日曜絵かきは楽しくて孤独 青空に誘われてつい散歩に
“ドゥスモン、ドゥスモン(ゆっくり、ゆっくり)”
物干し竿を買ったら 短かかった
返品して買い直したけど
窓と竿が近くて
風に揺れて コツンコツン
干したものが 窓に当たる
しかたがないから 中へ引っ込めた
前は余裕で干せたんだけどな
さて どうやって干そう
片付けの進まないカオスの部屋で
試行錯誤の毎日
先週の金曜日に消えた帽子
落としたか置き忘れたかしたと思われる場所に
問い合わせてみたけど
なかった
もう かえってこないんだな
あたまがさむいから
冬のセールで 新しいのを買った
come back to me
ひょっこり
かえってきてくれるといいんだけどな
また一緒に 冬の散歩道を歩こうよ
古いカオスは収束に向かい
今は新たなカオスの中
引っ越したはじめの日いうと
思い出す映画がある
トーチソングトリロジー
アーノルドとアランのカップルが
新居に移った日
アーノルドは寝床を整え
アランは食料の買い出しに行く
シャンパンも忘れないでね
とアーノルドが声をかけ
手をあげてこたえたアランは
そのまま戻らなかった
ホモフォビアの暴徒に襲われた
そんな映画のシーンを思い出しながら
私もまず寝床を確保し
スーパーへビールとお惣菜を買いに行った
いつかの探しものは
部屋だった
引っ越しが終わるのを
待ってくれていたかのように
夜になって雨が降りだした
時間に隙間ができたので
ここしばらく行けてなかった散歩道へ
空青いなあ
風が吹いて
白い綿帽子が飛んだ
飛んでけ飛んでけ
冬のバラ
枯れ色の季節に色を添える
奥の庭では、バラの剪定の真っ最中
アーチもすっきり
スーパーで見つけた スペクタービール
部屋のカオス 収束間近
もうひと晩だけ ここで寝る
帽子をなくした あたまがさむい
耳あて付きのキャップで
冬 自転車に乗る時や 散歩の時に
重宝してたのに
ちゃんと顔出していけ ってことなのか
ちょっと大きくて 顔を隠すような感じだったから
ずっと考えていたことを 今日 実行した
手続きを終えて建物を出た時
いつもならすぐに帽子をかぶるのに
風が清々しく感じられて かぶらなかった
そうして後になって帽子を探すと
入れたはずのカバンの中の どこにもなかった
たしかに入れたはずなのに
新たなひとり旅のはじまり