新潟久紀ブログ版retrospective

新潟独り暮らし時代25「普通乗用車運転免許の取得」

●普通乗用車運転免許の取得

 大学1年生の初夏、一般教養課程の地理学か何かの授業で教授曰く「新潟大学では一年生の殆どが夏休みを運転免許取得に費やしてしまう。嘆かわしい。受験を終えて伸びやかに自由活動できる千載一遇のこの期を、もっとアカデミックに活かして欲しい」。それは無理というものだ。新潟においては自動車免許は自由な生活の必須アイテムなのだから。
 というわけでご多分に漏れず、私も大学一年生の夏休みに自動車教習所に通うことに。当時は決まったバイトが週一回の家庭教師くらいだったので、それは都度原付バイクで新潟市と往復することにして、夏休み中の生活費等の便宜も考えて、実家を拠点として一ヶ月間、柏崎自動車学校に通うことにした。
 行動を同様にする地元出身の同い年などと遊べる機会にもなるかと思っていたが、毎日のように通い詰める数週間の中に知り合いは皆無であり、自分は夏休みでも社会人には勤めがある平日なので、一緒に受講するのは実業系の高校3年生と思しき男女や家事手伝い風の女性くらいだった。
 基本的な座学を終えると思いのほか実車に乗らせて貰うのは早かったと思う。番号札で割り当てられた車庫の所に行くと、角刈りで銀縁眼鏡のいかにも厳しげな中年男性が私の担当だと声を掛けてきた。よく指導者教習所のマンガに出てくるような見かけと態度だったので内心吹き出しそうになるが、先ずは真面目で従順な態度を貫かねばなるまい。
 教習車は日産セドリックの黒いセダン。今から思うと小ぶりな5ナンバーサイズでしかないのだが、今のように3ナンバーサイズの自家用車が増える前では大きな車体に思える方だった。箱形でボンネットも高い位置で先端まで伸びていたりして死角が多いなど初心者が扱うには難しい車体だったと思う。
 幼少の頃から父親の車に乗り慣れていて自分も出来るような気になっていたが、車幅感覚とか死角への注意などは、やはり習うより慣れろというものだ。S字やクランクなど定番のプロセスでは人並みに補習のハンコを頂いたが、日程を詰めずにのんびりやっていたので、卒業検定が夏休みももう終わりの頃になってしまった。
 9月から大学生活に戻ると、夏前に授業もややサボり気味だったので前期試験の準備、といっても学友からノートを借りて写してにわか仕込みをしたりなのだが、加えてサークル活動やらバイトやらで立て込んでいるうちに冬を迎えてしまった。呑気に構えていたら運転免許試験の有効期限は半年ということに改めて気付き大慌てだ。
 そんな訳で教習場卒業資格の有効期限ギリギリのタイミングで学科試験に臨む。新潟市内の試験場に馴染みがなかったので、地元柏崎市に最寄りの柿崎町(現・上越市)で受験。既に積雪もあったので原チャリを使えず、最寄りJR駅から雪降る遠路をとぼとぼ歩いたものだ。足を滑らしたりつかえたりさせる雪の恨めしいことよ。
 一発で合格しなければ、自動車教習所の卒業資格が無効になるという緊張感。雪舞う寒い1月に選択式問題へ頭を悩ませるとは、正に1年前の共通一次試験の再来だ。出来の悪かった共通一次が不吉にも思い出されたが…。試験後、不安な気持ちで暫く待機した後の発表は「合格」。そぼ降る雪道も足取り軽く帰れたのだ。

(「新潟独り暮らし時代25「普通乗用車運転免許の取得」」終わり。仕事遍歴を少し離れた独り暮らし時代の思い出話「新潟独り暮らし時代26「映画クラブイベント宣伝(その1)」」に続きます。)
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