この前 二度見した映画
どう書こうか考えているうちに日が過ぎて
別の映画が先になった
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パンフレットを隅から隅まで読んだから
パンフレットの受け売りを
書くこともできるけど
自分が見た感想を書こうと思う
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ヴィオレット・ルデュック
ボーヴォワールに才能を見出された作家
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自分のことを 醜い と思っていて
何かにつけて それを口に出す
私が醜いから 愛せないんでしょ!
といった具合に
付け鼻して醜い女を演じる
エマニュエル・ドゥヴォス
最初は醜いとは思えなかったのが
だんだん醜く見えてきた
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たぶん
顔がというよりは やることが
醜いというか 猛烈だからだ
同性愛者の男性に
ぐいぐい迫っていったり
ボーヴォワールの留守宅に
本当はいるんでしょうと押しかけていったり
私生児として自分を生んだ母親に
習慣的に詰め寄ったり
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ヴィオレットと対照的に
ボーヴォワールは
いつもきりりとしていて理性的
洗練された雰囲気を漂わせている
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両性愛者のヴィオレットは
ボーヴォワールにも ぐいぐい迫って
ついには その思いのたけを小説にする
題名は 飢えた女
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ヴィオレットとボーヴォワールの
好きな場面がある
映画の中で
ヴィオレットはボーヴォワールに
2度 花を贈る
2度目の時 すでにボーヴォワールは
ヴィオレットの思いを
うっとうしく思っているのだけど
花束(カラーか何か 茎のまっすぐな花をぎっしりくくった束)を
ぐいと差し出されて
突っ返すでもなく さっと受け取って
部屋を横切っていく
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きっとそのあとは
ごみ箱ではなく 水を張ったバケツの中に
放り込んだはずだ
というのは私の想像だけど
その場面は
ヴィオレットとボーヴォワールの関係を
象徴しているように思う
ボーヴォワールは
まるでストーカーのように
つきまとうヴィオレットを疎ましく思いながら
その才能を誰よりも認め
ひそかに生活費の援助までして
ヴィオレットに書くことを続けさせた
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40歳を過ぎて
自分には何もない
恋愛もない
孤独しかない
そうわめき散らしていたヴィオレットが
なおも書き続け
得たものは…
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solitude (ソリチュード)
フランス語で孤独をそう言うのだと
この映画を見て知った
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ヴィオレットの行動を見ていて
自分にも思いあたることがある
私にとってのボーヴォワール
憧れの人
ヴィオレットと違って
思いを伝えるつもりはなかった
恋心には気付くまいと たかをくくっていたら
とっくに気付かれていた
好きという気持ちを 止められず
その人のためにと することのすべてが
いつからか その人の負担でしかなくなり
彼女のために最後に私ができたのは
もう何もしないことだった
どう書こうか考えているうちに日が過ぎて
別の映画が先になった
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パンフレットを隅から隅まで読んだから
パンフレットの受け売りを
書くこともできるけど
自分が見た感想を書こうと思う
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ヴィオレット・ルデュック
ボーヴォワールに才能を見出された作家
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自分のことを 醜い と思っていて
何かにつけて それを口に出す
私が醜いから 愛せないんでしょ!
といった具合に
付け鼻して醜い女を演じる
エマニュエル・ドゥヴォス
最初は醜いとは思えなかったのが
だんだん醜く見えてきた
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たぶん
顔がというよりは やることが
醜いというか 猛烈だからだ
同性愛者の男性に
ぐいぐい迫っていったり
ボーヴォワールの留守宅に
本当はいるんでしょうと押しかけていったり
私生児として自分を生んだ母親に
習慣的に詰め寄ったり
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ヴィオレットと対照的に
ボーヴォワールは
いつもきりりとしていて理性的
洗練された雰囲気を漂わせている
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両性愛者のヴィオレットは
ボーヴォワールにも ぐいぐい迫って
ついには その思いのたけを小説にする
題名は 飢えた女
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ヴィオレットとボーヴォワールの
好きな場面がある
映画の中で
ヴィオレットはボーヴォワールに
2度 花を贈る
2度目の時 すでにボーヴォワールは
ヴィオレットの思いを
うっとうしく思っているのだけど
花束(カラーか何か 茎のまっすぐな花をぎっしりくくった束)を
ぐいと差し出されて
突っ返すでもなく さっと受け取って
部屋を横切っていく
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きっとそのあとは
ごみ箱ではなく 水を張ったバケツの中に
放り込んだはずだ
というのは私の想像だけど
その場面は
ヴィオレットとボーヴォワールの関係を
象徴しているように思う
ボーヴォワールは
まるでストーカーのように
つきまとうヴィオレットを疎ましく思いながら
その才能を誰よりも認め
ひそかに生活費の援助までして
ヴィオレットに書くことを続けさせた
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40歳を過ぎて
自分には何もない
恋愛もない
孤独しかない
そうわめき散らしていたヴィオレットが
なおも書き続け
得たものは…
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solitude (ソリチュード)
フランス語で孤独をそう言うのだと
この映画を見て知った
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ヴィオレットの行動を見ていて
自分にも思いあたることがある
私にとってのボーヴォワール
憧れの人
ヴィオレットと違って
思いを伝えるつもりはなかった
恋心には気付くまいと たかをくくっていたら
とっくに気付かれていた
好きという気持ちを 止められず
その人のためにと することのすべてが
いつからか その人の負担でしかなくなり
彼女のために最後に私ができたのは
もう何もしないことだった