天皇のルーツを探る旅

2011-11-22 | 読書三昧

 

 

 

    『古事記』そして『日本書記』、書かれている神話の三割以上の舞台が出雲である。

    自他共に認める地上の総元締はオオクニヌシという大貫禄の神で、鎮座ましまして

    いるのが出雲大社である。さらにはスサノオと八岐大蛇、黄泉の国への入口海岸、

    因幡の白兎海岸など神話のディズニーランドである。

 

    ぞくぞくするのは出雲自体の謎だ。これだけの神話のご贔屓筋にも係らず、その後

    なぜかぱっとしない。いやむしろ蔑ろにされている。蔑ろにしたのはヤマト政権、

    そう天皇である。

 

    『日本書記』では早くも「山陰」などと日陰者のように蔑み、それからずっと「裏」と

    いう暗いレッテルを貼っている。かつて歴史家の中には、出雲と云うのは神話だけ

    の国で、実際には存在しなかったなどと、べったりと墨で塗り潰した輩もいたくらいで

    長い間不当すぎる扱いに甘んじてきたのである。

 

    その背景に何があったのか?