渡り鳥の休息地

社会人アマチュアギター弾きNa-Neの頭ん中。
滞る割に突如アップする不定期ぶり。
北極星を見失って漂流中。

2016年12月24日 - 京都さすらい旅・中編

2016-12-24 | 
※→前回記事からの続きです。

このシーズンといえば一括りにクリスマス。
何もカップル、ファミリーだけが独占する
為の期間ではありません。

時は等しく流れていたはずなのに、何故
でしょう、周囲の一方的に抱く勝手な期待
に応えられないというだけで、日々その
もどかしさに身をえぐられる思いをして
いる人、訳あって孤独感や疎外感を
味わっている人、そもそも一人が好きな人、
一人が好きな訳じゃないけどじっとして
いられない人、せっかく友達(or家族or恋人)
がいてもライフスタイルや趣味が違うから
一緒に行動できる人に限定するとなかなか
…な人。

いろんなおひとり様がいると思います。

そんなおひとり様にも社会は優しくして
くれるだろうか。

私は時に強い衝動に駆られてさすらいたく
なることがあります。
(あ、遊園地系以外です
だから超行きたくてもなかなかUSJ行けない)

国内限定ですが、行きたい場所には同行
希望者の出現を待たずに、行けると思った
タイミングでドンドン行く。

どこか一緒に行こう、と事前に主張して
互いの時間を比較的合わせられる仲間が
いると分かっている時に限り、予定に
ゆとりを持たせて連絡を待ちます。

基本的には話せる仲間からの誘いは大歓迎
なのですが、最近みんななかなか都合が
合わないから、結果一人でも行っちゃう。

そんなノリで久し振りに関西へ飛び出し
ちゃいました。

関西にも知り合いはボチボチいますが、
これは地元民と変わらず。
タイミング良く会える方はそうそういない
でしょう。

現在市内に住んでいらっしゃる、中学時代
の美術の恩師に連絡を取ってみたものの、
今回は都合が合わずお会いすることが
できませんでした。残念。

さて、前置きが長くなりました。
さすらい旅二日目の朝。

朝食付プランの宿泊だったので、食べ
ながらガイドブック片手に当日の目的地を
選定。

とりあえずまだ行ったことがなかった
嵐山辺りに絞ってみることにしました。

そうそう、カウンターの前の壁を見たら、
こんな珍しいものが飾ってありまして。
何だか分かります?


レトロで重厚なパネル。
私はマニアでは全然ないんですが、一部
のナンバーにD51とあったのでピンと
来ました。

カウンターのスタッフに、「これって
もしかしてデゴイチとかの奴ですか?」と
話しかけてみたら正解。
他にも三菱重工のロゴマークなど…。

ホテルのオーナーさんのコレクション
なのだそうで、鉄道ファンにも知られた
ホテルとのことでした。へぇ〜

たまたまですが、思いがけず珍しい
ホテルに泊まれて、テンションが上がり
ました。

早起きする気力はなかったので、普段の
自分通り、だらだらぶらぶら10時頃出発
することにしました。

出発直前、施設内の壁に分かりやすい
地図があったので、パチリ。


こういう手書きの地図って、昔のガイド
ブックには普通によく載っていたのを、
昭和なそこのあなたは覚えているんじゃ
ないでしょうか?(笑)
温かみがあって、見ると楽しくて、一層
旅情を掻き立てられるというか。
しかも案外分かりやすくポイントが
まとめられていたりして目から鱗。

こういうのをスマホで撮っておくと、
道に迷った時やプランを練り直す時に
大変便利ということがよく分かりました。
一部情報が古かったけど、無問題。

私が行きたい寺社や史跡は歴史が古く、
割と取材の対象になるような場所ばかり
なので、地図からなくなることはまず
ないでしょうから。
現代的な飲食店や建造物は二の次です。
お陰でこの日に向かうエリアが定まり
ました。

京都駅に向かう前にあれこれ調べて
いたら、拠点の近くにある史跡に
気付いたので、ちょいと寄り道。





新撰組の最後の屯所があった場所に
作られた石碑。
リーガロイヤルホテル京都の敷地内に
ありました。
なかなか遠出できない新撰組好きの
知人に見せたくて寄ってみたの。
喜んでくれたかな?

撮影後、京都駅前からとりあえずバスに
乗り、阪急嵐山駅へ移動。

これは車内にあった路線図。
めっちゃ便利。
京都はバスのワンデーパスが安くて便利
だけど、路線がかなり多くて複雑なので、
こういうのを見ないと不安なのです。


到着。天気も良い。


この辺りでランチを食べてから移動
しようかと思ってうろうろしてみた
んですが、良さげなとこがなくて
いきなりピンチに…。

でも実は飲食店をリサーチせずに行く旅
だとこういうことはしょっちゅうで、
ランチをメインにゆっくり楽しみたい人
と同行した場合は絶対がっかりされる
パターンですね(笑)。

だから誰かとご一緒する時は、相手の
気質によっては、できるだけ飲食店の
候補を自分の中で挙げてから行くように
してます。
今回は割と行き当たりばったりな感じ。

それで、こんなこともあろうかと用意
していた非常食が役に立ちました。
数年前に京都を訪れた時も同じことを
してましたが、自分の中の定番になりつつ
あります。

いざという時の生八ツ橋。
賞味期限は買うと大体、旅行期間中〜
帰ってきて数日ってことなので、その
食べ切り感もちょうど良くて。


そこそこ腹持ちいいので空腹を凌げます。

そうそう、嵐山はレンタルサイクルが
便利という記事をいくつか見かけたので
お店の人に目的地と借りたい旨を話したら
何故か笑顔が消え、あれ?と思ったら、
「バスで行った方がいい」と(笑)。

電動アシスト付いてないし、きつい坂で
無謀だからチャリはやめた方がいい、
という親切心からだったんですね。

阪急嵐山に来たのは自転車を借りるのが
目的だったので、自分に拍子抜け。
最初から目的地までのバスで行けば
良かったのかと。

でもね、お陰で周りの景色というか状況
を一層確認しながらバスに乗れたので、
結果オーライ。

もし京都駅周辺からそういう路線に乗って
いたら、寺社に行けてもそのあとどこへ
行けば良いかアイデアが浮かばなかった
と思うし。
移動距離が長いといつもなら到着まで
ボーッとしちゃってるので。

乗ってみて改めて思った。
うん、確かにずっと上り坂だ
嵐山って、まんま山ですもんね…。

レンタサイクル屋さんのアドバイス通り、
奥の方から行って、坂を下りてくる
イメージのコースを取りました。

まず向かったのは大覚寺。







立派な鬼瓦!








撮影は仏像以外はOKでした。

こんなものも。時季外れでクローズしてて
残念。








暖房が効いていて暖かい部屋でした。
寒かったので、ここで少し温まってから
移動しました。





建築を楽しむのも寺社巡りの楽しみの一つ
です。









広大な石庭。


時々見るカラフルな布。仏旗といって、
それぞれの色は仏陀の体の一部を表す
らしい。
例えば赤は仏陀の血液を表し、「精進」
という意味があるんですって。



外回廊。直角に折れ曲がっているのが
稲妻をイメージさせることから、
「村雨の廊下」と呼ばれているそうです。
よく花札の柳のカス札なんかでカクカク
描かれてるあの感じですね。
公式サイトに鶯張りであることが載って
ました。
歩くとキュッキュッと音がします。


襖絵。美しかった…。





大沢池。天気が良かったので、水面に
青空が映って気持ち良かったです。


御朱印を頂く前に、折角なので写経も
納めてきました。


時間が足りない為、「掲諦写経」という
文字数が少ないタイプでしたが、筆を
持ち慣れておらず、人間として未熟な
私にとっては修行のように感じ、ほんの
一瞬でも身の程を思い知らされるので、
大変良い機会だと思いました。
反省する貴重な時間といいましょうか。

私が時々寺社に行きたくなるのは、信心
というより、半強制的に背筋を正しに
行くという感じです。
自然や歴史あるもの、長年人の念が
こめられてきたものに対して畏怖を感じ
たいというか、敬意を払いたいというか。
言葉にするのは難しいですね。

ここは敷地が広いので、想定以上に
長居してしまいました
雰囲気に飲まれてボーッとしちゃって。


写経を終えた後は少し急ぎ足でここを
後にしました。


次の目的地が控えています。
でも気付いたらだいぶお昼時を過ぎ、
やはりお腹がすいてきた…。

そんな訳で、

ジャジャーン!(またかよ。)


これ、数年前に金閣寺行った時と同じ
パターンだな(笑)。
八つ橋1切れじゃ流石に保たんから
結局全部食べる。

行きたいところを回っていると、時に
腰を据えてのランチにありつけない
事態が度々発生してしまうのです。
自分だけのペースだと日常的なサイクル
よりつい好奇心を優先してしまうことが
あるのでこうなる。

だから万が一のことを考えて、京都に
着いたらまず生八つ橋を調達してから
出かける癖がついてまして。
今回もやはりそうなったか…。

とりあえず駐車場でパクついて空腹感を
紛らわしてからバス停に並びました。

バス通りを少し戻ると、様々なお店が
立ち並んでいるエリアがあり、その
近くにある天龍寺が次の目的地です。

最寄りのバス停付近で気になった光景
がありました。


あそこのカワウ、なんであんなに密集
してんの?

ズームアウトして謎が解けました。


川をせき止めて工事してたから、隅に
追いやられてたみたいです。
水位が場所によってかなり違ってたので
驚きました。
なかなか貴重な光景ではないでしょうか。

さて、もう少し胃に入れておこう。


美味しいコロッケにありつけました♪
この通りはなかなか楽しいです。
またいつか寄ってみたいな。

食べ終わったら即移動。






立派な鬼瓦がありました。
こんなに大きいとファミコンソフトの
『火の鳥』を思い出してしまう…。
ああっあのBGMが脳内ループ(笑)。


大きな方丈(住職さんが過ごすところ)
がありました。


こちらも石庭で有名ですね。


夢窓国師の作った庭。
我が国最初の史跡・特別名勝に指定
されています。
秋だったら紅葉が綺麗だったでしょう。
この山丘みたいなところは階段で上れて、
展望できます。


山々も街並みも臨めます。


こういう屋根を見下ろす構図の絵って
よくありますよね。
遠くに霞んだ山々も味わい深いです。


丘の側面。
覆い尽くす苔に悠久の時を感じます。


雲龍図も拝めました。


立派な御朱印も頂けました☆


天龍寺といえば裏の竹林も有名ですね。
夜は怖そう…。


昼間でも十分暗いです。
やはり人気で、たくさんの人が通行
してました。


1人で日本に来たらしきアジア人観光客
に撮影を頼まれ、写真を撮ってあげた。
今どき自撮りじゃないのが珍しい

竹林の小径を歩いている途中、近くに
神社があることに気づき、ついでに
参拝してみました。(ノリがカジュアル
ですみません…)

野宮神社。
源氏物語にも登場するそうです。


御朱印とパンフレットを頂く。


通りに戻ったところで雨が降ってきて
しまい、しばし雨宿りをすることに。
味噌田楽と柚子茶でホッとひと息。


暗くなってきたので、ここらで少し
早めの夕飯に。
嵯峨とうふ 稲にて。


豆乳おばんざい鍋御膳。
冬用のメニューなんでしょうね。


デザートのわらび餅。
まいうー。ここはまた来たい。


ここまでは順調だった。

バスでホテルに戻ろうとしたら、
大覚寺や天龍寺に向かう時に使った
停留所に何やら張り紙がしてある。

そこから駅方向に向かうバスはない
だって?!
だから回り道して離れた停留所を
使わなければいけないらしい!

その停留所がどこにあるのかよく
分からない。
とりあえず来た道を辿る。

いくつか停留所を過ぎたが、暗闇の中、
案内文に気付かない外国人観光客が
長蛇の列をなしている。

“うわぁ…この人達、帰れるのか?”

そこで私は一芝居打つことにした。
サイレントムービーの如く、気分は
チャップリンだ。

少しアクションを分かりやすく。
案内文を指でなぞる。
驚いた顔をしてしかめる。
腕組みをしてしばし思考し、訝しげに
歩き出してみせた。

“…どうだ、気付いたか?”

思惑通り、次々と私と同じ方向に
歩き出した。

思った以上に離れた場所に、その
停留所はあった。
バス会社も、もっと分かりやすい
サインを出すべきだと思いました。
MORE OMOTENASHI!

あの人達、下手したら朝まで真冬の
嵐山で粘った可能性あったぞ…。

昔職場の先輩が言っていた。
冬の京都はかなり寒い…特に嵐山って。

なんとかホテルに戻ってこれましたが、
眠くなるまでの時間を満喫したくて、
お笑い番組を見ながらつまみで晩酌
しました。


夜中なのに有吉の番組で声出して爆笑
してしまった。
実家だと特に母親は笑いのツボが違い
過ぎるのか、ふざけた番組はあまり
共有できず、声を出して笑うと、バカ
みたいだと言われて怒られるんです

だからなんだか幸せだった。
大声を出して笑えるのが。
(隣のお客さんにはうるさいって思われ
てたかな…?)
お陰様でこの夜はまどろみながら、
とても楽しい気分のまま寝れました。


後編へ続く。