で総人口が減ったのは、1920年の調査開始以来、初めてです。一方で、東京、埼玉、千葉、神奈川の東京圏の人口は、およそ51万人増加していて、東京一極集中が続いています。
ふくおかFGと十八銀行 地銀トップ誕生へ
九州最大の地方銀行グループ、ふくおかフィナンシャルグループと、長崎を地盤する十八銀行はきょう、来年4月の経営統合に向けて協議することで基本合意したと発表しました。統合後の連結総資産はおよそ18兆7,000億円に上り、国内の地銀グループでトップとなります。
■【トレたま】プロポーズを台本に
【商品名】 ウェディング台本
【商品の特徴】新郎新婦のなれそめを テレビドラマの台本と同じ書式で描く
【企業名】 三交社
【住所】 東京都新宿区四谷砂土原町3-4
【価格】 シナリオ料3万2,400円+1冊1,080円から
【発売日】 3月中旬から専用ホームページ開設
【トレたまキャスター】 相内優香