イメージパース:by 松永鉄快建築事務所
何時頃からなんでしょうか?!
新築棟数が景気のバロメーターを示すようになったのは?
確かに、戦後の20世紀の後半は、国民皆中流階級を目指して、
国家を挙げて庭付き一戸建て住宅供給が急務でした、マイホームの大量生産時代です。
もうそんな時代は今世紀に入る前に終わったと思います。
では新しい家づくりとは・・・!?
その考察を、私なりに少しづつ進めてみようと思います。
第一弾は、軒・庇 の復活です。
昨今の特に洋風と称する家から深い軒が消えて久しくなりました。
シンプルモダンと称される流行のスタイルでは、屋根を片流れにする事で、
軒はおろか壁の面積がやたらと増えたようです。
今は耐久性の強い(!?)工業製品(外壁サイディング)を施工すると外壁の
メンテナンスがとても楽になりました。
でも、昭和以前の家の外壁の様に、漆喰や焼杉板などの自然素材は、風雨から
その美観を守る為、深い軒・庇をしっかりと設けることである程度保護が効きます。
結果的には、庇や軒は建物から雨を防ぐだけではなく、住まいに夏の日陰を作りました。
また、日本の原風景としてイメージされる ”甍” が折り重なる様な日本独特の景観を
生み出します。
庇 って、なんでそんなに日本の住まいから嫌われたんでしょうか?
屁 って漢字に似ているから???
間違いなく庇や軒は、日本建築の一つの文化的要素であります。
是非もう一度、庇を見直した建築や住まいを考えて行こうと思います。