どこ吹く風

旅のことを主に書く。

アザーン

2007年02月10日 08時04分51秒 | エジプト
 夜明け前ミナレット(イスラム寺院の尖塔)に取り付けられた拡声器から抑揚のある声が聞こえてくる、これをアザーンと言うそうだイスラムの国に来たと実感する。
未だ暗いのに眠気を覚ます大音量で、あちらこちらのミナレットからアザーンが聞こえてくる。お互いの声が重なるが合唱のように調和している、コーランの一説を読んでいるのか、”もうお祈りの時間が来たよ、寺院に集まってともにアッラーに祈ろう!"とただ呼びかけているのか、張のある声の二重唱三重唱が心地好くベッドに響いてきた。

 一斉に呼びかけるのではなく時間差がある、輪唱ように声が後追いしそれが二重唱三重唱に重なるところがおもしろい。近くのミナレットのは大きく遠くから流れてくる声はバックコーラスのようにその声を引き立てている。街にモスクは数多く見られるので次々とコーラスの輪は広がっていくのだろう。
 イチバンに声を上げるのは担当者が朝起きした順番というより寺院の格もあるだろう。隣のモスクのアザーンを邪魔せずに自分たちの呼びかけをしそれが調和して流れるタイミングを理解しているようだ。
ホテルの隣がモスクでなければモーニングコールよりも風情がある。静かにひんやりした街並みに流れるアザーンは好いものです。

 金曜日はイスラム教の休日でモスクに出かけてお祈りするとのこと。通りに散歩に出かけた問い路地を封鎖するようにシートやゴザが敷かれている、モスクに入れない人たちのために特別席が設けられている。トルコではお祈り用の敷物を持った人が多々見られたがエジプトではさほど多くなかった。
時間になると集まり始めて大勢の人が流れてくる話に耳を傾け、立ったり坐ったりして祈っている。ミレーの晩鐘も祈りの姿として良いが、街中で路上に座って祈る姿も圧巻だ。
イスラム教徒は1日5回のお祈りがあるそうだ。日の出前、正午、日が落ちる前・・・それに・・忘れた。ホテルの廊下の隅で独りで祈る姿も見た、列車の通路で祈っている車掌もいた、神に向き合う姿は写真を撮るのも憚られるほどの力がある。
聖書は旧約・新約とも一応目を通したことがある。コーランは未だ無い、機会があったら読んでみようと思う。旧約聖書のようにおもしろい物語なのか。アッラーアクバルと叫びながら銃を乱射する気持ちが分かるようになるか・・・

写真説明:街角のモスクに入れず路上で祈る人たち