ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

ボリショイ ロンドン公演 バヤデール 8月3日

2007年08月08日 | Weblog

特派員Mさんからの8月3日の分の寄稿です。写真はルンキナとのTWO SHOT.尚Mさんから

After Bayadere, I spoke to Lunkina about you! She of course remembers you and sends you best wishes!

とのことでルンキナは当方のことを覚えてくれているようです。うーむ。忘れられないうちに又逢いたいものです。

 ボリショイ ロンドン公演(at London Coliseum

La Bayadere」グリゴローヴィッチ版

ニキヤ:スヴェトラーナ・ルンキナ

ソロル:デニス・マトヴィエンコ

ガムザッティ: ナタリア・オシポワ

ゴールデン・アイドル(金の仏像): イワン・ワシリーエフ

マグダヴェーヤ(苦行僧): ヤン・ゴドフスキー

ボリショイ劇場一押しのワシリーエフとオシポワが活躍する舞台とあって、また、個人的にはマトヴィエンコとルンキナのそれぞれの役も初めて観る日なので楽しみにしていた。

ルンキナは心優しくかつ、芯の強いニキヤを演じる。彼女の素性に合っている役かもしれない。例によって派手な踊りではないが、無駄のないクラシックな踊りを見せてくれた。

マトヴィエンコは安心して見ていられる。身の軽さとスピード、どのムーヴメントも美しい。解毒剤を飲むのを拒んで死んでゆくニキヤを、先日のソロル役ティスカリーゼは見下ろして触れずに走り去って行く演出だったが、マトヴィエンコはしっかりと抱きしめて泣き崩れ、そこで幕が降りるという演出をした。23幕での衣装はお腹を出さないタイプのもので、首が大きく丸く開いた部分に、カラフルな大きな石のトリミング飾りがされていた。

この日何と言っても大活躍したのがガムザッティ役のオシポワ。まだ20代前半の彼女に、これほどの演技力と様々に変わる顔の表情が作れるのは素晴らしいし、もちろん踊りは完璧である。見せ場のグラン・フェッテでもダブルを交えながら、音楽に遅れることなく踊った。彼女は存在感、間合い、音楽性、どれをとってもずば抜けている。表現力が非常に深い。

最初はソロルを奪う事をためらっていたが、一度決心すると徹底してニキヤを封じるという演出。そして、毒蛇に噛まれてたニキヤをまた少し哀れみながら見て、自分のせいではないと否定し走り去る。この時の少し怒ったような悲しそうな表情に演技以上のものを感じた。

ワシリーエフの仏像は、期待していたほど特徴は無かったが、音から外れることもなく、きっちりとポジションもずれずに踊っていた。ジャンプは高いが、着地がもう少し静かなら・・・と思った。

普段大きな笑顔の印象の彼が、カーテンコールでも仏像になりきって真剣顔で一点を見据えていたのが微笑ましかった。ジャンプをしながらカーテンコールに出てきて、大きな拍手をもらっていた。

この日の苦行僧は、日本でも毎回踊ったゴドフスキー。個人的には彼の苦行僧は演技に深みと訴える目力があり非常に良く似合っていると思う。1幕目でニキヤを大僧侶から隠す場面ではその必死な姿が印象に残った。

太鼓の舞では、先日のダンサーに比べてかなりアドリブを入れた踊りを見せたメドヴェージェフが、持ち前の明るさで弾け、観客を楽しませた。

32人のコールドはこの日も美しく揃っており、幻想的な世界を描き出した。

 



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2 コメント

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Unknown (Svitanna)
2007-08-08 17:45:02
I like her smile.
She is a very beautiful dancer.

Thanks for you photos !
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Tks (Writer)
2007-08-09 02:46:13
Svianna
Thanks yours.
Uploaded picture of Sveta on Aug2
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