渡り鳥の休息地

社会人アマチュアギター弾きNa-Neの頭ん中。
滞る割に突如アップする不定期ぶり。
北極星を見失って漂流中。

2015年9月28日今宵の月

2015-09-28 | 



スーパームーンでございます。
我が家から辛うじて見えました。

でも、天気には恵まれましたね。
木漏れ月?も案外いい感じです。

皆さんの今いらっしゃる地域では
見えましたか?

思惑

2015-09-28 | 
通勤途中、某駅のエレベーターにて。

老若男女、沢山の人が乗り込み、
地下鉄のホームから改札階へと上がる。

扉の前の白髪の男性は結構な高齢に
感じた。スーツを召している。

扉に向って左隅一番奥に私はいた。
その前には不安げな表情を浮かべる
幼児を、おぶさった女性が1人。

その他大勢、サラリーマンと思しき
男性達。

しばらくしてB2FからB1Fに到着。
改札のある階なのだが、この
エレベーターの最高階でもある。

当然ながら乗っている全員が
通常なら、扉が開くと同時に、
そして扉に近い人から順に降りて
ゆく。
平日の朝ならことさら9割方が
急ぎ足で。

しかし今日は予想外のことが起きた。

扉の前に乗っていた男性が、
開いたにもかかわらず、
センターポジションをキープしたまま
立ち尽くしたのだ。

乗っていた人は皆瞬時に困惑し、
どうも動かなそうな彼の脇を
避けながら無言で慌てながら
降りていった。
眉間に皺を寄せながら。

私も察して後に続いた。

通り過ぎざまに見ると、どうやら
彼は開くボタンを押したまま
ど真ん中に立っているようだった。

初め、失礼かもしれないが、
口を半開きにした表情で扉の外の
一点を見つめる様子から、
もしかしたら認知症の方で、
まだ更に上の階があると思い込んで
いたのか?などと思ってしまった。

しかし振り返ると、私より前にいた
親子がまだいて、迷っていたのか
ようやく私の後に降りてきた。

私は本当はこの親子が私より先に
行くと思っていたのだが、驚いて
呆気に取られてしまったようで、
なかなか前に進まなかったのだ。

そこでお先に失礼したのだが、
また別の考えが過ぎった。

…もしかしたら単に親切心で、
奥側にいる親子に優先したつもり
だったのではないか?

しかし誰も気付けなかった。
優先されたはずの人にも
全く伝わっていなかった。

子供をおぶさって大変そうだから、
という気持ちは分かる。
でも、譲るために道を空けるとか、
譲りたい相手に声をかけるとか、
せめてアイコンタクトやジェスチャー
で分かりやすく伝える必要があった
と思う。

せっかくの温かい気持ちは、
自分の中に押し込めてばかりで
必要なサインを出さずにいると、
ただ虚しいものになり、そして
誤解の元にさえなってしまう、と
人の振りを見て改めて気づかされる。

最悪、自分はおろか、一番気持ちを
伝えたかった相手や、周囲の人を巻き
込んで悪者にしてしまうことにも
なりかねない。
この私も現に、その場ではこちらから
彼の気持ちを察することはできな
かった1人だった。

気付けなかった私の方が悪かった
のだろうか?…と悩んだ。

ほんの数十秒の出来事、
私が感じた日常のお話。