2005年年末、香川県直島へ行きました。
この島を知ったのは五年前。
とある非鉄金属の会社に勤めている友人から、
大きな製錬所がある直島について聞いた。
まさかその島へ行くなんて思いもしなかったのに。
二年前の夏、友人Cさん、Yさんと三人で、
大学時代の恩師にお会いするために山口を訪ねた。
私は広島と今治へ行く予定をたてていたけど、
彼女らは予約がやっととれたホテルがある直島へ行くという。
それなりに旅行が好きだった私。
だけど瀬戸内海の島に人気があるホテルがあるとは知らなかった。
美術を専攻している彼女達は、
今をトキメク安藤忠雄が建てたホテルであることを、
あたかもそこに宝島があるかの如く語っていた。
恩師のご専門は美術史。
先生も「ベネッセハウスはいいわよ。静かで落ち着いてるし。
ミモザの咲く頃に行ったけど一面黄色で素敵だったわ。」とおっしゃっていた。
絶対にまた行きたいと思わせる常設展だけの美術館。
次はミモザの咲く頃に。
この島はどんどん芸術の島へと変化をしている。
直島の地図には、製錬所のことは書いていないものが多い。
忘れられない作品は、ヤニス・クネニスが
一九九六年に直島に来てインスピレーションをえて制作した作品。
直島で見つけた廃棄物や流木を一つ一つ鉛の板で包み、
ロール状にしたものを壁一面に積み上げてあった。
芸術という幕で覆っている、生活・工業というものを
しっかりと見つめて制作されている。
この作品は今での主張を続けて、
約十年で元の作品の三分の一、重さで鉛がへこんで縮んでいた。
まだ縮み続けているという。
次に訪れた時はますます強烈に心に響くはず。