最近読んでいる”どこか崩れた”お話ではなく、
折り目正しい小説を味わった感じがする。
若い頃にバイオリニストを志した妻を突然亡くす。
主人公は50代半ばの大手証券会社営業管理室次長の仁科透。
妻は脳内動脈瘤が破裂し、クモ膜下出血で突然死する。
若き日に音楽留学したオランダへのセンチメンタルジャーニーの最中、
場所がホテルの部屋。
その時妻は昔なじみの音楽家、独身男性と一緒であった事から、仁科は苦しむ。
やがて、妻の親友から留学時代に遡る話を聞くに及んで誤解は解ける。
そして退職後に二人で目指そうと語り合った、ピアノとバイオリンの二重奏を、
妻の残したテープ演奏をパートナーとして実現し、感動の結末となるのだが、
眠れない深夜の読書で、涙がこみあげてくる一作だった。
「愛の挨拶」とは甘ったるい題名にも思えるが、クラシックの名曲のタイトル。
主人公は50の手習いのピアノ教室に通い始めて1年余り。
誤解が解けて以後は、9月18日の偶然にも二人の結婚記念日の発表会に向けて、
青柳美佐先生の特訓を受け、指導に従って猛練習を行う。
そしてセミプロである妻との「愛の挨拶」の演奏を完遂する。
その演奏過程は詳細に描かれている。緊張のあまり一時はタッチが滞るのだが、
テープに吹き込まれた妻のアドバイスを思い出しながら、
後半は別人のような演奏となって、音楽仲間や知人の喝采を浴びる。
お話はこれだけではない。
音楽教室の3人の仲間と美佐先生の生きざま、不法在留のビルマ人親子の話、
さらにその裁判に絡んでの支援者達の活動。
それまではその問題には無知であった5人が、
ビルマ人の子供への同情から積極的な支援者となり、
今の日本に生きていることがどれほどの幸福かを知ってゆく過程。
作者のこの問題への深い関心が物語の根底にあって、
楽しみながら、現代社会の一断面を勉強させられる一冊だった。
折り目正しい小説を味わった感じがする。
若い頃にバイオリニストを志した妻を突然亡くす。
主人公は50代半ばの大手証券会社営業管理室次長の仁科透。
妻は脳内動脈瘤が破裂し、クモ膜下出血で突然死する。
若き日に音楽留学したオランダへのセンチメンタルジャーニーの最中、
場所がホテルの部屋。
その時妻は昔なじみの音楽家、独身男性と一緒であった事から、仁科は苦しむ。
やがて、妻の親友から留学時代に遡る話を聞くに及んで誤解は解ける。
そして退職後に二人で目指そうと語り合った、ピアノとバイオリンの二重奏を、
妻の残したテープ演奏をパートナーとして実現し、感動の結末となるのだが、
眠れない深夜の読書で、涙がこみあげてくる一作だった。
「愛の挨拶」とは甘ったるい題名にも思えるが、クラシックの名曲のタイトル。
主人公は50の手習いのピアノ教室に通い始めて1年余り。
誤解が解けて以後は、9月18日の偶然にも二人の結婚記念日の発表会に向けて、
青柳美佐先生の特訓を受け、指導に従って猛練習を行う。
そしてセミプロである妻との「愛の挨拶」の演奏を完遂する。
その演奏過程は詳細に描かれている。緊張のあまり一時はタッチが滞るのだが、
テープに吹き込まれた妻のアドバイスを思い出しながら、
後半は別人のような演奏となって、音楽仲間や知人の喝采を浴びる。
お話はこれだけではない。
音楽教室の3人の仲間と美佐先生の生きざま、不法在留のビルマ人親子の話、
さらにその裁判に絡んでの支援者達の活動。
それまではその問題には無知であった5人が、
ビルマ人の子供への同情から積極的な支援者となり、
今の日本に生きていることがどれほどの幸福かを知ってゆく過程。
作者のこの問題への深い関心が物語の根底にあって、
楽しみながら、現代社会の一断面を勉強させられる一冊だった。
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