ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

ドンキホーテ-ザハロワ、マトビエンコー7月23日

2006年08月03日 | Weblog

今シーズン最後のボリショイ劇場の公演7月23日のドンキホーテを見ました。最後を飾るKitri役はやはりザハーロワ、Basile役は負傷のウヴァーロフの代りにマトヴィエンコ。指揮はPavel Klinichev.

この指揮者は指揮台に立つや否や演奏Startというスタイル。

Nanaさん情報では3日前の変更とのことで2人での練習の時間は余り無かったはずですが舞台上では目立った破綻はなく無難に何時ものザハーロワの輝くばかりの美しさ、体の柔軟さが遺憾なく発揮された舞台でした。あそこまで足を後ろに まるで自分の頭に着くぐらいまで綺麗に振り上げられるというのは流石。

マトヴィはNanaさん情報の通り回転系の技術を見せてエンジン全開で確かに舞台の上ではじけていました。客先から拍手喝采。可也の人気ですね。

ザハロワが32回転のフェッテで応酬。Nanaさんから心配された1幕と3幕に各2回ずつ、男性が片手でプリマを頭上高くリフトする大技ですが少なくとも1幕は2回それも一度はリフトされたザハロワがタンバリンを振る場面確かにありました。

ボリショイのドンキのPRビデオは本館の舞台のものですがここでステパネンコが2度バジルに飛び込むように身を預ける場面が写っていますがこれと比べると新館の舞台は狭いせいもあるでしょうし余り練習していない、休暇明け、怪我怖いETCでしょうがザハロワは一寸だけの距離の助走で恐る恐るマトビに身を預けるといったところは一寸残念でしたが。。

Lady of Dryadsはマリアアラーシュが演じましたが中々 気品ありました。

CupidはいつものNina Kaptsova。プリマですが出産後はこのような役が多い。

ジプシーダンスのJuliana Malkhasyantsも可也拍手受けていました。

カテコ動画(一幕終了後) (ザハロバの赤い娘の服がいかにも若い元気な娘の役)

カテコ動画(2幕終了後) (ザハロバの白い、アラーシュの薄青のチェチェ姿も良いですネ)

カテコ動画1 (3幕終了後。花束が投げ入れられザハロワが一輪ナイスキャッチ。最終日にて何時にも増してザハロバに山のような花束)

これにて今シーズンのボリショイ劇場は終了。来シーズンは9月1日で再開です。



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4 コメント

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マルハシャンツ! (Nana)
2006-08-24 16:19:50
わあ、ザハロワの赤レース ドレスにバラの花が華やかですね!シーズン最終日レポ、堪能させて戴きました!ザハロワの艶姿だけでも眩いのに、華、技あるマトヴィエンコに、ドンキ脇役ベストキャスト、絵画から抜け出たような天使のカプツォーワ、森の女王姿が美しい黒髪のアラーシュ、それにマルハシャンツまで加わって、千秋楽に相応しいステージだったみたいですね。

オマケのステパネンコ、ウヴァーロフのボリショイ旧大劇場、居酒屋ダイブシーン画像まであって、ゴージャスでした。(今となっては大劇場の定番画像が嬉しい。この二人の同シーンは見てますが、本拠地モスクワだとまた少し雰囲気違いますね)ステパネンコのは、対クレフツォフ、フィーリンでも見てるので、3人見るとそれぞれ比較できて楽しいです。



日本公演のパンフが、アレクサンドロワがトップ扱い(?)(それともあれは順番あんまし気にしなくていいんか??ちなみに”02年のはニーナ・アナニアシヴィリがトップ)だったり、何やらおやおやな雰囲気だったので・・。ラトマンスキーが、年齢の高いグラチョーワをあまり使いたがらないのかな???と見えるのは、芸術監督から見えることが私には判らないから置くとしても、何だかザハロワよりも、アレクサンドロワ、オシポワを押し出したいのかしら、というのが目を瞑っても見えてくるような所があって、片腹痛い思いもあったので、ザハロワの成功と、彼女を讃えるファン達の健在ぶりに、ほっとしました。



あっ思わずストレートに書いてしまいました・・。それぞれのダンサー達が競合し妍を競いながら向上していく、それぞれの花が咲いていくのが、良いと私は思うから。ラトマンスキーは自分のやるべきことに手一杯で、そこまでの余裕が感じられないのが彼の若さなのか立場なのか・・・。ボリショイの外からやってきた監督なので、彼によって、ここまで守られてきた伝統が、変えられていく可能性もあること、時の流れは仕方ないけど、複雑な思いを持っています。



(個人的趣味として、私がカバーできるのは、アレクサンドロワ、ルンキナまでで、オシポワまでいっちゃうと、何だか若すぎて当惑する、というのが本音です。部分の技術に目を引くものがあったとしても、精神的に子供過ぎて、まだどうこういう人ではないのではないかと。彼女たちを見てる自分がロリコンオヤジになった気分になっちゃいますね。)

オシポワたちがどうこういうのでなく、若い監督率いるバレエ団の傾向には、不安を覚えていたので、ロシアバレエのエッセンスをその身に継承している、スターの生活に耐えうる強靭な身体を持つ稀代の美女プリマ・ザハロワが、ボリショイ級の大バレエ団(ってのは私の幻想?)でスターとして輝いていてほしいから、要となるこの公演での好演は嬉しかったです。



ジプシーの踊りのマルハシャンツって・・。



90年代前半のボリショイ日本公演のガラで、このジプシーの踊りソロで絶品のキャラクターダンスを見せたダンサーが、「マルハシャンツ」でした。今ボリショイで教師の名で見たので、このブログのマルハシャンツさんは、昔この役を当たり役としたダンサーの娘さんか近親者かなと想像してます。

NBSの主催者さんが、'99年にボリショイを招聘した際、わざわざ「ドンキ」を、それも新しくA.ファジェーチェフ新版を用意させたのは、もしかして、「ロシア、ボリショイならあの、(マルハシャンツの踊った)ジプシーの踊りが見たい」と思って、特注したんではないのかと、個人的には思っています。なぜかA.ファジェーチェフは、「ドンキ」は、定番のゴルスキー版よりも、一時代前のプティパ版が良いと思ってるのだそうで、彼の本当にやりたかった「ドンキ」は日本の新国立劇場の持ってる版で見られます。こちらはジプシーの踊りがないのです。私はもちろんジプシーダンス付の、ゴルスキーを源流とする版の方が単純に好きです。



つまり、NBSさんの呼んだボリショイの上演している現版は、プティパをベースに、ジプシーダンスを加えた、折衷版、ということになるようです。贅沢を知ってるNBSの主催者さんが、「昔のボリショイのドンキの、土の香りのするジプシーの踊りが見たい」と、思われたらしき(配布物にそんなような話が書いてあった)、昔日ボリショイの誇るキャラクターダンスの伝統を、マルハシャンツという名のダンサーが今に伝えるべく、踊っているのでは、と、この日記見て想像しました。ボリショイの誇ったはずのキャラダンが、ソ連崩壊後、一時期少し弱くなったと感じた時もあったので、マルハシャンツの登場は喜ばしいことだと。



NBSの主催者さんが昔、誰のジプシーの踊りで感動したかは存じません。それは、昔のマルハシャンツだろうというのは私の想像ですが、昔のモスクワで見てたボリショイファンも彼女を良いといっていたので、可能性は高いかと。



オシポワのことを書くと、自信をつけさせるのも育てかたではあるけれど、ラトマンスキーの狭量が若いバレリーナを視野狭く育てやしないかと気になっていました。ザハロワの今日あるは、なかなかトップになれない昨日あってのこと。



向上心の点で、目の上のタンコブ的存在も、時として必要で、オシポワは日本公演で、彼女よりきっと脚は高く上がらないのかもしれないグラチョーワに、日本の観客が拍手するのがよくわからないという顔をしているように見えました。バレエ団の雰囲気が違っていたなら、オシポワの方が部分の技術が仮に高くても、彼女に特別な拍手がなく、若くはないグラチョーワに盛大な拍手があることがなぜなのか、彼女は考えたかもしれない。そういったことの全てが芸術家を育てるという私の考えは甘いのかもしれないけれど・・。



トウシューズに画鋲というのはマンガじゃなくて事実だと聞いたことはありますが、それでもグラチョーワとステパネンコが火花散らすライバル争いをして、共に切磋琢磨し大きくなっていったプロセスを見ているので、若いプリマも中堅のザハロワもそれぞれに輝いてゆけるような幅の広さが、バレエ団にあったらいいなと思っていたりします。マトヴィエンコったら金髪のバジルですか。ラテンの男なのに。6月の「ジゼル」の時と同じ髪って・・・。(染め直すと痛むのか・・)



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お久しぶりです (管理人)
2006-08-25 03:58:16
Nanaさん

最近Comment頂けないので寂しく思っていたところでした。詳細な気合の入ったコメントありがとうございます。オシポバは跳ね回る身体能力は凄いので将来性は期待出来ますがあの面はちょっと。。ですね。

ジプシーの踊りのマルハシャンツは結構いい歳という感じでしたので90年代から踊っていた人かも。





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追記 (Nana)
2006-09-06 18:17:25
こんにちは。



「ドンキホーテ」、第2幕居酒屋の飛び込みシーンについて。



去年の新国立劇場バレエ団公演「ドンキ」テレビ放映分があり、こちらのザハロワは、しっかりジャンプしてウヴァーロフの腕の中に飛び込んできっちり身を預けてました。

なので、マトヴィエンコとは身長さに不安がある、とか?。今度のニューヨーク公演も「ドンキ」があり、一般客には、ザハロワ、マトヴィエンコとの「ドンキ」では、ここはちょとポイントかもしれませんね。私には気にならなかったのですが。ロンドン公演が終わってみて、管理人さんの目の付け所は確かだなと思いました。



身長、熟練ならベロゴロフツェフあたりなら可能か?と思いますが、彼はこのごろメイン所であまり出てこないので・・。



それと、私の間違いの訂正を。この次の日記に書いたウヴァーロフのHPに出てくる、ザハロワ、ウヴァーロフの「カルメン」稽古写真に一緒に出てくる女性、「アロンソ?」って書いてしまいましたが、「アロンソのスタッフの女性?」(振り移しする人?)の間違いです。セメニャーカなどももありえるのですが、最近の彼女にしては目が鋭かったので、セメニャーカとは思わなかったのです。



ちなみにセメニャカは昔の細いプリマ姿からすると正視に堪えない程,このごろはふっくらしていて、(プリマは皆そうなるけど)最近の写真をあまりちゃんと見る気がしないので、間違えてたら2重にごめんなさいです。そんなわけで私には誰かわかりませんでした。



スルーしてくださってれば問題ないのですが、なかなかなエラーなので補記させていただきました。すみませんっ。



上記ザハロワ主演ドンキのテレビ放映

(金曜深夜から土曜早朝の衛星第二と教育テレビの日曜夜、芸術劇場)

再放送が少し前にあったようなんですね。帰省されたならここにかいておけばよかったかとちょっぴり後悔。カメラワークが最悪で、人物が小さく入っていて実際の舞台より悪くみえるのに、再放送が多いシロモノです。

ほか、8月初旬に衛星第二でボリショイ「スペードの女王」などもやっておりました。



ザハロワ「白鳥」DVDは、ぶっつけ本番だった(でも画像キレイ)という話なので、それに比べれば「ドンキ」はましなのかもです。



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そうでしたか (管理人)
2006-09-07 13:10:59
Nanaさん

そうでしたか。是非見たかったところでした。

見落としちゃいました。
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