新潟久紀ブログ版retrospective

柏崎中学生時代14「生徒会で迷惑かける」

●生徒会で迷惑かける

 頭の出来が悪い癖に所属する集まりの中心にどういうわけか首を突っ込みたくなるのが子供時代の私の短所だったように思い返す。短所とするのは須らく結果が上手くいっていないからだ。
 柏崎市立比角小学校時代には、担任の信頼を得て生徒会長選出のための選挙管理委員長を拝命するも、そのメインの舞台となる全校生徒を前にした挨拶において、アドリブでなんとかなるだろうという妙な自身により準備を怠ったことで、中身がない上にしどろもどろの状態になってしまい、担任を大いに落胆させ、その後は表舞台に立つような役割は厳禁とまで言い渡された。
 自分の才覚の低さを心得て、わきまえた態度をとるべきところ、特に調子こいている訳でも厚顔無恥ということでもないと思うのだが、何か集団としての事案があるとなんとなく前に出てしまい、イニシアチブを取るような役に就いてしまっては周囲を落胆させる程度の出来栄えに終わり、自分自身もがっかりしてしまう。学級委員長を毎学年で担うなど、小学時代はそんなことを懲りずに繰り返してきたようだ。
 その反省から、柏崎市立第二中学校に進学してからは、ハードな部活に振り回されてい日々ヘトヘトということもあったのだが、最初のうちはとにかく低姿勢で日々目立たぬように学校生活を送っていたように思う。市街地郊外にある別の小学校を卒業した級友たちの勢いや迫力に押されて声を上げづらいという雰囲気でもあった。
 ところが悪い癖が出たのか、どんな経緯であったか詳しくは思い出せないのであるが、第二中学校生徒会「むつみ会」の役員に入ってしまう。
 どの学校でも生徒会といえば、学業やスポーツでの成績が優秀であったり容姿や人当たりが良くて人気者であるなど、その集団の中で認知度や注目度が高く、加えて一定の自治を預ける観点から教諭陣からも信頼を置かれているような、選りすぐりの生徒達で構成されるものではあるまいか。
 中学時代を振り返ろうと久々に卒業アルバムを見ていると、生徒会長や各種委員会の面々は、成績優秀な女子や水泳などで活躍して大人びた男子など同学年の生徒の誰もが知る人達であり、自分はどう考えても分不相応で見劣りするようにしか思えない。その私が生徒会の議長になっていたことに我ながら少し驚いた。
 議長であったことはもとより、都度の生徒会をどのように進行していたのかは全く思い出せない。比較的温厚な性格の生徒が多かった柏崎市立第二中学校だったので、私のたどたどしい進行でも皆の寛容により助けられていたのかもしれない。
 ホンワカとそんなことを考えて、アルバムで副議長だった女子の顔を見たら、彼女とのやりとりを思い出して少し戦慄した。
 彼女から私は、会議が終わる都度、進行の下手さや発言の考えの無さなどについて厳しく叱責されていたことを鮮明に思い出した。具体の指摘内容はさすがに覚えてはいないが、散々な言われようだったことだけは深層心理にこびりついている。
 思い返すと彼女は学年でもトップクラスの成績の上に人当たりも良く、教諭や生徒問わずに大勢から好かれ慕われていた人だ。そんな彼女にキツイ言葉遣いをさせるのだから私の体たらくぶりは尋常ではなかったのだろう。私の至らなさを彼女がフォローすることで会議が進行していたに違いない。私は人任せだったから記憶に何も残っていないのだ。
 彼女の能力の高さは明確だったはずなのに男子の私が議長、女子の彼女が副議長。今から思えば昭和時代の封建制に対しても彼女は怒っていたように思える。
 卒業から30年後に同窓会が開かれて彼女と話す機会があり、当時迷惑かけたことを陳謝した。長い年月で水に流してくれていたかと思いきや、彼女は「ほんとあなたには迷惑かけられっぱなしだったわ」とつい昨日の事のように容赦ない。
 そんな”しょっぱい”戒めの思い出は、今日に至る仕事組織内で”控えるべきか出るべきか”などの振る舞いの判断に少しは活かされてきたのだと思う。

(「柏崎中学生時代14「生徒会で迷惑かける」」終わり。続きは近く掲載します。)
小学生時代までの「柏崎こども時代」(全46話)はこちら
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