黒部峡谷鉄道も動き始めて、黒部峡谷はすっかり初夏の雰囲気になっています。奥深い場所や見上げる峰々には残雪が白く輝き、一方、新緑の萌黄色が鮮やかです。この季節の黒部峡谷の美しさは類を見ません。深い谷だからこその景観です。アルプスに囲まれたザルツブルクに似ているのは、こういうところにもあるんです。
今日も、たくさんの方が宇奈月温泉を訪ねておられました。いい風景に出会えましたか。
黒部峡谷鉄道宇奈月駅から見えた風景です。正面に斜めに流れ込んでいるのが支流の弥太蔵谷。右から左に流れるのが黒部川本流です。水の色が違うのがわかりますか。
源流部の山の高さの違いでこういうことが起きます。支流の山はすっかり雪解けが終わっていますが、高い山ではこれからゆっくり8月いっぱいかけて雪が溶けていきます。春先の雪解け水のことを「雪代(ゆきしろ)」と言いますが、これが入ると、川は緑色が入り、これを「笹濁り」と言います。かつて、柳田國男がこの地を訪ねて「緑白」と表現したのはこれですね。
季節が入り混じる宇奈月の風景をぜひご覧ください。