9月19日の投稿記事「政治と宗教の距離」にも書きましたが、グロドノの正教女子修道院長ガブリラが、17日の女性フォーラムの席上での自分の発言を謝罪しました。
だったらあの発言は何だったのでしょう?
謝罪したら、自分の発言が全て帳消し、そして全くなかったことになるわけじゃないんですよ。
会場で大統領もあなたの発言を聞いてたんですよ。
私自身は正教徒です。だから前回の記事で、聖職者は、自分の言動に気をつけていただきたいですねと書いたのです。
9月19日の投稿記事「政治と宗教の距離」にも書きましたが、グロドノの正教女子修道院長ガブリラが、17日の女性フォーラムの席上での自分の発言を謝罪しました。
だったらあの発言は何だったのでしょう?
謝罪したら、自分の発言が全て帳消し、そして全くなかったことになるわけじゃないんですよ。
会場で大統領もあなたの発言を聞いてたんですよ。
私自身は正教徒です。だから前回の記事で、聖職者は、自分の言動に気をつけていただきたいですねと書いたのです。
9月22日の書き込みです。
ベラルーシのコロナウイルス感染者数は76104人になりました。1日の新規感染者数は206人です。
死者数は791人になりました。
73386人が回復しました。
174万件を超える検査数となりました。
ベラルーシではすでに無料のインフルエンザの予防接種が始まっています。
チハノフスカヤ元大統領選候補はブリュッセルでEUからの支援について合意しました。
政権によって抑圧された人々、学生、ジャーナリスト、医療従事者、人権活動家はヨーロッパ諸国の助けを頼りにすることができる。
また民主的な変革後のベラルーシに対してEUから支援が受けられることに同意しました。
彼女はEUに対し、ベラルーシの現大統領を合法的な大統領として認めないこと、憲法裁判所を交渉の法定代理人として認めること、そしてベラルーシ政府による弾圧や暴力行為に関して国際的な訴追を始めることを求めました。
現大統領がロシアからの支援を取り付けたように、反政府側はEUの支援を取り付けました。
ベラルーシのスポーツ選手は、ベラルーシの国旗以外の旗を手にすることは禁止。
マスコミからのインタビューやコメントも許可がないとできなくなりました。
ミンスク市内の住宅で、3階のベランダで白い布に「これは旗じゃありません」と書いて干してあったのが、やっぱりはしご車により撤去されました。
その家の住人は仕事で留守。
はしご車の消防員(と思われる人物)はタバコを吸いながら布を取って、まるめてどこかへ(たぶん警察)持って行ってしまいました。
9月21日、チハノフスカヤ氏が、EUに招かれ、ルカシェンコ政権への制裁実施とベラルーシ国民への自演を英語で呼びかけました。
ベラルーシで現在続いているのは、反ロシアでも反ヨーロッパでもなく、ベラルーシ国内での民主主義革命であると主張し、現大統領が野党や国民と全く対話しようとしていないことを訴えました。
多くの無実の人々が獄中におり、不当な身柄拘束が連日続いているため、EUからの制裁を訴えました。
ベラルーシへのEUの制裁は加盟国のうちキプロスが条件を出していて、足並みが揃っていなかったのです。
東地中海での天然ガス開発をめぐり、対立を深めるトルコに対しても同様の制裁を科すべきだと主張。対トルコ制裁をEUで合意しない限り、ベラルーシ制裁についてはキプロスは同意しないとでも妥協しないと言及していました。
しかし、今日キプロスも同意しました。今後数十人のベラルーシ高官へのEUからの制裁が始まります。
30人のヨーロッパ諸国やアラブ首長国連邦などのベラルーシ大使がもうすぐ解任されると、ポーランドで野党活動をしている前ヤンカ・クパーラ劇場長がインタビューで答えました。元フランスでベラルーシ大使をしていたので、確かな情報を持っているようです。
今日、ベラルーシ医大、ゴメリ医大、グロドノ医大の学長が3人とも解任され、新しい学長が大統領により任命されました。
他にも省庁のナンバー2に当たる役職が解任、他の人が任命されています。
ベルアズ・ホールディングスの代表取締役社長も解職されて、新しい社長が大統領により任命されました。
ベラルーシ大学の教員が次々退職しているようです。
ベラルーシ・カリの従業員がストライキをしていたのですが、身柄拘束された後、警察ではなく精神病院に入院させられました。
・・・
9月21日の追記です。
やっぱりキプロスが反対しているので、全会一致が原則の欧州議会では、つっこんだベラルーシ政府への制裁は今はできないようです。
多数決で決めるのではないのでしょうがないですね。
9月21日の書き込みです。
ベラルーシのコロナウイルス感染者数は75898人となりました。1日の新規感染者数は224人です。
死者数は785人です。
73301人が回復しました。
173万件を超える検査数となりました。
9月21日、さらに1000人分の治安部隊員の個人情報がネット上に流出、拡散が続いています。
二日間で合計2028人の個人情報が閲覧できるようになっています。
今日はミンスク以外の地方都市の治安部隊員(警察官)の情報が多いようです。
このうちすでに200人以上から、「嫌がらせを受けた」(いたずら電話や暴言吐かれるとかでしょうか・・・)「脅迫を受けた」(身柄拘束や拷問やめろ!と言われているのでしょうか・・・)という陳情が内務省に寄せられているそうです。
内務省は、このような嫌がらせや脅迫は犯罪に当たり、厳しく捜査して、立件、処罰する方向に進んでいると発表しました。
ちなみにベラルーシ政府は、ネットで得られる情報はフェイクですよ、と国民に毎日言っていますが、少なくとも200人の個人情報はフェイクではないということですね。
月曜日になると日曜日のミンスクでのデモ集会のことが日本でもニュースになります。
今日それを見ると、「反政府デモ、弾圧で参加者減か」などと書かれています。日本語の記事ですがでどころはロシアの報道です。
あくまでも私からの意見です。
一ヶ月半前のミンスクのデモ、20万人集まっていた。(ベラルーシ政府の発表では10万人も集まっていない。)今日のミンスクのデモは5−10万人程度。参加者が減っている。政府の弾圧が効いているんだね・・・暗にベラルーシ政府批判。
という日本のマスコミが日本人に与える印象を鵜呑みにしないほうがいいです。
弾圧の影響でデモ集会参加者が減ったというのは、日本人に「直接的な影響」なんだなと思わせますが、「間接的な影響」も多いのですよ。
私の考えでは、デモ行進が分断されて、ミンスク中心部のデモ「行進」の数は減っているように見えても、ちぎれた行進がミンスク市内にあちこち散らばっていて、全体で何人参加したのか計算しづらくなっています。
政府の弾圧の影響で、「ミンスク中心部のとある1箇所に集まった行進している人の数は以前と比べて減った」ということです。
デモ参加者の数は、計算するのも難しく、前々から情報源によって数はバラバラです。
ベラルーシの国営系のマスコミやロシアのマスコミは少なめに報道する傾向があるし、(9月20日はミンスクで5万人参加だそうです。)反政府系のネットニュースでは多めに報道する傾向があります。(9月20日はミンスクで15万人だそうです。)3倍も開きがあります。
そして、今は休日は団地ごとに集まって、平和的なデモをするのが急増しています。この人たちの数を全て集計するのは至難の技です。
次にデモ参加者が減ったとされる理由の一つはコロナウイルスです。
再びベラルーシで感染者が増えてきました。感染が分かると、その人の家族や職場の同僚なども、自己隔離されるのですから、外出自体ができません。
次にロシアのマスコミの分析では、「ベラルーシ人の国外脱出が増えているからデモ参加者が減っている。」です。弾圧の影響は間接的で、経済的、思想的に亡命、出稼ぎが増えているからということです。
ピンスク市民の(おそらく若い世代の)10パーセントがもうすでに外国へ出国しました。
12パーセントはもうすぐ出て行く予定で、トランクに荷物を詰めたり、パスポートやビザの手続きに奔走しているのです。こんな考えの人たちが、この国がよくなりますようにと願いながらデモ行進に参加しますか?
すでに近い将来の国の状況の改善を諦めてしまった人たちです。合計22パーセント、5人に一人ですよ。
さらに25パーセントが状況によっては国外へ出る予定なのです。そして選挙後、一か月半が過ぎても、弾圧が続いています。
合計47パーセントの人が国を出て行く状況を日本に当てはめて想像してみてください。
次に私の予想ですが、昨日のデモ行進参加者が減ったのは、この週末、ベラルーシ人の多くがきのこを広いに郊外の森へ行った影響もあったからです。また今はじゃがいもの収穫時期です。
金曜日まで雨が数日降り続きそして土日はとても天気が良く、森の中できのこを拾うベラルーシ人が大勢いました。
このベラルーシ国内の混乱、経済状況が悪化する可能性が高いことから、今冬ごもり前の保存食の準備に焦っているベラルーシ人もたくさんいるのです。
キノコを干したり、酢漬けにしたり、果物のジャムや野菜のピクルスを作ったりしています。ジャガイモは主食だから土中の保存庫へ。家族総出で食料の調達に必死です。
ベラルーシを出て行かず、国内に残る予定の人は、とにかくこの冬、食糧危機が起きたときのことを考えて、今食料があるうちに保存食を大量に準備しようとしています。
デモ集会へ行く時間が秋の収穫期にはないのですよ。今しかできないことを優先するのは当然です。今そのような心理状態の人が大勢います。
そんなことするのは田舎に住んでいる人だけでしょ?と思う日本人も多いかもしれませんが、首都のミンスクに住んでいる人の多くはセカンドハウスで家庭菜園をしている人も大勢いるし、またミンスク郊外へ車で20分ほど行けば、キノコが生えている森があちこちにあります。
このように、さまざな要因が重なっていると考えてください。
今日もミンスクの地下鉄は6箇所で閉鎖されました。
市内の道路もあちこちで封鎖されました。装甲車や護送車も各地に配置されました。主要な広場の周りには鉄条網が張られ、立ち入り禁止になっています。
そして反政府デモ行進が始まりました。ミンスク郊外の「栄光の丘」では政府派のデモ集会が行われました。
ミンスクだけではなく、ブレスト、ゴメリ、バラノヴィチなどでも大規模なデモ行進が行われ、ロシアのサンクトペテルブルグやウクライナのキエフでもデモ集会がありました。
そして身柄拘束です。ミンスクのツム百貨店近くでは逃げ惑う人々を追いかけ、引きずるようにして護送車に押し込んでいます。今日は日曜なので百貨店で買い物していた人も多くいたと思いますが・・・。
ブレストでは催涙ガスがまかれました。大勢の人に向かってまく、というより、一人だけに顔面に発射。そして拘束です。
また威嚇射撃らしい何かの発射音が2回、その場でスマホで動画撮影していた人の動画の中で聞こえます。
グロドノでは、妊娠中の女性も手荒に護送車に押し込まれました。「私は妊娠しているのよ! どこにも行かない、離して!」と叫んでいるのに、複数の治安部隊員で引きずって行きました。
明らかにお腹が膨らんでいて、妊娠前期ではない人です。
ミンスク英雄都市記念碑の前には治安部隊が配置され、近づくことはできません。しかし、その周囲には多くの市民が集まっています。
ミンスクで白赤白の旗を掲げていた一人の男性を拘束するのに治安部隊が20−30人ぐらい寄ってきます。
ミンスクのデモ行進の参加者は5万から10万という報道があります。デモ行進そのものは、治安部隊のせいであちこち分断されています。
しかし、ミンスク市内の各区ごとにデモ行進をしています。
区の中だけで行進をして、ミンスクの中心部にはわざと行かない。身柄拘束される可能性が高いですからね。
それより、各団地ごとに土日家族で集まって、お茶したり歌ったり踊ったりのピクニックのような平和なデモがあちらこちらで行われています。
そこへ有名歌手が飛び入り参加することも。ただ、有名な人は身柄拘束されやすいようですね。
身柄拘束された人は400人以上だそうです。
今日は良い秋晴れの日でした。
「ロシアのアーティストがベラルーシ祖国愛を歌う」の記事でも書きましたが、現在この歌の歌詞を書いた作詞者が、ユーチューブのコメント欄を閉鎖したと発表しました。
案の定、大炎上して、「人殺しを礼賛する歌詞を作った。」などというコメントが殺到し、この作詞者に対しても、「命を大事にしな。」といったコメントが書き込まれたようです。
・・・私個人としては、このように脅し文句をネット上で投げつけるのは、いけないことだし、法律違反だと思います。
みなさんやめましょうよ、こんな個人攻撃・・・と思います。
一方で、この歌の作詞者や出演した歌手は、この歌の発表後、自分の身に何が起きるのか、全く想像していなかったの?と不思議にも思います。
芸能人なのだから、先のことも予想して仕事を選ぶのが当然だと私は思うのですが・・・。
一方で目の前にあるギャラのためには、後先考えず行動する芸能人もいっぱいいるんでしょうね・・・と改めて感じました。明日自分のファンがごっそりいなくなり、新しい仕事が来なくなってもいいや・・・と思っているのか、何を歌おうが何をしようが、常に高額ギャラの仕事が死ぬまで来ると信じ込んでいるのでしょうか。
以前から予告していたとおりと言えばそうなのですが、ハッカー(集団)と思われる「サイバー・パルチザン」が9月20日、約1000人分のベラルーシの治安部隊員の個人情報を流出させました。
氏名、誕生日、勤務地、所属、肩書きなどが、ネット上で閲覧できる状態です。
あっという間にネット上で拡散。個人情報のリンク先を掲載するサイトも多数です。クリックすると「閲覧できません。」というエラー表示が出るサイトも多いですが、すっと閲覧できるサイトもあります。
このように一気に拡散すると、政府が完全にネットを遮断しない限り、無限に閲覧できます。それに個人のPCに保存されて、しばらくしてからまたネット上に出てくるでしょう。もう止められません。
サイバーパルチザンは「治安部隊のみなさん! これだけではなく、あなたの電話番号も把握しています。(身柄拘束を続けるなら、それも公開しますよ。)それと、一部の人については愛人との会話なども記録を収集しています。(奥さんにばれてしまいますよ。)」と表明しています。
さらにサイバーパルチザンは
「前もって警告しますよ。目出し帽の下に素顔を隠し続けることはできないことを。ベラルーシ大統領、内務大臣、大統領事務局長、血に飢えた将軍たち(軍人たち)は法的だった治安部隊を法外な悪党集団に変えました。そして法外な行動(拷問)をしてもよいという命令を出しました。これは平和なベラルーシ一般人に対する宣戦布告ですよ。」
というメッセージも添えました。
この1000人のうち、サイバーパルチザンが特に「ベラルーシ人の血に魅入られた12人」については、乗っている個人使用の乗用車の車種やナンバー、マンションの部屋番号はありませんが、自宅住所などがおおよそ流出しました。
また7人については携帯の電話番号も流出しました。
この個人情報流出により、(よくないことではありますが)特定の個人に対する個人的な攻撃や私刑もこれから起きるかもしれません。
その家族は、特に子どもは学校でいじめにあったりするかもしれません。
想像してみてください。同じクラスに、親が反政府デモ参加者を警棒で叩いているという子どもと、親がデモ集会に参加していた、あるいは近くを歩いていただけで、殴られ、留置所で拷問を受けたという子どもがいっしょに勉強している光景を・・・。
この1000人の個人情報を流出された治安部隊員からは悲鳴が上がりました。
自分の名前をこのリストから消去するよう1日でこのうちの200人から要請が出ました。要請先は自分たちの勤務先、内務省です。
サイバーパルチザンは当たり前ですが匿名のハッカー集団なので、消去してくださいと頼みたくてもどう頼んだらいいのか分かりません。
それで内務省に要請したのですが、内務省のトップも、サイバーパルチザンにどうやって頼めばいいのでしょう? 命令などできませんし、できたとしても、サイバーパルチザンの要求は「これ以上、反政府派デモ参加者を身柄拘束するな。」です。
「今日また身柄拘束を一人でもしたら、個人情報を流出させますよ。」と一週間前に予告していたのです。しかし、連日身柄拘束が行われ、とうとう今日、サイバーパルチザンが予告通りに1000人分の個人情報を流したのです。
今頃、内務省が「個人流出をやめてください。」と頼んでみて、サイバーパルチザンが何と答えるでしょう?
「だったらこれ以上身柄拘束や逮捕はやめろ。」・・・でしょうか?
それとも内務省も頭脳を使って、ハッカー集団の居所を突き止めて逮捕するのでしょうか?
このサイバーパルチザンを名乗るハッカー集団は、いかにもベラルーシ国内にいるベラルーシ人のような印象ですが、実際にはアメリカに住むベラルーシ人集団らしいという未確認情報が流れています。
それが本当だとしたらベラルーシ内務省は、サイバーパルチザンを逮捕することは難しいでしょう。
一応内務省は、サイバーパルチザンの正体を突き止め、厳しく罰すると言っていますが、国外にいるハッカー集団をどうすることもできないらしいというのは、とっくに知られています。
8月9日から3日間、ベラルーシ国内でインターネットが遮断されたのは、外国からのサイバー攻撃であり、ベラルーシ政府が止めたのではない、とにかく外国人が悪いと表明し、その正体を突き止めたこともなく、いまだに不明のままだからです。3日の間、自分たちは外国からのハッカー攻撃を回避、ネット環境改善をすることもできませんでした。
ちなみにベラルーシ内務省の公式サイトはハッカー攻撃を受けてからいまだに閲覧できない状態です。もう何日放置されたままなのでしょう。全く復旧されていません。
上記の200人の個人情報をばらされ、なおかつそれを何とか消去してほしいと内務省に訴えている200人の治安部隊員ですが、消去ができず個人情報が垂れ流し状態のままになるのなら、もう退職すると言っているのです。
こうして治安部隊をやめる人がどんどん出てきたら、身柄拘束も思うようにできなくなります。
最近治安部隊の人数が多すぎてこれはおかしいので、ロシアから助っ人がベラルーシへ来ているという情報もあります。
この人たちに給料を払っているのはベラルーシです。そしてそれはロシアから借りた借金が充てられます。こうしてロシアのお金がロシアへ戻ってゆき、ベラルーシ人は国の借金を返すためにこれから重税が課せられる可能性があります。
それがいやだというベラルーシ人は次々と国外へ出て行くでしょう。
ちなみに治安部隊員だった人が、「もういやだ、個人情報もれまくってるし。仕事やめる!」とやめたところで、どこで再就職できるのでしょう?
他のベラルーシ人は、リトアニアやウクライナ、ポーランドで人道的援助が受けられ、就職できます。
しかし元治安部隊員はこれらの外国での再就職は不可能、それ以前に出国もできないでしょう。
ロシアへ出稼ぎに行くのでしょうか? ロシアの警察なら喜んで再就職を受け入れてくれるでしょう。
こうして、ベラルーシではロシア人がベラルーシ人を取り締まるようになり、ベラルーシ人の元治安部隊はロシアで警察の手伝いをするようになるでしょう。ねじれた社会構造です。
9月20日の書き込みです。
ベラルーシのコロナウイルス感染者数は75674人になりました。1日の新規感染者数は213人です。
死者数は780人です。
73265人が回復しました。
173万件を超える検査数となりました。
9月19日、週末恒例になったデモ行進が始まりました。
今日は団地の一角に地元住民が家族づれで集まるタイプのデモ集会も各地で行われています。
マンションの窓から白赤白の旗を吊るしたり、団地のフェンスに白や赤のリボンをくくりつけると、法律違反であり、撤去に使われる費用は住民負担になると、政府から伝達がありましたが、反政府派市民は全く気にしている様子もありません。
デモ集会に子どもを連れて行くのは危険であるから禁止、厳しく罰する、という伝達もありましたが、みんなピクニック気分で団地ごとに集まり、歌ったり踊ったりしています。
今日もあるマンションの10階のベランダに吊るされていた白赤白の旗が、はしご車によって取り外されました。そして持って行ってしまいました。
もちろんこのマンションの部屋の住人の所有物です。これは窃盗罪にはならないようです。
しかたないので、ベランダに白と赤のパンツを干す人も現れました。
これを消防隊が外して持って行ったら、下着ドロですよ。
9月17日、6歳の息子を学童保育に預けていた母親が、反政府デモ活動をしていたからと警察に捕まり、警察署へ連行されました。拘束されたのは人権擁護センター「ビアスナ」の前です。
午後6時までに息子を迎えに行かないといけなかったのに、警察が母親を解放したのは午後11時。
学校側も母親を探しましたが、取り調べ中で電話に出られるはずもなく・・・
なぜか育児放棄(虐待)の疑いをかけられ、自宅が捜査。しかし、家の中には虐待の証拠はありませんでした。
ところが、その男の子はいわゆるDVから逃れるためのシェルターに連れて行かれてしまいました。
警察から出てきた母親が子どもを探しに学校へ行くと、シェルターに入れたと言われ、母親はマスコミにそのことを話し、あっという間にネットニュースになって拡散。
今日、そのシェルター前には100人ぐらいの人が集まり、「子どもを返せ!」「◯◯君、がんばって!」などのプラカードを掲げました。
ようやく母親がシェルター内に書類を持って行き、息子と二人出てきたときには、大きな拍手で迎えられました。
その様子が動画になってまた拡散。
反政府デモ集会に子どもを連れて行ったわけでもないのに、反政府派だというだけで、子どもを親から引き離してしまいます。
今日の午後3時ごろ、地下鉄ウルチエ駅で女性の乗客の多くが荷物検査を受けています。男性の乗客は検査されていません。これもニュースになってすぐ拡散です。
ウルチエ駅の近くでは多くの人が集まり、デモ行進を始めました。行き先は白と赤のペンキで塗り直された竜の像の公園です。
この竜の像の周りで住民が紅茶を飲んだり歌ったりしていると、突然セルゲイと名乗る男性が現れました。ここに取材に来ていたマスコミに、
「自分だけがここの住人で、そこの家に住んでいる。あとはここの住民じゃない。こいつらは新興宗教の信者だ!」
と説明し、集まっていた人たちに、
「帰れ、自分たちの団地で集会しろ!」と怒鳴り始めました。
対話しようと多くの人がそのセルゲイさんに話しかけるのですが、「帰れ! 解散しろ!」の一点張り。
とうとう集まっていた人たちが、セルゲイさんに向かって「出て行け! 出て行け!」とシュプレヒコールを上げました。
その様子はマスコミが取材してネットで拡散。
この竜の像の周りの住民は、区役所に「竜を塗り直さないでください。」という嘆願書を作り、300人の署名を添えて提出しました。
またこの公園をきれいに整備したいという要望も出ていますが、住民たちの手で作り上げたいと考えているそうです。
別の公園の池には紙で作った赤と白の船がたくさん浮かべられました。
ショッピングセンター「アイスベルグ」近くでデモ集会のため集まっていた女性たちの身柄拘束が始まりました。
治安部隊に向かって「女性を殴るのは臆病者だからよ!」と叫ぶ人たち。
その上空をドローンが白赤白の旗をつけて、飛んでいきます。
カマロフスキー市場付近で多くの女性が集まり、デモ行進を始めました。
「私たちの戦いは女の顔をしている」というプラカードを掲げる人。ノーベル賞文学作家アクシエーヴィチの代表作「戦争は女の顔をしていない」のもじりですね。
73歳の今や反政府デモ行進のシンボル的存在、ニーナさんが身柄拘束されてしまいました。手にしていた白赤白の旗と花束をもぎ取られ、護送車に押し込まれました。
警察署へ連行されましたが、取り調べを受けた後、解放されました。多くの人が拍手で出迎えました。
しかし、ニーナさんは今度は警察署のドアの前で、「私の旗を返して!」と訴えています。
今日だけで430人が身柄拘束されました。
団地でのデモ集会に来て歌を歌っていたラッパー、アレクサンドル・パミドーロフとその友人も拘束されました。
9月19日の書き込みです。
ベラルーシのコロナウイルス感染者数は75461人になりました。1日の新規感染者数は231人です。
死者数は776人です。
73212人が回復しました。
171万件を超える検査数となりました。
1日の新規感染者数が200人台という状況が続いています。第二波到来ということでしょうか。
ベラルーシ保健省の予想では、8月下旬か9月に第二波が来るということでしたが。
9月17日にミンスク市内で政府主催の女性フォーラムが開催され、そこへミンスク市役所の招きで来たというグロドノにある正教の女子修道院長、ガブリラが壇上で出席者に対し、
「反政府デモ活動を行っている群衆は狂人の集まり」で「赤白赤のバナー(旗)は悪魔の叫び」であると表現しました。反政府派を法を守らない集団、そして一種の宗派であるともたとえました。
出席者は拍手喝采しました。
翌日、慌ててベラルーシ正教の報道担当であるセルギイ神父が、ガブリラ修道院長の発言は、政教分離の精神に反しているとし、ガブリラ修道院長の意見をベラルーシ正教会の意見だと勘違いしないでくださいとベラルーシの正教徒に呼びかけました。
そもそもどうしてこの修道院長が大統領も参列する女性フォーラムに招待され、壇上で演説するような機会を与えられたのでしょう?
ベラルーシではもともと宗教と政治は基本的に距離を置くことになっています。
ベラルーシの大統領は、宗教家は教会で祈っていればそれでよい、政治に首を突っ込むな、と発言しています。これは正教に対してもカトリックに対しても言ったのです。
そしてベラルーシのカトリック大司教は入国を拒否して、実質上の国外追放にしました。
バチカン(ローマ教皇)からの要請も無視したままです。
そして、政府派の女性フォーラムには正教の女子修道院長をわざわざ呼んできて、政治に首を突っ込んでいる発言をさせています。
政治と宗教の間に距離を置きたいのなら、政府派集会に正教聖職者も招待してはいけないでしょう。
政府の方針と合ってないんですよ。
何となく、ベラルーシ国内のカトリック勢力を弱めたいのではないかという政府の陰謀を感じます。
そのためには正教を政府側の味方につけておくのがよい方法と思っているのかもしれません。
そして、ベラルーシ人の信仰の中にも分断を作ろうとしています。
ベラルーシで同じキリスト教の宗派であるカトリックと正教の間に宗教戦争が起こる可能性は低いですが、結局宗教が政治に利用されている感じがします。聖職者は、自分の言動に気をつけていただきたいですね。