どこ吹く風

旅のことを主に書く。

治安について

2007年02月04日 14時42分01秒 | エジプト
 エジプトはお巡りさんの姿が多い。観光施設や遺跡にはツーリストポリスにとマークに描かれたお巡りさんが大勢いて目立つ。ルクソール事件があったので観光が国の経済を支える大きな柱なので観光客の身の安全を守る事が国の経済を安定させる事になるので、その方面を強化したのだろう。ツーリストポリスとなっているから交通や刑事とは別部門になっているのだろう。検索すると遺跡を警護する部門は又別組織になっているようだ。詳しい事は知らないが、どの施設も警戒が厳重な様子は分かる。

 遺跡の入場口付近には鉄製の盾の後から機銃を覗かせるようにしたポリスがいる、小高い所の人影もポリスと思われる。これほどのポリスが施設内外に常駐しているとテロは起き難いでしょう。

 また地方のある箇所は外国人の立ち入りが制限されていて、その地点を通過する際は武装警察隊が同行し、観光客の車両が一団となり移動する。私たちのツアーはルクソールとアスワン、アスワンとアブシンベルを移動する時はその隊列に加わった。10数台のバス、ミニバスの隊列だったが少ないとの事、40台も並ぶ時があるそうだ。
先頭の警察車両はぶっ飛ばすので、車間は離ればなれになってしまった。前と後では10Kmは離れただろう。遅い車両は最後尾の警察から早く走るように注意がなされる場合もあるという。

 都市部の観光では、ツアーのバスに私服だが武装したオマワリが同乗する。テロが起きる背景はいろいろあるだろうが、国民の支持を受ける素地があるなら武力による押さえつけでは解決しない、何時までも平穏が続くわけが無い。車窓から見て、ガイドから話を聞いただけの印象では、最低限の食料は価格が安く統制されていて飢える事は無いようだ。問題は社会的公正さと思われる。貧しい階層にはイスラム同胞団という組織が食い込んで一定の支持がある。そのイスラム同胞団の一派がルクソール事件を起こしている、しかし自己批判をしてその影響力を維持しているようにも見える。
 中東問題では独自の道を進むエジプトだが舵取りはたいへんだろう、社会的公正がキーワードと私は感じた。

 観光警察、遺跡警察が独自に設けられた背景を私が妄想する、例の如く妄想なので根拠も何もありません、僅か数日の観光中に思いついただけです。
 第四次中東戦争の戦後処理でエジプトはイスラエルと単独和平条約を結んだ、その結果占領されたシナイ半島が返り、スエズ運河が安全に航行できるようになって経済面では良くなった。しかし条約で兵力が200万人に抑えられ事にもなった。その頃から著しい人口増があり兵役適齢の若者が増えたが軍隊で吸収することが出来ない。そのために兵隊が担ってきたある部分を警察に委譲しその部署の人員・組織を大幅に増やしたのではなかろうか。
これは私の妄想です、他所でしゃべって恥を掻いても責任は持てません。

写真説明:村への不審者侵入を警戒する様子、写真を撮ってはいけないと言われたので、バスの中から写した。