丼季報亭「8万時間の休息」

旅の記録や季節の便りそれに日々の思いを軽いトーンで綴ってみました。

144. 映画「落語娘」を見て

2008-09-05 12:18:22 | 芸能・映画・音楽
       144. 映画「落語娘」を見て

 「落語娘」は新鋭作家・永田俊也の同名小説を原作に、呪われた噺(はなし)に挑むことになった異端の師匠と、その弟子である女前座の奮闘をユーモラスに描いた人間ドラマです。『櫻の園』の中原俊が監督を務め、落語に己の思いをかける人間たちの愛と情熱を映し出します。
 ヒロインの女前座には『着信アリ
2』のミムラ、彼女の師匠役に『寝ずの番』で初監督を果たしたベテラン津川雅彦。共演には益岡徹、落語家の春風亭昇太らがそろい、笑いと涙の物語を盛り上げます。(シネマトゥデイ)
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あらすじ: 念願の落語の世界に飛び込んだ香須美(ミムラ)は、女というハンデに加え師匠は落語界の問題児であったが、逆風にもまれながら女前座として日々奮闘していた。ある日師匠の平佐(津川雅彦)が突然、呪われた噺(はなし)「緋扇長屋」に挑むと宣言。周囲が騒然とする中、心配する香須美は信念を曲げようとしない師匠の心に共感していくという話です。(シネマトゥデイ)
  見終わってほっとするし、笑える面白い作品です。主人公の女前座香須美(ミムラ)と 破天荒な師匠の平佐(津川雅彦)のやりとり、テンポの良いストーリー展開に知らず知らず引きずりこまれていきます。 落語好きな新鋭作家が 噺に命が宿ると言う着想に展開しぐいぐい引きずり込んでいきます。

 「四谷怪談」など 舞台や映画で 演じると関係者にいろいろな災いが起こったとか 伝えられています。 なんとなく本当にありそうな話ですが、そんな点をヒントにしたのかなあ とも思いました。
 師匠の平佐の高座は見ごたえがあり、役者とはいえ よくぞここまで 演じるものだと感心します。さすがに監督としても評価されている役者さんですね。 熱の入った 玄人受けしそうな唸らせる演技です。 命をかけての高座のシーンと劇中劇は落語好きにはたまらないですねえ。
 公開後のインタビューで 女前座香須美役のミムラ(美村 里江   女優 、エッセイスト  )
も言っていますが、アウトローな感じなのに品のよさが欠けないし、ウイットに富んでいてキュートだし、かっこいいのです。 自分の持っている魅力をどの役柄にも当てはめてオールマイティーで使えるというのはすごいと共演者を感心させた名演技です。                     

 主人公の女前座香須美の落語もけいこをつけた師匠(柳家喬太郎)が忙しくて、5回しか 教わらなかったといいますが どうしてどうして たいしたものです。



 どんなに虐げられても、自分の夢に向かってまい進していく香須美を元気いっぱいに演じたミムラ 見ていて思わず「頑張れよ」と声をかけたくなります。香須美が公園で老夫婦や家族連れを相手に 寿限夢を稽古するシーンなどは 充分笑えますね。

 さて浪曲や講談の世界では女流名人は出ているのですが、特に若い娘さんには 渋さが売りの古典の一節は無理があるような気がします。

 私見ですが、古典落語はやはり女性には難しい部分があります。 演じるのを見ていて可愛くなってしまって、視点がずれていくような気になってしまうのです。


  それにしても こんな作品でも観客は20人足らずのがらがら状態。 とても残念ですね。でもこの作品は あまり宣伝もしていないし マスメディアもあまり取り上げませんが はっきり言って秀作です。 

私なら5つ星をあげても良い作品だと思いました。

今日もお立ち寄りいただいて有難うございます。
 文句なしに お薦めの一本です。時間があればお出かけください。



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