Nさんの寄稿の最後です。
トレウバエフさんの姉は、あまり暴走しないやや控えめな女性であった。
だが、ノーブルな役柄をたくさんこなしているだけあり、
手、特に指先の何気ない動きが美しく、新たな義理の姉像を作り出していた。
この日で最終日を迎えたが、
とても心温まる作品であると再認識させられた。
プロコフィエフの音楽は
それだけを聴くと迷宮にのみ込まれるような
摩訶不思議な旋律が多々あるが、
バレエの舞台で聴くと、何とも心地良く、
シンデレラが降り立った現実離れした世界を一層際立たせている。
また、仙女の登場ソロの音楽は
空一面に広がる星を想起させ、
シンデレラとともに夢の世界へ旅立つ気持ちになる。
衣装や装置も豪華で、
特に四季の精達の頭飾りは、
春は若葉、夏は橙色の花と太陽の光、秋は紅葉、冬は雪、と非常に凝っている。
マズルカの衣装は抑えた赤やピンクで系統は同じだが、
それぞれ色合いが少しずつ異なっている。
そして、毎回同じ展開であることは分かりつつも、
光り輝く馬車が出てくる場面は
観る度に歓声を上げたくなってしまう。
今回は全公演無事故で一安心した。
またの再演が待ち遠しいばかりである
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