家にいる時間が長くなり、ふと書棚へ。
中学の恩師である国語の先生より大学入学の記念にと頂いたゴールズワージー『林檎の樹』を再読。
40代になりこんなにもこの小説の読後が変わるなんて思いもしなかった。
いつもに増して涙こぼれた。
10代では、真面目な恩師だったので恋愛の話など聞かれたり話したこともなかったのでこっ恥ずかしさも感じながら、「何で先生は悲恋の話をくださったのか」という疑問を抱きながら何回も読見返していた記憶が。
20代、文学専攻だったのでゴールズワージーの情景描写の緻密さと広がりなどのテクニックに感動を覚えていた。
40代の今回は、イギリスに行ったから体験での肌に当たる空気感、陽射し、空や雲の距離感や自然の匂いが加わり、今まで2次元だった情景が3次元へ変化していた。
以前は少女よりへの感情移入だったのが若者の感情の動きがとても理解できるようになっていた。
若いからの喜怒哀楽、判断力の欠如など。
当日恩師も40代だったと思うが、授業を受けていてもロマンチストな方だった。恋の指南書を贈らずこの『林檎の樹』をプレゼントするセンスの良さ。改めて尊敬。
当時この悲恋をしっかり読み解けていたのなら違う人生だったのだろうか。
これからまだまだ引きこもり生活は長い。もう一冊恩師よりいただいた本も読もう。
林真理子『葡萄が目にしみる』。
またこれもある少女の高校ー社会人の恋の物語。