最近香港の人(欧米人や香港人)に経済問題で取材する機会があった。大手企業のトップでもプロフェショナルでも皆香港の問題になると口が重い。中国の国家安全法が施行され、ほぼ中国化して、言論の自由がないことをつくずく感じた。敏感な政治問題でなく、香港とシンガポールの競争力に関する取材だ。
香港はもう元には戻れない。
中国本土の方が言論の自由は香港よりあるのかもしれない。1981年から1983年香港中文大学と香港大学に留学した。あの頃は英国の植民地で、1997年に中国への返還交渉はまだ始まっていなかった。でも香港人の植民地から独立するような気概は感じなかった。学生や大学の先生を話しても香港独立論は相手にされなかった。
やはり1980年代から1997年の中国返還までに香港の独立を求めるリーダーが不在だった。植民地主義から抜け出せ無かった。彼らの親は中国から逃げて来た人達。
今のウクライナは何度もロシヤと戦い、今も独立をかけて戦っている。香港はもともと中国の領土であったが、イギリスに植民地化された当時独立などは考えていなかった。1981年にタクシーのストライキがあったのを覚えている。植民地根性はなかなか取れない。人任せで自分でやる気がない。
今の中国政府は嫌いだが、中国本土の共産党は、欧米列強、日本に攻め込まれて
独立を勝ち取り、軍事的にも独立国になっている。ただ中国の現政権はロシヤと同じ専制君主国家に近い。
領土問題が難しいのが、歴史のどの時代に遡って領土問題を議論するかだ。
小生の日本思想史の師匠は、小生に日本の北方領土問題から日本戦略論を考えるように提案した。
日本も今も米軍の基地があり、アメリカの核の傘のしたにあり完全な独立国ではない。嫌他人事ではない。自国は自分達で守るのが大事だ。
坂本龍馬や勝海舟は今の日本をみてどう思っているだろうか。