<大阪出張したオットに買ってきてもらいました。>
大阪在住時代、
長男も次男もお世話になった幼稚園では、
毎年11月のはじめにバザーが開かれていた。
母親たちはこの日のために
各クラスごとにテーマを決め、
手作りの品々を数か月前から時間をかけて用意する。
子どもたちには、
紙やモール、毛糸や布、どんぐりや木の枝などでつくったおもちゃ。
(小さな手に10円を握りしめて買うコーナーのためにつくります。)
また来園するお客さんには、
トールペイントやシャドーボックス、パッチワークなど、
得意なお母さんに講師になっていただき教わりながらつくった品々を。
「手作りのあたたかさ」を
とっても大切にしているこの幼稚園ならではのステキな一日だ。
そんなバザーの日に
必ず来てお店をだしてくれるのが、「ポン菓子やさん」と「おこわやさん」。
子どもたちに大人気なのは「ポン菓子やさん」だけど、
ママたちが「待ってました!楽しみやわ~。」と喜ぶのが「おこわやさん」だった。
そこで売られるおこわは、
ふっくらとした大豆と昆布の味、そしてカリカリ小梅とのコラボが
とっても美味しいおこわ。
<中はこんな感じです~♪>
みんなこのおこわを、「とん蝶のおこわさん」と呼んでいた。
だから、
私はずいぶんと長いこと
『とん蝶』というお店の「おこわ」だとばっかり思っていた。
ある日、
新大阪駅構内でこの「おこわ」が買える!という情報をきいた私。
帰省の際にぜひとも買って帰ろう~と思い立った。
新幹線乗車までの時間、
当時まだベビーカーに乗っていた次男を連れ、長男の手を引き、
「とん蝶のおこわ」を探す私。
なかなか見つからず、近くにいた人に聞いてみることにした。
「あの~『とん蝶』というお店はどこにあるのでしょうか?」
「知らんな~。」
道行く数人の人に加え、駅構内の売店の人まで知らないという。
そんな・・・。なんで?どうして?
途方に暮れていたそのとき、近くで買い物していたおばさんが、
「それ、『絹笠』のおこわ とちゃう?」
と話しかけてきてくれた。
なんと「とん蝶のおこわさん」は、
『絹笠』という御菓子屋さんがつくっている「とん蝶」という名のおこわだったのだ。
そうだったんですか~。
迷宮入りしそうな謎が解けたかのような解放感に満たされながら
帰省する新幹線の中で食べた「おこわ」の美味しかったこと!
まだ小さかった子どもたちが
列車の中で食べるのに三角おにぎり型のおこわさんは
ちょうどいい食べごろサイズ。
それから「とん蝶のおこわさん」は、
私たちの帰省のお供にかかせない味となった。
あれから何年も経った今でも
オットが大阪出張だときくと、
「とん蝶のおこわさん、買ってきてね。」
あの味が懐かしくて、恋しくて、必ずお願いしてしまう私である。