ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

トゥーランドット-オペラ-

2006年01月16日 | Weblog

1月13日にプッチーニの遺作のトゥーランドットを見ました。カルロ・ゴッツイの戯曲で、彼はペルシャの物語や「千一夜物語」などを参考にして書いたとされています。 ボリショイでは1931年の初演より65回目 (ミラノスカラ座の初演が1926年)、今回も自ら指揮しボリショイの現在の主任指揮者であり音楽DirectorであるAlexander Vedernikovの2002年版で26回目の上演と最近上演回数が増えている演目。プッチーニは第三幕の途中までで最後は弟子のアルファーノが加筆し完成させたもの。10時5分まで休憩含め3幕 約3時間でイタリア語で上演(ロシア語字幕)。

写真はカーテンコールのものですが写真右からカラフの父親で元ダッタンの王で放浪している盲目のティムール役(Bs):Vadim Lyunkovsky,女奴隷リュウ(S):Lolitta Semenina カラフ役(T):Oleg Kulko,指揮者Alexander Vedernikov,子供達を挟んでトゥーランドット役(S):Tatiana Anisimova, , ピン(Bs):Nikolay Kazansky, パン(T):Vadim Tikhonov, パン(T):Marat Galiakhmetov (この前の舞台でモーツァルト役をやっていた役者)

このカーテンコールでお判りかと思いますがこの舞台では巨大なガラス製と見まがう像や半透明の壁が多用された大掛かりな舞台でした。実際はガラスではなくプラスチックでしょう。美しい第一幕は幕が開くと住民が座るなか背中に龍の刺青をした死刑執行人(Eugeniy Kulesh)が客席に背中を見せ仁王立ちとなり役人がトゥーランドット姫は自分と結婚する男の条件を王子であること、3つの謎を解くこととし、謎を解けぬ場合は首切りの刑に処すると布告する。これは祖先の皇女ローリンが異邦人の男に辱めを受け殺された復讐の念。群集のユニゾンの大合唱が響きます。そして今日もペルシャの王子が処刑されるという。処刑を見に行こうとする人々のひしめきの中で、若い娘に手を引かれた盲目の老人が倒れる。老人は放浪の身のダッタン王ティムール、若い娘は彼と王子のカラフ付きの女奴隷リュー。三人はここで偶然再会。やがて処刑の時が近づき、処刑されるペルシャの王子が頭に檻をつけられ刑場に引き立てられる。トゥーランドット姫の美しさに心奪われ、ティムールやリューの止めるのも聞かず、求婚の合図のドラー舞台の中央に巨大なドラがありーを叩こうとする。そこにピン、パン、ポンの役人が現れ、カラフに止めるように薦めるが、首切り役人が切り落とされたばかりのペルシャ王子の首を持って現れても、カラフの決心は強まるばかりである。老いた王ティムールは悲嘆に暮れ、密かに王子カラフを愛するリューも悲しい胸のうちをアリア<お聞き下さい、王子様>を歌って訴える。カラフはアリア<泣くな、リュー>を歌って優しくリューを慰めると、人々の制止を振り切って合図のドラを叩く。

第2幕
この写真のような振袖のような着物を着たピン、パン、ポンの三人の大臣が巨大な鳥や羊などの半透明の像の中に入って登場。この像の中に入ったり出たりしながらトゥーランドット姫の為に死刑になった男は今年はもう十三人だと嘆き、三人は故郷を懐かしがる。

 広場に集まった群集は正面の玉座に座っている皇帝アルトゥムを讃える。皇帝はカラフの姫に対する求婚を止めさせようとするが、王子の決心が固いので、掟が厳正である事を宣言する。役人が登場して掟を読み上げるとトゥーランドット姫が現れ、アリア<この宮殿では>を歌い昔ダッタン軍の侵攻に依り非業の死を遂げたローリン姫の恨みを晴らす為にこの残酷な方法を考え出したと言う。三つの謎をかけるが、カラフは"希望"、"血潮"、"トゥーランドット"と、姫の出す謎を次々と解いてしまう。しかしトゥーランドットは<決してこの身はゆだねません>を歌う。そこでカラフは今度は自分からトゥーランドット姫に謎を出して、明朝までに自分の名前を言い当てたら喜んで死のうと言う。

第3幕

王子の名前が分かるまで誰も寝てはならないと言う姫の命令が下る。カラフは自分の勝利とトゥーランドット姫への愛を確信して、役人の布告の言葉を繰り返すこのオペラの中でもっとも有名なアリア<誰も寝てはならぬ>を歌う。黒い服に替えた三人の大臣が現れ8人の美女や財宝で王子のご機嫌を取っては王子の名前を聞き出そうとしたり、北京の町から出て行くように懇願したり脅かしたりするがカラフは全く受け付けず、100人ほどの群集の大合唱。死刑執行人の指示でティムールとリューを引き立てられリューを拷問にかける。リューは現れた姫に向かって、自分だけが彼の名前を知っているが其れを明かすよりも胸に秘めている方が喜びだと言い、冷たい姫の心も今に解けるだろうと告げると、姫の短剣を奪って自害してしまう。この様子に姫は心動かされ、カラフは情熱的に言い寄り姫を抱きしめて接吻する。王子は、"私はダッタンの王子カラフである"と名乗り、姫に命を預ける。トゥーランドットは若者の名前がわかったと叫び、人々の待つ広場に向かう。
トゥーランドット姫は、"名前が分かった。その名は愛!"と叫ぶ。ここで後ろの巨大な像が回転して姫の形をした裏が出てきて赤い羽根が広がる。2人は手を繋ぎ周りを鳥の飾りをつけた棒を持った子供達が駆け回り幕。

尚プッチーニ本人 家政婦ドーリアとの仲を妻が疑いドーリアが自殺するという事件がありこの話でもっとも涙を誘うリュ-はドーリアと相通じるとの説もあるようです。

カーテンコールの動画()です。

 

 



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3 コメント

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おちゃめですね (pekoe)
2006-01-20 14:57:12
カーテンコールの3人の役人が、足取りも身振りもお茶目ですね。ウケました。
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ですよね (筆者)
2006-01-20 15:05:17
ピン、パン、ポンの3名なんですが話の中でも一寸喜劇的演技で受けていました。それにしても如何してもあの日本のピンポンパンを思い出してしまいますがこの話の方がはるかに昔の作品なので名前だけぱくったんでしょうかね、偶然の一致?この話では飽くまでピン、パン、ポンの順番でピンポンパンではないですが。
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ピンポンパン (pekoe)
2006-01-20 17:52:36
まさかピンポンパン体操はしなかった…ですよねo(^▽^)o

あのカーテンコールだけで楽しいキャラクターなんだなと思いました。でも、順番が日本とは違うのがヘンな気がしちゃいますね。
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