ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシのコロナウイルス感染者45万4674人。死者数3541人

2021-08-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月9日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は454674人になりました。1日の新規感染者数は742人です。減ったように見えますが、1日の新規検査数は11682件です。感染拡大は変化がありません。

 死者数は3541人です。

 448752人が回復しました。

 743万件を超える検査数となりました。
 
 

ベラルーシのコロナウイルス感染者45万3932人。死者数3532人

2021-08-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月8日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は453932人になりました。1日の新規感染者数は979人です。減りましたが1日の新規検査数は19618件と増えたので、感染拡大もやや収束しました。
 
 死者数は3532人です。

 448220人が回復しました。

 742万件を超える検査数となりました。

  

2021年8月8日。東京五輪閉会

2021-08-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月8日。東京のオリンピック閉会式をテレビで見ながら、予想していたけれど波乱があったオリンピックだったなあと思いました。
 次はパラリンピックですね。無事に開催されてほしいです。

 今度はベラルーシからラトビアに難民35人が不法入国しました。リトアニアへはぴったりなくなりました。
 ラトビア政府は対応に追われるでしょう。しかしベラルーシとの国境線は短いので、鉄条網を張るのもまだ簡単ですね。

 リトアニア政府は80人の難民をベラルーシ側に返しました。

 イラク政府はベラルーシ政府とリトアニア政府に向かって、イラクの難民を丁重に扱うよう要請しました。

 リトアニアとポーランドはEUに対して、対ベラルーシ制裁を拡充するよう要請しました。

 昨年8月に反政府デモ集会に参加して、警察の発砲によって死亡したとされるシュトフさんの息子が、反政府活動をしていた疑いで逮捕されました。
 父親の敵討ちがしたいような心境になったのでしょうか。

 8月3日にウクライナのキエフにある公園内で遺体で発見された亡命ベラルーシ人支援グループのリーダー、シショフ氏ですが、実はどういう人物なのかあまり知られていませんでした。
 ネットでプライバシーを自らさらすようなタイプではなかったのでしょう。
 しかし、友人たちの話がまとめられ、記事になっています。シショフ氏は地方の出身で、プログラミングの勉強をするためカレッジに入学したころ相次いでガンで死去したので、苦学して卒業。ゴメリの内装会社に就職してサイトの運営を担当していました。
 そのときサイトに載せた画像のことで警察から取り調べを受け、(そんなに法に触れる危ない画像だったの?と思いますが。)そのときの厳しい警察の態度や、有罪判決を受けて短期間服役したことから、友人たちに警察嫌悪の感情を打ち明けるようになったそうです。
 出所後2019年にウクライナへ行き、移住したいと希望するようになりました。その後、ベラルーシ反政府活動に参加したので、ベラルーシからウクライナへ移住希望するようになったベラルーシ人を支援する団体「ウクライナにあるベラルーシの家」を設立し、住居探しを手伝っていました。
 そして趣味のジョギングに行ってから行方不明となり、遺体となって発見されました。享年26歳です。
 やはりベラルーシの警察嫌悪の感情が根になっているのですね。
 
 ベラルーシでは毎日のように逮捕者が出ていますし、取締が非常に厳しくなったのでデモ集会もほとんど行われなくなりました。
 しかし、だからと言ってみんな政府支持派になったとは思えません。心の中ではどんな事を考えているのか・・・
 そして黙って外国へ出国していくベラルーシ人が増える一方です。

 先日ノーベル賞作家のアレクシエーヴィチが、インタビューで「すでに数十万人のベラルーシ人が外国へ出国した。」と言ったのですが、人口950万の国でそれは誇張しすぎではと思っていました。しかしこの数字がだんだん現実味を帯びてきています。

 ベラルーシの高校で使用される国語の教科書からアレクシエーヴィチの作品を除外することが決定しました。(また教科書を作り直すのでしょうか・・・。)

 

 
 
 
 

 

2021年8月7日。国境

2021-08-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 8月7日、昨日はベラルーシからリトアニアへ国境を越えた不法入国者はゼロでした。本当に久しぶりですね。
 今度はベラルーシからラトビアやポーランドの国境を超えて不法入国する難民の数が増えています。

 リトアニアとの国境地帯でイラク国籍の難民の男性が重態で発見され、その後死亡した事件の余波と思われますがイラクとベラルーシを結ぶ飛行機のフライトをイラクの航空会社が無期限で停止しました。
 死亡した男性の遺族がベラルーシへ来て遺体を引き取りましたが、イラクの飛行機でミンスク空港を出発したとき、リトアニアからベラルーシに戻されたイラク難民も同乗して帰国しました。

 今日、リトアニア政府は同国内の難民キャンプに収容されている不法入国者に対し、300ユーロあげるから祖国に帰ってほしいと要請しました。難民保護にもお金がかかるのですよ。
 それを知っていてベラルーシ政府が難民をリトアニアに押し付けているのですが、イラクのフライトがなくなったので、これからこの作戦は使えなくなってくると思います。
 
 この問題への対応を協議するため、ECは18日、オンラインで内相理事会を開くことを検討しており、「不法移民を国家が武器として使っている」とベラルーシを非難しています。

 ドイツ在住の陸上選手、ヤナ・マクシモワ選手が帰国しないことを8月4日表明しましたが、正式にドイツに難民申請をしたことを明らかにしました。
 
 さらにツィマノウスカヤ選手がポーランドに亡命する前に、連絡を取り合っていました。それで当初、ツィマノウスカヤ選手はオーストリアかドイツに行きたいと話していたのかもしれません。
 マクシモワ選手は去年8月のベラルーシの大統領選後、SNSに反政権デモを支持するメッセージを投稿。夫で陸上十種競技のメダリストでもあるアンドレイ・クラウチャンカは身柄拘束され、短期間ですが服役していました。
 出所後、夫婦でドイツに移住。ツィマノウスカヤ選手と連絡を取り合い、自分たちもベラルーシに帰国しないと表明、そして亡命申請へという流れです。
 
  ツィマノウスカヤ選手とその夫は、今回の亡命について、「私達は政治的ではない。政治的な発言や行動をしたことがない。」と一貫して純粋にスポーツのことしか考えていない態度を示していました。しかし、反政府派で、前科があり、ドイツへ脱出した陸上選手夫婦に、ツィマノウスカヤ選手は自分の亡命を相談していたのですか・・・
 記者会見などで、政治には興味がない、私はただ走りたいだけと話しているツィマノウスカヤ選手とその夫は、ちゃんと政治のことを考えていると私は思います。表向きはそう言っておこうという状況なのでしょう。

 どうしてもスポーツに政治はからんでくるものだと私は思っています。理想は切り離された状態ですけど、世の中そのようにはならないです。何をしていても政治に影響を受けます。

 オリンピックの新体操で、日本文化をリスペクトした衣装やポーズを外国人チームが披露して、日本人が喜んでいます。
 ベラルーシチームのポーズは日本の三猿だったという解説がありましたが、私が見た限りでは三猿のポーズには似てないと思いました。
 もしそうだったとしたら、どうしてベラルーシチームは三猿をテーマに選んだのでしょう。三猿は皆さんご存知の、見ざる言わざる聞かざる、ですよ。
 まさに今の閉塞感漂うベラルーシ社会を表す言葉です。
 ベラルーシチームが意味を分かって三猿のポーズを取り入れたのだとしたら、それは問題ですよ。と思う前に、あのポーズは三猿ではないと思います。
 
 それから、ツィマノウスカヤ選手を帰国させようとした二人のコーチ(資格剥奪済)ですが、S夫によると、ベラルーシに帰国後、特に処分は受けないだろうということです。
 なぜなら、東京にいるときにチームドクターがツィマノウスカヤ選手を診察して、精神状態に問題があると診断し、それを受けて、全ての種目に出場しないほうがいいとコーチが判断したのだから、コーチの責任ではないので、処分は受けない。ツィマノウスカヤ選手は自分を診察したドクターはいないと否定していますが、チームドクターが「確かに私が診察しました。これが診断書です。」と提出したら、ベラルーシ五輪委員会としては、ドクターのほうを信用するでしょう。
 もちろん、ドクターも処分は受けません。・・・ということでした。(あくまでS夫の予想。)
 それよりツィマノウスカヤ選手を空港まで車で連れて行ったのに、トルコ行きのフライトに搭乗させるところまでしなかった、三人の屈強な男たち(ベラルーシ代表団関係者を名乗っています。これはコーチではないです。)のほうが帰国後、ツメが甘かったとかで処分を受けるかもしれません。(あくまで私の予想。)

 すでにポーランドの新聞の第一面をツィマノウスカヤ選手が飾りました。(8月7日−8日付Gazeta Wyborcza紙)
 顔写真とともに「刑務所か精神病院が待っているところへは帰らない」という見出しが大きく掲載されています。
 新聞のトップページにこんな見出しですからセンセーショナルですね。

ベラルーシのコロナウイルス感染者45万2953人。死者数3523人

2021-08-07 | Weblog
 2021年8月7日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は452953人になりました。1日の新規感染者数は1213人です。新規検査数も18239件と昨日とどちらの数字も変化がほとんどありません。

 死者数は3523人です。

 447059人が回復しました。

 740万件を超える検査数となりました。

 108万人がワクチン接種2回めを終えました。やっと全人口の11%です。

ベラルーシのコロナウイルス感染者45万1740人。死者数3513人

2021-08-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月6日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は451740人になりました。1日の新規感染者数は1295人です。前日より増えましたが、新規検査数も18491件で増えたので、この数字ですね。
 
 死者数は3513人です。

 445890人が回復しました。

 738万件を超える検査数となりました。
 

2021年8月6日。コーチの資格剥奪

2021-08-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月6日、IOCはツィマノウスカヤ選手に帰国を強制したとして、同国コーチ2人の大会参加資格証を剥奪したと発表しましした。このコーチ陣が東京五輪に参加し続けたら、他の陸上選手にまた迷惑をかけるかもしれないからです。
 コーチ二人は不服申し立てができるので、それが通る可能性もありますが、もうオリンピックも終わりかかっていますしね・・・。
 すでに選手村からは退去したそうです。このまま帰国するのではないでしょうか。
 (と書いた後すぐに、こちらのニュースで「すでに帰国の途上にある」と報道されました。)
 帰国後、ベラルーシ五輪委員会から相当な処分を受けて、ベラルーシチームのコーチの資格も失うと思います。

 ツィマノウスカヤ選手はウクライナからポーランドに入国した夫と無事、再会。

 IOCのバッハ会長が今回の件について調査を続行しており、ベラルーシ五輪委員会とも競技中であることを発表。さらには調査の結果次第では、ベラルーシ五輪委員会に制裁を発動すると述べました。
 
 ベラルーシの五輪委員会も帰国したコーチから事情を聴取したうえで、IOCと話し合い、もしベラルーシのコーチや選手に対して差別があれば、ベラルーシの五輪委員会は守ると発言しました。
 IOCがベラルーシのコーチや選手を差別? と思われた方もいるでしょう。これはベラルーシ五輪委員会にIOCが制裁を発動することを指しているように思われます。また、やはりベラルーシ五輪委員会は自国民を守る姿勢であることを、国民にアピールしないといけない(そのほうが国民からの指示が得られる。)と思っていることの表れでしょう。

 一方でそもそもの発端となった陸上3選手に規定通りのドーピング検査をさせていなかったトレーナーは、これからベラルーシの五輪委員会から厳しく処分されると思います。

 
 今度はベラルーシからポーランドへ難民が大量不法入国です。
 ベラルーシ政府は否定していますが、国ぐるみでイラクなどからの難民を隣国に不法入国させていると、各国から非難されています。
 これが真実すると、ツィマノウスカヤ選手とその夫に人道ビザを出せるほど余裕があるんだったら、難民もポーランドでどんどん受け入れたらよい、という考えに基づくものです。
 
 逆にリトアニアには昨日はたった二人しか不法入国がありませんでした。
 リトアニア側が鉄条網を張り巡らした結果が出ているのか、ベラルーシがリトアニアに入国させようとしていた難民をツィマノウスカヤ選手亡命に関連して、ポーランドのほうへ向けることに決めたのか、あるいは最近リトアニア国境警備隊が暴力を奮ってまでも、不法入国者をベラルーシ側に押し戻し始めた(死傷者が出ています。)ので、難民たちからリトアニアに行きたくないという要望が出たか・・・いろいろ予想されます。

 ベラルーシとイラクの間で飛行機のフライトが増発されたのに、昨日急にフライトの欠航が中止されました。

 8月4日に死亡が確認されたイラク国籍の男性ですが、すでに遺族が見つかり、昨日、5日には遺族が二人遺体の引き取りのためベラルーシ入りしました。在ベラルーシ・イラク大使も立ち会いましたが、この3人の様子がものすごく怒っている感じでした。
 ベラルーシ側の検死官によると、全身に30箇所の打撲傷があり、凶器は警棒である可能性があるそうです。
 イラクとリトアニアの関係が悪化しそうですね。 

 ベラルーシとポーランドの関係はすでに悪化しています。
 モロジェチノ市のポーランド人協会会長が所在不明になりました。

 

 

広島への原爆投下から76年

2021-08-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 今日、広島に原爆が投下されてちょうど76年となりました。
 平和記念式典でまた祈りの日となりましたね。

 私は2日連続で、ベラルーシの小学生と折り鶴を作り、原爆の話、主に子どもを対象としているので、いわゆる「サダコの千羽鶴の物語」も話しました。
 このワークショップをずっと続けているのですが、ベラルーシはコロナ禍であっても、大勢集まるイベントを行ってよいことになっているので、今年は去年よりもずっと参加者が多いです。

 ワークショップの際、ロシア語の折り鶴の歌を聞いたりもしているのですが、ふと「サダコの千羽鶴の物語(被爆者の佐々木禎子さんが発病し、治癒を願って千羽鶴を折り続けたこと)」はどれぐらいロシア語圏(ソ連)で広がっていたのか気になりました。
 調べてみると、さまざまなことが分かってきたのですが、私自身いろいろ思うことがあり、またロシア語圏での日本文化の広がりに関心のない日本人が多いことも理解できますので、この「ベラルーシの部屋ブログ」ではなく、のブログ上で調べて分かったことを投稿することにしました。もし関心のある方がおられましたらお読みください。

 ベラルーシでは、広島原爆投下のこの日付のためなのか、ベラルーシ原発関連記事がネットに載りました。
 ベラルーシ原発を稼働させて発電するだけではなく、使用済み核燃料を核爆弾の材料にしようとしているのではないかという疑惑の記事でした。
 あくまで疑惑であって、そういう方向にベラルーシ政府が突き進んでいるわけではありません。
 ベラルーシが核保有国になるとまたヨーロッパの勢力分布のバランスが変わっていくのは当然です。今後どうなるのか注視していかないといけません。


 

 
 
 

2021年8月5日。所属

2021-08-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月5日、ベラルーシ大統領は、過激な思想(テロやクーデターなど)のベラルーシ人からは、ベラルーシ国籍を剥奪するという法令に署名しました。
 ベラルーシは二重国籍は原則禁止です。例外的にロシア国籍とウクライナ国籍の二重国籍は認められていますが、国民の大部分はベラルーシ国籍しか持っていません。
 もし二重国籍の人がベラルーシ国籍を剥奪されても、もう一つ国籍を持っているので無国籍にはなりません。しかしベラルーシ国籍しか持っていない人が剥奪されると無国籍になってしまいます。
 無国籍のベラルーシ人が増えるかもしれません。一方で、国籍をすぐくれて自国に招き入れる国も出てくるでしょう。すでにベラルーシ人に対して、手数料を払えば国籍をあげますというサービスを初めている国もあります。国によってはお金さえあれば国籍が買える時代になりました。
 
 今日はこのニュースのほか、ウクライナ大統領が、ドンバス地域の住民で自分をロシア人だと認識している人は、ロシアへ移住してください、という発言をしたというニュースもありました。
 ロシア人はロシアに住めば良い、ということです。
 実際にそうすることに決めた人に対して、おそらくロシア政府が対応策や支援方法を考えてくれるでしょう。

 
 8月4日、ポーランドに到着したツィマノウスカヤ選手が今日、記者会見しました。日本とポーランドの関係者に感謝の言葉を述べ、ポーランドで競技を続けたいとしています。しかし、安全になったらベラルーシへ帰国したいとも話して、一方ですぐには帰れないことも理解しており、残された家族のことを心配しています。
 亡命を決めたのは祖母からの電話で、ベラルーシ国内ではネガティブ・キャンペーンが張られ、特に「チーム・ドクターが精神状態がおかしい。」という診断を出した、選手村のルームメイトがネガティブな人物批評をしているといったことを心配して、このままベラルーシに帰国したら、精神病院に強制入院させられえるのではないか、と言ったから、だそうです。
(ツィマノウスカヤ選手、ベラルーシ国内にいるおばあちゃんがこんなアドバイスをしてくれたから亡命を決めたとか、ぺらぺらしゃべらないほうがいいですよ・・・。)

 ベラルーシではすでに、刑務所ではなく精神病院に入れられた人もいます。工場の煙突に上って大声で大統領は辞任しろと叫んだ人などですね。こういう行動は精神異常によるものだとされます。
 ツィマノウスカヤ選手は「政治亡命をしたのではない。私は政治に関心がなく、抗議活動にも参加していない」と強調する一方、「自分と同じような境遇のベラルーシ人を助けたい。」とも述べました。またポーランドを拠点に活動しているベラルーシ野党幹部とも面会しているので、結局政治的なものに関係してしまっています。

 ベラルーシのスポーツ選手で反政府派はすでに出国しています。その数は数百人で、これからも(特にオリンピック終了後、スポーツのキャリアを終える選手も多いですから、それを一区切りとして)出国する人や、3年後のオリンピックにはベラルーシの選手として出場したくない、(いきなり練習したこともない競技をぶっつけ本番で出場しろと命令し、拒否するなら命をかけろ、というコーチの体質が今回よく分かったのですから、それでもいいという選手も、もう嫌だという選手も出てくるでしょう。)と考える選手が出てくることが予想されます。

 ちなみにツィマノウスカヤ選手はベラルーシの選手としては、8月3日付で除名されました。もうベラルーシの選手としては、試合に参加できません。ポーランドの選手として出場する日のほうが近いでしょう。
 国営テレビ局は、ニュース番組で「売名行為だ。」と中傷しましたが、ツィマノウスカヤ選手は政治家でも芸能人でもないので売名行為をして有名人になったところで、200メートル走の記録が上がるわけでもないです。
 もうすでにこの亡命騒ぎについてはベラルーシの国営メディアは報道していません。

 それより今は、国境での不法入国者問題で、リトアニア政府のネガティブ・キャンペーンをしています。国営テレビのニュースの
アナウンサーが、「リトアニア政府はこの問題について唾を吐きかけています。」などとトップニュースの冒頭で言いました。
 北朝鮮のアナウンサーがアメリカのことをボロボロに言うのと共通していますね。
 
 野党幹部のコレスニコワ氏とズナク氏の裁判が非公開で始まりました。それに先立ち、コレスニコワ氏は刑務所の中で、プロタセヴィチ氏のように、動画撮影に協力し、出演して言われたとおりの発言をするよう強要されたそうです。もちろんコレスニコワ氏は拒否。
 今日の非公開裁判の最中、両手でハートマークを作ったり(去年の選挙戦でババリコ氏陣営のキャッチコピー)ダンスをしたりしていたそうです。 
 
 同じく6月1日の裁判中、自殺を図った人の裁判が継続中です。証拠として知人との電話の会話が録音されたものが流されたとき、興奮状態になり、叫びだしたので手錠をかけられ一旦休廷となりました。医師の診断では神経衰弱だということになっています。

ベラルーシのコロナウイルス感染者45万445人。死者数3503人

2021-08-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月5日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は450445人になりました。とうとう45万人台です。1日の新規感染者数は1143人でまた増えました。新規検査数は17890件で減ったので、また感染拡大がやや増えたと言えます。

 444613人が回復しました。

 死者数は3503人です。

 739万件を超える検査数となりました。

 106万人がワクチン接種2回めを終えました。やっと全人口に対して11%です。

 ベラルーシ保健省はマスク着用を引き続き(一応)義務化するよう決定しました。しかし、厳しく罰せられるわけでもないので、ほとんどの人がマスクをしていません。

ベラルーシのコロナウイルス感染者44万9302人。死者数3494人

2021-08-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月5日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は449302人になりました。1日の新規感染者数は967人です。また急に増えたように見えますが、新規検査数は21459件と多いので、それほど感染は広がっていません。

 死者数は3494人です。

 443417人が回復しました。

 735万件を超える検査数となりました。
 
 2回目のワクチン接種を終えた人は101万人です。人口940万人の国でついに100万人を越えました。

2021年8月4日。今度は国境地帯で

2021-08-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月4日、今度は国境地帯で遺体発見です。
 ベラルーシとリトアニアの国境地帯で、意識不明のイラク人男性をベラルーシ国境警備隊が発見。救命措置をしましたが、死亡が確認されました。
 この男性は、ベラルーシ経由でリトアニアに入国したイラク難民の1人で、リトアニア政府がベラルーシ側に再入国させた(ベラルーシへ追放)とベラルーシ側は発表しています。しかし、ベラルーシからリトアニアに入国しようとして、リトアニア国境警備隊から阻止されて、入国前だった可能性もあります。

 ベラルーシ当局は、すでに殺人事件であると発表。捜査の最高責任者はベラルーシ大統領自らが名乗りを上げ、これから指揮していくようです。

 そもそもベラルーシ政府がイラクなどの難民を呼び寄せ、ベラルーシ経由でリトアニアの国境を超えさせ、不法入国を後押ししていることが問題です。
 連日難民が徒歩で国境を超えて押し寄せてきたリトアニアは、難民キャンプを急ごしらえしたり、ベラルーシとの国境地帯に鉄条網を張り巡らしたりしました。自国の予算では補えない緊急支出です。そのため他のEU加盟国が支援を始めました。
 またベラルーシ政府に、不法入国者をリトアニア(それとポーランドにも)国策で送り込まないでほしいと再三要請しましたが、ベラルーシ政府は無関係だという態度を取っています。
 一方でイラクのバグダッドとミンスクのフライトの本数を増やすことをイラク政府と合意して、どんどんイラク人をベラルーシ国内に入れ、徒歩による国境の越えかたのマニュアルを教え込み、リトアニアの国境近くまで送って、不法入国させているのです。

 どうしてこんなことをするの?と不思議に思う日本人も多いかと思います。結局これは、21世紀における戦争の戦法の一つなのです。
 野党リーダーのチハノフスカヤ氏をリトアニアに追放したのはベラルーシ政府ですが、その後リトアニア政府は野党やリトアニアに逃れたベラルーシ反政府派のベラルーシ人を擁護しました。
 ベラルーシ政府の考えでは、「そんなにリトアニアにやってくる外国人を助けたいのか、そんなに余裕があるのか。だったらイラク難民も世話したらいい。」という思考回路なのです。
 
 冷戦というと、経済戦争のイメージがありますが、難民を送りつけて、敵国の国庫を攻撃する(国を貧乏にさせる)のも、冷戦の戦法の一つなのです。というかこういう戦法が出てきたのも、21世紀になったからと思います。時代は変わっていきますから。

 さて、難民キャンプが満杯になったので、リトアニア政府も人道的に、食べ物を与えたりといったことはしたくても、継続できなくなってきており、とうとう、一旦収容した難民を強制的にベラルーシに再入国させる(「やってきたところへ戻ってください。」という考え)あるいは、入国した瞬間に無理やり、国境線の向こう側(ベラルーシ領)に押し戻す・・・ということが最近始まりました。

 難民の中に当然「いやだあ! リトアニアに入国するんだあ!」と走り出す人や暴れ出す人がいるので、リトアニア国境警備隊員も武器など振り回して威嚇します。
 その結果、怪我をして、よろめきながらベラルーシ領におっぽり出される難民もいます。

 怪我をした難民がベラルーシ領内にいたら、ベラルーシの国境警備隊が保護をして救急措置などしなくてはいけません。
 そして、国営メディアは「リトアニア国境警備隊は、難民にこんなひどいことをしている! 非人道的だ。」と報道します。
 リトアニア政府を悪者にしたいわけです。(イラクからベラルーシにつれてきて、リトアニア国境を越えさせようとベラルーシ側が画策しなければ、この難民はそもそも怪我などしなくてすんだのですが。)

 今日発見されたイラク人も、このようにリトアニア国境警備隊に怪我をさせられ死に至ったもので、殺人事件だとベラルーシ政府は認定。

 昨日は昨日で180人の難民がリトアニアに不法入国できず、鉄条網の前でうろうろしていると報道されました。
 またベラルーシ国境警備隊の発表によると、昨日40人の難民が、リトアニア側からベラルーシ領強制的に出国させられたそうです。
 難民の押し付け合いが始まっています。しかしもともとこの国境地帯に第三国の難民を連れてきたのはベラルーシです。

 国境地帯で死亡したイラク難民の男性(氏名、年齢など未公表。遺体を引き取ってくれる親族をベラルーシ当局が探しています。)は、全身を殴られた跡があった。(もちろんリトアニア国境警備隊の仕業と報道)ベラルーシの国境警備隊が発見したときは、まだ息があったが、まもなく死亡。と報道されてすぐ、ミンスク市内にあるリトアニア大使館前に、イラク人ではなくベラルーシ人が集まり、抗議デモを始めました。
 手書きのプラカードには「リトアニアは21世紀の強制収容所」「暴力反対」「けして忘れない」「リトアニアを国際法廷へ」などと書かれています。
 国営メディアがそのようすを報道し、平和的なデモ集会で法律に触れていないとしました。

 リトアニア国防相は、こうなることを前もって準備していたベラルーシ政府の挑発とし、それにはリトアニアは乗りませんよ、と牽制しました。

 
 ウクライナで亡命ベラルーシ人支援グループのリーダー、シショフ氏の遺体が発見された事件を受けて、ウクライナ大統領は、ウクライナに脱出した反政府派ベラルーシ人の安全を守るため、ウクライナの治安部隊を投入する命令を出しました。
 これで今ウクライナにいるはずのツィマノウスカヤ選手の夫もやや安心できますね。


 日本でも報道されたようにツィマノウスカヤ選手は、日本を出国し、ポーランド亡命のため、オーストリアへ出発しました。
 最終的にはポーランドに入国するでしょうが、それまであまり足取りとか服装とか詳しくマスコミは報道しないでください。

 ツィマノウスカヤ選手の夫は在ウクライナ・ポーランド大使館で、ポーランドの人道ビザを受け取りました。

 ポーランド政府は今年だけで9000人のベラルーシ人に人道ビザを発給したと発表しました。
 発給手続きなど、非常になれた感じで素早いですよね。
 

国境地帯で死亡したイラク人男性について続報です。男性の年齢は39歳。氏名は明らかではありません。
 この男性が見つかったのとは別の国境地帯で、今日5人の難民が怪我をしていたので、ベラルーシの国境警備隊が保護したと報道されました。
 5人の男性はいずれも怪我をしており入院しましたが、暴行されたときにできた傷であり、また犬の噛まれた跡のある人もいるそうです。
 これはリトアニア国境警備隊がパトロールのため使っている軍用犬だと思います。
 ベラルーシ政府は再びリトアニアを激しく非難しています。
 

ベラルーシのコロナウイルス感染者44万8335人。死者数3483人

2021-08-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月3日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は448335人になりました。1日の新規感染者数は581人です。急に減ったように見えますが、1日の新規検査数も6588件なので、この数字です。
 
 死者数は3483人です。

 442380人が回復しました。

 733万件を超える検査数となりました。

 すでに99万人が2回目のワクチン接種を終えました。それでもまだ人口の10%ですね。

2021年8月3日。発見

2021-08-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月3日。前日2日の朝から行方不明だった亡命ベラルーシ人支援グループのリーダー、ヴィタリー・シショフ氏の遺体が発見されました。

 シショフ氏はベラルーシのゴメリ出身。ウクライナの首都キエフで、「ウクライナのベラルーシの家」という団体のリーダーをしており、ベラルーシから出国したベラルーシ人の住居や仕事、法的支援などを提供する活動をしていました。

 日本でポーランドに亡命申請したツィマノウスカヤ選手の夫ズダネーヴィチ氏(スポーツ・マッサージ師)もすでにベラルーシからウクライナへ出国しており、この団体が支援した可能性が高いです。もっとも、ズダネーヴィチ氏はウクライナからポーランドへ移動し、そこでポーランドにあるベラルーシ人支援団体の助けを借りて、妻が日本からポーランドへ到着するのを待つ計画だと思います。

 シショフ氏は、友人に最近誰かに尾行されているようだと語っていました。
 そのわりに普段の日課であるジョギングにいつものように一人で行ってしまいました。その後連絡がつかなくなったと、パートナーの女性がキエフの警察に通報しました。

 今朝のニュースでは、シショフ氏の自宅近くにあるキエフ市内の公園の木に、首を吊っている状態で警察に発見されたそうです。
 携帯電話など所持品は現場に落ちており、持ち去られた物はなさそうです。
 ウクライナ警察は、自殺に見せかけた殺人事件である可能性も視野に入れて、捜査を始めました。


 新たに3人のスポーツ関係者がベラルーシから出国しました。
 2008年北京五輪の陸上男子10種競技の銀メダリスト、アンドレイ・クラウチャンカとその妻ヤナ・マクシマワ(陸上7種競技選手)が、滞在先のドイツから、ベラルーシへ帰国しないことを発表しました。
 ハンドボールの国内チームのトレーナー、コンスタンチン・ヤコブレフもウクライナへ出国しました。
 ツィマノウスカヤ選手のポーランド亡命と関連性があるかどうかは分かりません。
 ただ、クラウチャンカ選手とヤコブレフ氏は、すでに反政府派デモに参加していた罪により、逮捕、有罪判決が出て服役し、すでに出所した身です。
 マクシマワ選手は自身のインスタグラムで、ドイツからベラルーシへの帰国を夫婦自ら取りやめたことを公表し、そこで「ここドイツでは胸いっぱいに息を吸うことができる。(ベラルーシではできない。)とても長い時間夫婦で話し合った結果、ベラルーシへ帰国しないことに決めた。」と書き込んでいます。

 
 在日ポーランド大使館で保護され、明日のポーランド行きのフライトを待っているツィマノウスカヤ選手は、取材に答えて、
「祖国に帰りたい希望はあります。でも帰国するのは今ではありません。」
と話しました。
 またオリンピックに出場したいと話しており、そのときは今度こそ200メートル走を走りたいそうです。

 ツィマノウスカヤ選手の実家にはすでに警察が事情聴取のため訪れました。
 母親がマスコミの取材に対して、「私達(両親)は何も知りません。ノーコメントでお願いします。帰国してほしいかどうかですか。それはもちろん、ベラルーシへ帰ってきてほしいです。うちの娘は何も悪いことはしていません。人を殺したわけでも物を盗んだわけでもありません。でも、実際、日本でどうしてあんなことをしたのか、私達には分かりません。」
とツィマノウスカヤ選手の行動が両親にとっても思いがけないことだったことを話しています。

(一部の報道でツィマノウスカヤ選手には子どもがおり、その子どももウクライナに行ったとされていますが、ツィマノウスカヤ選手にはお子さんはいません。)

 ベラルーシ国営テレビのニュースでは引き続き、ツィマノウスカヤ選手のネガティブ・キャンペーンを行っています。
 例えば、選手村では、他の選手が同じ部屋のルームメイトになりたがっていなかったとか、銅メダルをとった男子選手に、(スポーツのことを聞けばいいのに)ツィマノウスカヤ選手が今回起こした騒動についてどう思いますか、と質問して、その選手は「私はあの人嫌いなんですよ。」などと答えています。
 子ども同士のいじめみたいです。オリンピックに出場するような選手が何を幼稚な発言をしているの?と思うのですが、コーチ陣に言わされている(指導に従っている)のかもしれません。選手たちの発言の内容が感情的なことばかりですから。感情的な表現はあやふやで、確実な証言にはなりません。

 在日ベラルーシ大使館はツィマノウスカヤ選手の所在についての情報提供を日本政府に求めました。
 いっしょに東京までついてきた、ベラルーシ・代表団チームのメンバー(選手のお目付け役)が、帰国させることに失敗したので、ポーランドに移動するまでに(日本にいる間に)ツィマノウスカヤ選手を確保しようとしているのかもしれません。そうすれば、自分たちが帰国した後、処分を免れると思っているからです。
 ポーランド大使館に保護されている間はベラルーシ側も手が出せませんが、空港までの移動、ポーランド到着まで、ポーランド領事が付きそう予定です。移動中(日本領内の道路の上にいる間)の警護は日本警察の役目なので注意してください。
 ベラルーシは政府が危険人物、絶対身柄確保と決めたら、飛行機を無理やりミンスクに緊急着陸させるような国です。(当然ツィマノウスカヤ選手が搭乗する飛行機はベラルーシ上空は飛びません。

 ツィマノウスカヤ選手は保護してくれた日本の警察、外務省、ポーランド大使にも感謝の言葉を述べています。
 在日ポーランド大使はそれに対して、奔走したことを外交官冥利につきると話していて、大人な対応ですね。
 一方、ベラルーシの刑務所にもう1年近く収監されている日本人男性の解放に向けて、日本政府は全く積極的でないままなのが、私としては複雑な気持ちです。

 ツィマノウスカヤ選手の夫、ズダネフスキー氏がメディアのインタビューに答えて、
「私達夫婦は、政治には無関心で、反政府派のデモ活動に参加っしたこともないし、スポーツのことしか頭になかった。」
と一部の報道でツィマノウスカヤ選手が以前から、反政府派であり、政府に批判的な発言をしていたとニュースになっていたことを全面的に否定しました。
(でも、今はウクライナやポーランドにある反政府派活動家や野党の支援を借りて、夫婦そろって、ベラルーシを脱出。ポーランドで再会しようとしているので、これからは反政府派に恩返ししないといけないですよ。)
 また、妻がSNSで、200メートル走に出場できなくなった、1600メートルリレーに出るよう言われた、とコーチ陣批判をする動画を投稿したときには、こんなに大騒ぎになるとは思ってもいなかったそうです。政治的な内容の発言ではないし、一筆欠かされていたけど、それとは無関係の発言だという認識で、夫婦ともども思っていたそうです。

 ツィマノウスカヤ選手もインタビューに答えました。
「ベラルーシのいる家族はとても心配している。私の父は脳卒中の後遺症で、自宅療養中で母が常に介護をしている。(私の夫のように外国へ出国するなんてできない。)父の具合は悪くなっているので、入院させるほうがいいと母に話したが、今も自宅療養中で、父も母も自宅に釘付けの状態です。」

 亡命ベラルーシ人支援グループのリーダー、シショフ氏の遺体発見の続報です。
 キエフの警察の調査で詳細が明らかになってきました。
 まず、8月2日午前8時58分にシショフ氏は日課のジョギングにでかけた様子が自宅マンションの防犯カメラに記録されていました。
 午後3時18分にパートナーから、所在が分からなくなったと警察に通報。
 警察の捜索が始まりました。遺体が発見されたキエフ市内の公園は同氏がよくジョギングで走っていた場所なので、そこも捜索されましたが、異常はなし。午後10時にその日の捜索が終了。
 8月3日午前5時に捜索が再開。午前7時40分に公園内で遺体発見です。

 遺体発見現場の状況。首を吊った状態で遺体は発見されましたが、そのロープの輪の部分は地面から3メートル8センチの高さにありました。つまり輪が結びつけられた枝の高さは、さらに上です。
 切り株が3つあり、首吊り自殺したい人が踏み台にする可能性がある場所にありました。一つの切り株の高さは60センチ。残り2つの切り株の高さは両方とも50センチです。
 同氏の身長は185センチ。切り株の上に立って輪に手が届くでしょうか? 手が届いたとして、それを首にかけられるでしょうか。

 ロープは4重になっていました。同氏が自殺したいと考えていたら、自宅からロープを持ち出していたか、あるいは家を出てから、ロープを購入して、公園に向かったという考えもできます。
「ジョギングに行ってくるよ。」
とでかけた人が玄関でロープを手にしているというのは、あまりありえないですね。
 ロープを購入したなら、近辺の店の防犯カメラに映っていると思います。きっとキエフ警察が懸命に捜査していると思います。

 朝9時頃家を出てどこにいたのでしょう。午後10時までこの公園内を警察がすっと張り付いて捜査していたわけではないのですが、仮に午後10時まで遺体はなかったとすると、同氏は8月2日の昼間、どこか別の場所に隠れていて、午後10時以降、暗くなった公園に行って、高い木の上によじ登ってロープを結びつけ、輪を自分の首にかけて飛び降りる・・・といった方法で自殺したのではないかと想像できます。

 一つの切り株には、靴の足跡が残されていました。同氏の靴の跡とは異なるようです。誰のものかまだ判明していないというのが警察の発表です。
 遺体の鼻、左膝、胸、上唇に擦り傷がありました。
 遺書は見つかっていません。
 一部の報道で、同氏の携帯電話など所持品は持ち去られていた、とありますが、私が読んだロシア語のウクライナ警察の発表では、遺体発見現場に電話も所持品も残されていた(落ちていた)とあります。
「最近尾行されているようだ。自分の身に何かあったらパートナーの女性のことを頼む。」と友人に話していた、という報道もあります。しかし、キエフ警察は、この件についての相談は同氏から受けていなかったと発表しました。
 
 現地の警察は他殺の線を固めて捜査中です。

 昨年8月23日にも、ミンスク市内の雑木林で首吊り自殺したとされる反政府デモ参加者の遺体が発見されました。このときも他殺説の噂が流れましたが、離婚を苦にしての自殺だろうということになっています。このケースでも遺書は見つかっていません。

 ウクライナ大統領は今回の事件について、自ら捜査を指揮すると発表しました。

 

2021年8月2日。ツィマノウスカヤ選手、ポーランドのビザを取得

2021-08-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年8月2日、日本から第三国への亡命を希望していたツィマノウスカヤ選手は、ポーランドの人道ビザを発給されました。
 明日にでもポーランドに入国して、政治亡命をすると思います。

 羽田空港で保護されたツィマノウスカヤ選手は、結局東京のポーランド大使館で保護されました。(だからポーランドにいる野党幹部のラトゥシコ氏は情報が入ってくるわけですね。)
 本人はオーストリアかドイツに亡命を希望しており、その後チェコ政府とスロベニア政府が受け入れを公表しましたが、結局同じく名乗りを上げたポーランドが大使館で保護、すぐにビザも発給しましたね。ポーランド政府は以前から、ベラルーシ反政府派に対するビザ発給の手続きを大幅に緩和、すぐに手続きが取れるようにしていました。
 ポーランドに行くことにしたのは、おそらくベラルーシを出国しようとしていると思われる家族と合流しやすいからでしょう。
 オーストリアやチェコより、隣国ポーランドのほうが距離的に、家族と再会しやすいからでしょう。
 さらにポーランドから競技できる環境を求めて、また別の国に移動する可能性もあります。
 
 ポーランド大使館に保護されたら、言論の自由があるわけですからね、マスコミのインタビューにツィマノウスカヤ選手は答える形でベラルーシ政府の発表に反論しています。
 ベラルーシ国営テレビの報道では、ツィマノウスカヤ選手の出場を取り消したのは、チームドクターの診断、精神状態が不安定であることを考慮して、チーム陣が決めたことになっていますが、
「私を診察したドクターなんていない。」
と反論しています。
 さらに前から予定していた女子200メートル走に出場するつもりであったことも、話しています。無理やり出場を取り消されたようですね。
 
 さらにツィマノウスカヤ選手は昨年の大統領選挙について、批判的な意見を述べており、つまり以前から反政府派だったことも明らかになりました。
 東京五輪ベラルーシチームの中に、反政府派の選手が7人含まれているとのことでしたが、そのうちの1人がツィマノウスカヤ選手だったかどうかははっきりしません。
 しかし、出発前から「要注意選手」としてマークされていたようです。ということはやっぱり上記の7人の選手の1人だったのかなと思います。
 
 ツィマノウスカヤ選手は「帰国したら、刑務所に入れられる。」「自分も家族のことも心配。」「チームのメンバーから外されたり、職場を解雇させられることは怖くない。」とも話しています。
 だったら、SNSでトレーナー批判なんかしなければよかったんだよ、という意見もありますが、トレーナー批判は、政治に関する発言ではありません。
 ここのところが、言論の自由がないと言われるゆえんです。
 パラリンピック出場経験者のS夫によると、選手からするとトレーナーは絶対、神、言うことを絶対に聞かないとだめな存在だそうです。オリンピックが始まったら終わるまでの間、トレーナーのことを批判したり、言うことを聞かないなどはありえない話で、出場を取り消されるのは当たり前、だそうです。

 確かにそうなのかもしれませんが、他の3選手のドーピング管理ができなかったという非常にどんくさいミスを、その神のごときトレーナーがしでかしてしまい、その穴埋めのために、全く練習したことのない種目にいきなり出ろと強要され、これに出ないのなら、本来出場する予定の種目も出るなと言われたら、オリンピックのために何年も必死で練習してきた努力も無視されるということですよ。
 無意味にトレーナーのことを批判したわけではありません。それなのに逆に政治にからめて、ツィマノウスカヤ選手を非国民のレッテルを貼るべく、国営テレビ局が宣伝しまくっているわけです。

 私の予想ですが、3日前に大統領自らが、「どうしていまだにメダルがゼロなのか。」とベラルーシチームに対する不満を噴出させ、プレッシャーをかけていたので、ツィマノウスカヤ選手は、練習したこともない競技に出て、メダルを取れる自信も可能性もゼロだと思ったのでしょう。
 走る前から結果が分かっていて、試合後は相当な処分を受けるのではないかと萎縮してしまったのではないでしょうか。なので、メダルを取れなくても私のせいではないわよ、無茶振りしてきたトレーナーの責任ですよ、ということを証明しておきたかった。だから、証拠としての動画を自撮りして、ネットにつながっている今のうちに投稿してしまおう・・・という行動に出たのではないでしょうか。
 
 大統領が、五輪選手にプレッシャーをかける発言(ある意味においては、激励鼓舞、喝を入れて、選手の気持ちを上げようとしたのかもしれません。あの大統領らしい励まし方という見方もありますよ。)の翌日、ベラルーシの自転車競技の代表選手が、ロシア語媒体のメディアのインタビューに答えて、
「もう五輪が始まる前から、こうなることが分かっていた。今回はベラルーシが得られるメダルは3個ぐらいだと思う。大統領が今いろいろ言っても、問題は前から存在していた。今更急に改善できない。」
とはっきり言ったのです。
「はい、大統領の期待に添えるよう、気持ちを切り替えてメダルを狙いに行きます!」というようなことを、今まさに出場中の選手がまるで言わないのです。あきらめきっているし、これも批判の言葉ですよ。でもこの選手は、「だったら、スポーツ選手として失格だ。もう出場しなくていい。荷物をまとめて帰れ。」とは言われていないし、チーム・ドクターも「この人、精神状態おかしいですよ。」とも言わないし、羽田空港へ引きずられていくこともなかったです。
 もっとも帰国してから、処分を受ける可能性はありますね。
 私もこの選手は、「もうメダル取れないことが分かっているけど、私のせいではないですよ。」ということを前もって証明しておきたかったので、メディアからのインタビューにも、はいはいと応じて、「メダルを取れない理由は前からあったんです。」と言っておこうとしたのだと思います。保身のための作戦の一つですね。

 それから、ベラルーシに残されているツィマノウスカヤ選手の家族の安全は? と心配してくれている日本人が多くて、みなさん優しいなあと思うのですが、(ツィマノウスカヤ選手の夫はすでにウクライナに出国。近いポーランドで無事再会できるでしょう。夫さんはスポーツマッサージ師で、ツィマノウスカヤ選手を支えてくれているスポーツトレーナー。)
 私としては、このチーム陣もどうなるのかなあと思います。
 まず、陸上3選手のドーピングをちゃんと管理していなかったトレーナーは厳しい処分を受けるでしょう。
 それから羽田空港まで連れて行ったのに、帰国の便に搭乗させる前にツィマノウスカヤ選手に逃げられてしまった「3人の屈強な男たち」も帰国後、大失態であると厳しく処分されるでしょう。

 この3人の男性は、ベラルーシ五輪チーム代表団メンバーという肩書がついています。しかし、これは選手たちのお目付け役なのです。
 ベラルーシからついてきて、選手が外国(日本)でベラルーシの政府を批判する発言やプロパガンダ、スローガンを叫ばないか、チェックする役割です。選手たちは出発前に、そんなことしません、試合に集中しますと一筆書かされているので、日本でちょっとでもそれに違反する言動をしたら、このお目付け役がすぐにチェック。記録を残し、その場で処分を下し(例えばチーム内部で出場取り消し)帰国させるべく、移動手段を手配する・・・などの仕事をする担当者です。
 こんな人達が東京にいる間、そばに張り付いている状況での五輪出場・・・。
 ツィマノウスカヤ選手がSNSでトレーナー批判動画を流したら、すぐにばれるに決まっていますね。

 それなのに帰国させることに失敗したこの3人の担当者たち、今頃どんな気持ちでいるでしょう。今度は自分たちが厳しく叱責されるので、国に帰りたくない・・・と思っているかもしれません。羽田空港からはいつの間にか姿を消していたらしいし。
 チーム陣も、やばい叱られると思って、あわてて「ドクターがツィマノウスカヤ選手の精神状態がおかしいという診断を下しました。」と言い訳を考えたのかもしれません。だから、ツィマノウスカヤ選手は「私を診察したドクターなんていない。」と言っているのです。
 チーム陣は、ツィマノウスカヤ選手を狂人扱いにしておけば、自分たちの責任も軽くなるかも、とそれを期待している可能性もあります。
 ともかく、今ツィマノウスカヤ選手が帰国したら、刑務所に入れられなくても、チーム陣の証言により精神病院に入院させられるでしょう。
 チーム陣も、自分たちが処罰を受ける苦しみと、ツィマノウスカヤ選手1人が入院させられる苦しみとどっちを選びますかとなったら、当然自分たちのことを優先する心理状態になっていると思いますよ。

 これからツィマノウスカヤ選手の受け入れを表明した国とベラルーシの関係が一段と悪化しそうです。でもすでに悪くなってるから、どうでもいいのでしょうね。IOCもケアすることを表明。ベラルーシ政府は文句をIOCに言うでしょうが、もう前から関係がおかしくなっていたから、今更・・・になっているのでしょう。

 ツィマノウスカヤ選手に強制帰国させようとしているコーチとのやり取りが、音声ファイルとして流出しました。
 ベラルーシの陸上関係者が、日本のメディアに提供したとされています。ツィマノウスカヤ選手もこれは自分の声です、と証言しています。
 無理やり帰国するよう言われて、「このまま帰って、練習を続ける意欲が私に残るとコーチは思ってるんですか。」と涙声のツィマノウスカヤ選手に対してコーチは、「残らないわけないだろう。(ベラルーシで練習を続けたらいい。)(今200メートル走に出ても)何にもならない。何にも。」
 さらに「(コーチの指示に従って帰国すれば)『生きながらえたのに、馬鹿な女だな。』って、ベラルーシ国民から言われるよ。」と鼻先で笑いながら、ツィマノウスカヤ選手を説得。そして、
「(帰国しないことで)何を誰に証明したいんだ?」
「何も証明なんかしたくない。ただ私は(200メートル走を)走りたいだけ。なんで証明するとかの話になるんですか? 」
というやりとりが録音されていました。

 誰かが隠し撮りしていたのでしょうか。
 音声提供した匿名のベラルーシの陸上関係者が誰なのか気になります。身元がばれたら、この人も帰国後処分を受けますよ。