勝五十六の日本戦略論

この危機を機に、少しずつ、日本戦略論と今回の政府の対応の遅れを海外から見た視点で、書いていく予定です

日本人をやめる方法3 日本人をやめられますか?

2021-09-14 06:16:02 | 日記
前回の「日本人をやめる方法」のフォローアップ作品。1993年の著作だが、現在でも日本人論としては素晴らしい著書。作者が、日本人として、アメリカ、オーストラリアで長く暮らし、またお子さんたち幾つか異文化で成長するのを見てこられた経験が大きいのだろう。

これまで、アメリカ、中国、現在タイ身を置き、異文化越境し、アメリカ、中国、日本での育った子供たちを見てきた。更に30年以上変な(変な外人)アメリカ人と一緒に生活してきた。(結婚して35年)

もう30年以上前だが大学院時代、国際キリスト教大学(ICU)で初めて耳にした言葉が、「変ジャパ」。「変ジャパ」は日本生まれだけれども外国生活が長くて普通の日本人からしたら「変」になってしまった日本人。「ノンジャパ」はただの外人。

現在では、ICUで「純ジャパ」、「半ジャパ」、「変ジャパ」、「ノンジャパ」と学生を区別しているらしい。「純ジャパ」は日本生まれで日本育ちの「純粋」な日本人。「半ジャパ」は言葉どおり親の片方が日本人であるハーフ。「ノンジャパ」は外国人。

学部は青山学院大学の英文科だったが、クラスには、帰国子女が多く、変ジャパがたくさんいた。英語がアメリカ人やイギリス人と変わらないほど話せるだけなく、思考や行動洋式も日本人ではなかった。大学時代長く付き合った女性友達は、ロンドン生まれでアルゼンチン育ちで、英語、スペイン語、日本語を母国語並に操るトライリンガルだった。

純ジャパの小生は、田舎育ちで外国に行ったこともなく、変ジャパンとくれべて、小生の英語は、小学生程度だった。ただラッキーだったのは、水戸のユニテリアン教会で、英語の討論のグループがあり、青山学院の英文学のイギリス人Ken先生が討論会に月一回来られた。偶然青山学院に入学して、4年間お世話になった。高校生だったが、英語が好きで英語がかなり話せた。でも大学で変ジャパたちを見て、自分の英語がまだ小学生並みだと悟った。

うちの娘は、英語と中国語を母国語として話すが、日本語は母国語レベルではない。香港生まれで、20年近く中国に住み、インターナショナルスクールに通った。日本に住んだのは、5年間。その間はアメリカンスクールへ通った。

息子は、英語が母国語。日本語は聞いてわかるが、あまり話さない。北京語は中国人並みに話す。

言語は、単なる言葉ではなく、言葉以外の行動様式、文化など色々な要素が含まれている。

外国語が習得が中途半端だと、外国語を話すと人柄が変わる人も見てきた。外国語に行動様式や人柄まで操られている。言葉は、言葉だけではない。


著者の杉本氏は、生まれ育った国を永住地とせず、国境を飛び越えて、違った国の社会や文化の中で暮らしを立てる人間を「越境人間」呼ぶ。その共通点は、国家機構への不信感や懐疑心、少数民族への共鳴、国際間の不平等への共鳴を挙げている。

越境日本人は、変ジャパなんですね。