塩野さんのローマ人の物語、久し振りに読む気になり、文庫本№29に挑戦した。
確か今年の初めに単行本では15巻が完結し、
塩野さんのインタビューやら記事が目立っていた。
今回の文庫本29巻目は単行本の第11巻の上巻なので、全体の3分の2を過ぎて、
残りの3分の1が始まるところだが、題名どおりローマ帝国衰退の始まりである。
皇帝は5賢帝最後のマルクス・アウレリウスという格調高い名前の人。
哲学の造詣が深く、哲人皇帝と呼称される。
敬称を含めたフルネームでいくと・・・
インペラトール・カエサル・マルクス・アウレリウス・アントニヌス・アウグストゥス という。
在位は紀元161年から180年の19年だが、将来の皇帝を約束されたのは
先先帝ハドリアヌスが先帝アントニヌス・ピウスを後継者に指名する際の条件。
ハドリアヌスは精力的に自身が動き回って帝国の防衛システムの再整備を行い、
法律体系の整備もやり終え、先の先への布石を打ったのち、5ヶ月後にこの世を去る。
賢帝の名に恥じない立派な功績を残した皇帝であったらしい。
先帝のアントニヌス・ピウスはハドリアヌスのように精力的活動家ではなく、
平和な時代であったこともあって、一度も属州=前線に遠征することなかったが、
皇帝在位期間23年という長期間善政を敷いて、ローマは平和な時代を謳歌する。
しかしマルクス・アウレリウスにバトンが渡される頃、種々の問題が勃発する。
最後の賢帝といわれるが、アウレリウスの在位期間は大変な苦労の連続であった。
まず西方の防衛線では、パルティアがローマとの緩衝国アルメニアに攻め入る。
一時は敗退し、ローマは久し振りの屈辱を味わうが、
ハドリアヌス時代の武将を中心に奮起し、何とか反撃に成功し勝利を収める。
次にペストの流行。歴史的には3回目の流行とのことで、多くの人が死ぬ。
また、パウロ以来のキリスト教布教活動が浸透し、信者が着実に増えた事は、
多神教を軸としたローマ人の文化的骨格に影響を与え始める。
さらに大きな問題は、力を付けたゲルマン人がドナウ防衛線を侵犯してくる。
リメス・ゲルマニクスはカエサルの時代からのローマ帝国の生命線だが、
ゲルマンの残忍な攻撃にさらされ、北イタリアのアクィレイアまで攻め込まれる。
アウレリウスはこれらの防備に真剣に立ち向かわざるを得ず、
ドナウ・ラインの防衛線の再整備に着手してゆく。(上巻終了)
なあんて、うまくまとめたかな? でも結構面白いぞ。
確か今年の初めに単行本では15巻が完結し、
塩野さんのインタビューやら記事が目立っていた。
今回の文庫本29巻目は単行本の第11巻の上巻なので、全体の3分の2を過ぎて、
残りの3分の1が始まるところだが、題名どおりローマ帝国衰退の始まりである。
皇帝は5賢帝最後のマルクス・アウレリウスという格調高い名前の人。
哲学の造詣が深く、哲人皇帝と呼称される。
敬称を含めたフルネームでいくと・・・
インペラトール・カエサル・マルクス・アウレリウス・アントニヌス・アウグストゥス という。
在位は紀元161年から180年の19年だが、将来の皇帝を約束されたのは
先先帝ハドリアヌスが先帝アントニヌス・ピウスを後継者に指名する際の条件。
ハドリアヌスは精力的に自身が動き回って帝国の防衛システムの再整備を行い、
法律体系の整備もやり終え、先の先への布石を打ったのち、5ヶ月後にこの世を去る。
賢帝の名に恥じない立派な功績を残した皇帝であったらしい。
先帝のアントニヌス・ピウスはハドリアヌスのように精力的活動家ではなく、
平和な時代であったこともあって、一度も属州=前線に遠征することなかったが、
皇帝在位期間23年という長期間善政を敷いて、ローマは平和な時代を謳歌する。
しかしマルクス・アウレリウスにバトンが渡される頃、種々の問題が勃発する。
最後の賢帝といわれるが、アウレリウスの在位期間は大変な苦労の連続であった。
まず西方の防衛線では、パルティアがローマとの緩衝国アルメニアに攻め入る。
一時は敗退し、ローマは久し振りの屈辱を味わうが、
ハドリアヌス時代の武将を中心に奮起し、何とか反撃に成功し勝利を収める。
次にペストの流行。歴史的には3回目の流行とのことで、多くの人が死ぬ。
また、パウロ以来のキリスト教布教活動が浸透し、信者が着実に増えた事は、
多神教を軸としたローマ人の文化的骨格に影響を与え始める。
さらに大きな問題は、力を付けたゲルマン人がドナウ防衛線を侵犯してくる。
リメス・ゲルマニクスはカエサルの時代からのローマ帝国の生命線だが、
ゲルマンの残忍な攻撃にさらされ、北イタリアのアクィレイアまで攻め込まれる。
アウレリウスはこれらの防備に真剣に立ち向かわざるを得ず、
ドナウ・ラインの防衛線の再整備に着手してゆく。(上巻終了)
なあんて、うまくまとめたかな? でも結構面白いぞ。
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