痕跡はとどこほり無く春日差

もう旅行パンフレットの細かい文字を見ることはない。
自作の入力マニュアルを使って日々入力作業することもない。

パンフと書類を捨て、私物を袋に詰め、備品を返す。
入社以来の勤務履歴台帳だけ1枚コピーして、
その後、パソコン内のデータは全部消去した。
デスクトップのアイコンも消して、ほぼ初期化した。

心ばかりのお菓子を全員に配って回った。
あまり親しくしていなかった人から「60才ですか」と聞かれて、
最後にちょっと嬉しかった。
同じチームの3人の女性には、少しだけ豪華なお菓子を手渡した。
挨拶もひと通り終わり、親しいメンバー数人に送られ、
最後の日は正味2時間で、あっけなく会社を後にした。

思ったより持ち帰る物が多かったので、
予定していたデパ地下弁当を買って帰るのはやめて、
そのまま地下鉄に乗り、
千種駅でマナカのポイントを付けてＪＲ快速に。
このルートで通勤することも、もう無い。

千種駅のスタバで朝の俳句作りをすることも、もう無い。
いい時間だったのに、本当はこれが無くなったのが一番残念かも。
さよなら、この十年。

さて次の十年は何が待っているだろうか・・・☆彡