ボリショイで最近上演されている主な演目の中で多分現在までに唯一見ていないバレエの演目の「愛の伝説」をドイツから戻って駆け込みで3月25日に見ることが出来ました。
この演目は上演される機会が少ないこともあるのでしょうが25日は主役級が全て初演ということでダンサーの方も新鮮な気合の入った舞台を見せてくれました。
1965年のボリショイでの初演からは150回目、2002年版で20回目。初演は現マリインスキー劇場で1961年。
話そのものは古代東方の伝説を元にトルコの詩人ヒクメットが獄中で書いた戯曲にアゼルバイジャン出身の作曲家アリフ・メーリコフが曲をつけグレゴロービッチが振付したものです。
三幕で3時間15分
配役:
女王ケフメネ・バヌー:エカテリーナ・シプリナ (初演)
妹 シリン姫: ニーナ・カプソワ (初演とロシア語のチラシには書いてあるのですがパンフに彼女のシリン姫姿があり2006年11月15日に演じたとの記載もあるのでチラシの誤りでしょう)
画工フェルハード:イゴール・コロムシン(初演)
Vizier:Vigtaliy Biktimirov(初演)
放浪の回教托鉢僧 : グレゴリーゲラシニン
Jester: セルゲイ・ドレンスキー
等
初演の人が多かったこともあるのでしょうが前日の女王の役を務めたアラッシ初めアルチョムや数名のボリショイのダンサーを幕間や客席で見かけました。
みんなこの日の舞台の出来に注目していたのでしょう。
シプリナは未だブログに記事をUP出来ていないのですが3月11日の白鳥の湖の黒鳥の見せ場の32回転フェッテを何と15回ほどで止めて後をごまかしたという舞台があり後でボリショイ関係者から聞いたところではその前の新演目In The UPPER ROOMの踊りで足を痛めていて白鳥は痛みを押して出たが途中で痛みがひどくなってそのようなこととなったとのことでした。
その為 3月17日、18日のカードプレイの演目には両日とも参加していなかったので果たして今回この演目に出演するか心配していたのですが舞台を見る限り足の具合は良さそうでした。
何よりこれが彼女にとって女王バヌーの初演だったわけですから多分これに体調を合わせるため大事を取ってカードプレイは下りたのでしょう。
今回がこの演目を初めて見た訳ですから出来の良し悪しを他の日と比較できませんが少なくとも当方見る限り可也良い出来だったのではと思います。カテコも可也続きました。
シプリナの女王は妹の命を助ける為にその美貌を投げ出したが妹と取り合いになった画工に対して嫉妬して無理難題を与えるという一寸きつめの役柄にはぴったりだったと思います。
妹のシハン姫は美貌と引き換えにお姉さんに命を助けられていながら画工に惚れて姉に譲ることもせず天真爛漫にひたすら愛するという役柄がカプソワには似合っていたかも。
画工役のコロムシンに関しては今回の役以前に余り印象がないので出来云々は言えませんが主に妹とのデュエットが中心ですがサポート役はそこそこやっていたのでは。
只余り花のあるダンサーではないかなと。がっちり系。このような役なのに花束を貰えていなかったことからも未だ未だかと。
この日が初演の人が多かったこともあったのでしょうか各幕の終了後にカテコがありました。
1幕のバヌーは黄色の衣装に黒のベール、2幕は赤の衣装に黒のベール,3幕は黒の衣装、シリン姫も白が基調ですが違う衣装です。この違いもお楽しみの程。
写真は三幕後カテコ
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