行田市は蓮の自生する付近を 「古代蓮の里」 として、整備し公園として一般公開しました。
平成4年から平成12年まで長期にわたり公園としての各種設備が順次建てられてきました。
ふるさと創生事業 の一環として、市の天然記念物“古代蓮” をシンボルとする公園が完成したのです。
公園の面積は、14ヘクタールで東京ドーム約3個分の広さに 古代蓮池、世界の蓮園、水生植物園、水鳥の池 あずまや、トイレ、駐車場、古代蓮会館、売店およびうどん店、作業棟、牡丹園、釣掘、冒険遊び場、見晴らしの丘、お花見広場、梅林、ロウバイ、ホタルの里などがあります。
さて 行田蓮(古代蓮)は原始的な形態を持ち 1400年 ~ 3000年前の蓮であると言われています。
◆行田市指定天然記念物 行田蓮(古代蓮)◆
古代蓮の里にほど近い公共施設建設工事の際に、偶然出土した種子が自然発芽し甦り、池に開花しているのが発見されました。 1973年(昭和48年)のことです。
地中深く眠っていた多くの蓮の実が出土し、自然発芽して一斉に開花した事は極めて珍しいことといわれています。 古代蓮の里では、自生地から移植した古代蓮を育てており、可憐な古えの花を楽しめます。
◆蓮の資料館◆
園内にそびえたつタワーが目印の古代蓮会館です。蓮の花のイメージがタワーのデザインに表現されています。
平成13年4月、公園内にオープンした古代蓮会館は、ジオラマや大スクリーン映像が楽しめる体験型施設です。 1階展示室では、蓮に関する様々な資料を展示しており、一年中古代蓮の魅力を楽しむことができます。
また、行田の自然も紹介しています。2階展望室では、地上50メートルから大パノラマを望むことができ、関東平野を取り囲む山々も眺められます。 これがタワーに上ってみた眼下の景観です。
眼下に田んぼの稲を使った田んぼアートが見えます。 今年のアートは「のぼうの城」。秀吉が陥落させることが出来なかった城だとか。
東洋産は紅蓮系統、アメリカ産は黄蓮系統 2系統が交配され新種が続出しているようですが、42種類の蓮の花のうち 印象に残る 一部をご紹介します。
12 誠蓮:紅蓮系統 普通 八重 花弁 120枚前後 花色は鮮やかなピンク。お盆の切花用として栽培されている。品種登録第1号の蓮。
17 明光蓮:紅蓮系統 普通 一重 花弁 16~20枚 花色は濃いピンクで、花弁基部にわずかに黄色が見られ退色は遅く、3~4日目に淡いピンク色となる。蜀紅蓮と舞妃蓮の交雑品種。1971年阪本祐二氏作出。
16 舞妃蓮: 黄紅蓮系統 大型 一重 花弁 20~25枚 花色は淡黄色のボカシに淡紅色が入る。黄蓮系統の王子蓮と大賀蓮との交雑品種。1966年阪本祐二氏作出。
18 大賀蓮:紅蓮系統 大型 一重 花弁 14枚~18枚 花色は鮮やかなピンク色・1951年、大賀一郎博士が発掘した実より咲いた花。千葉県指定天然記念物。
15 王子蓮: 黄紅蓮系統 大型 一重 花弁 24~26枚 花色は淡黄のクリーム色。アメリカ産の王子蓮(黄蓮系統)と東洋産の紅蓮系統との交雑品種。
20 中国古代蓮:一重 花弁 24~26枚 花弁はやや細く、花色はピンクで条線は不鮮明。花径は26cm程度。淡紅色で、花容は非常に優雅。
19 インド蓮:爪紅蓮系統 普通 一重 インドのプラカシュ・シャー駐日大使が行田市の古代蓮の自生地を訪れた際に贈られた種子から開花した蓮。
35 ヴァージニア蓮:一重 花弁 22~26枚 花径は14~20cmの中・小型のキバナバス系。花色は花バスの中で最も濃い黄色。
6 瑞光蓮:爪紅蓮系統 普通 一重 花弁 14~18枚 花色は白い地にピンク色の爪紅となる。開花初日はピンク色が比較的濃く、その後後退し白粉の様な白さとなる。
古代蓮の里の41種類の花蓮の中に、新しい蓮甲斐姫が加わりました。
甲斐姫は、「成田記」に登場する忍城主成田氏長(うじなが)の娘で、1590年に石田三成軍が忍城を水攻めした際に城を守って奮戦したと伝えられる姫です。
42.甲斐姫: 花色は、行田蓮の紅色とアメリカ黄蓮の中間の黄紅色(おうこうしょく)、葉の緑の波は行田蓮(母親)に似ており、葉色も緑が濃く育成が旺盛。花弁数は、18~22枚の一重咲き、花径は22~25cmの大花型。
1日目の開花は、上面が4~5cmまで開き、そして閉じる。花色はやや濃い黄紅色。
2日目の花色は鮮やかになり、紅色の中に、黄色が感じられ、黄紅色の特徴がよく表れている。
3日目にも退色がそれほど進まず、2日目同様きれいな花色が維持されている。
4日目開花時は退色が進み、紅色が薄くなる。その後、花は散る。
甲斐姫に限らず 蓮の花の命は四日間です。
平成13年の花蓮開花期中来園者は19万人 平成21年は14万人。
開花時間が午前中になるためか、減少傾向が少し気になるところですが.....。
今日もお立ち寄りいただいて有難うございました。
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注)ブログ記事のうち古代蓮詳細については古代蓮会館HPから抜粋したものです。