YOSHIの果てしない旅(人々との出会い、そして別れ)

ソ連、西欧列車の旅、英国滞在、欧州横断ヒッチ、イスラエルのキブツ生活、シルクロード、インド、豪州大陸横断ヒッチの旅の話。

ストリートボーイとブラックマーケットの話~ニューデリーの旅

2022-02-08 13:47:07 | 「YOSHIの果てしない旅」  第10章 インドの旅
・ストリートボーイとブラックマーケットの話
 「ストリートボーイ」とは、我々旅行者がインドの都市の何処でも街を歩いていると呼び掛け、主に闇両替、或は時計、カメラ、万年筆等の高級品からシャツやジーパンまでの売り買いを元締めに斡旋してくれる「両替・売買仲介人」の事である。彼等は、仲介料を元締めから貰って生活しているのだ。したがってストリートボーイを通さないで、元締めと直接交渉した方が高く買い取ってくれる場合があった。一方列車やその他の所で知り合ったインド人と直接に取引した方が有利であった。
 2月4日の夜、関が「時計を売りに行きたい」と言うので、彼に付き合った。彼は国境で時計6個を没収されたはずなのに、まだ4個位持っていたのだ。彼も中々の食わせ者(?)であった。
 我々はそのストリートボーイを介して交渉したが、交渉は成立せず結局良い値で売れなかった。こちらから売りたい場合は足元を見られ、買い叩かれる場合があるので、ジックリ攻める(時間をかけて交渉する、交渉相手を変える等)事がインドでは大切、攻め急ぎは禁物であった。
 「ブラックマーケット」とは、「闇両替商」の事であり、我々旅行者の持っている米ドルをインドのお金と非合法で交換する「連中」の事である。
ルピーは海外からの持ち込み、或は海外への持ち出しが禁止になっていた。銀行で両替しないで非合法で両替した方が交換レートは高かった。しかしブラックマーケットで両替した時は、両替証明書を発行してくれないので、インドを出国する際、公式な場所で他の国のお金と両替する事が出来ない。例えインド・ルピーを持ち出しても、国際的に価値が低く信用度も無いので、果たして交換してくれるか疑問であった。従って余ったルピーは、無駄になる前に全部使ってしまう事が大事なのであった。
 2月4日の昼間、こんな事があった。私のルピーが終りそうになって来たので、関を連れてルピーを闇で買おうといつもの闇両替屋の所へ行った。その闇商人とは顔見知りになったので信用して、先に10ドルを渡したら90ルピーしか渡してくれなかった。いつも1ドル9.25ルピーの率で交換してくれるので、10ドルだから92.50ルピーが正当なのだ。我々は猛然と抗議して2ルピー取り返したが、向こうはさすが強(したたか)な両替屋、どうしても50パイサを取り戻す事が出来なかった。
 この様に何回か会ったからと言って信用しても、取引は先に品物(ドル)を渡しては駄目だ。必ず相手の品物(ルピー)を貰ってからお金(ドル)を渡す。この順序を間違えると向こうの思う壺になった。ニューデリーへ到着した日、ストリートボーイが1ドル12ルピーで交換してくれる、と言う話があった。余りレートが高すぎる話は眉唾物で信用しなかった。
  そして今日の教訓は、何度か会って、信用出来ると思っても、先にドルを渡しては駄目と知るべし。順序を間違えると損をする。騙されても警察には訴えられない。闇両替・闇取引は慎重さが要求された。                          


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