●映画クラブイベント宣伝(その3)
昭和59年秋の土曜のお昼時。ローカルテレビ局制作の生放送番組「土曜はヨイショ」が賑やかにスタート。司会者から「本日のスタジオ観客として新潟大学映画クラブの皆さんです」と紹介されると、集まった学友たちは鳴り物のような元気で大きな声をあげた。当日の段取りとして事前に教えられていたのは、番組冒頭でのこの紹介と、我々の目的である学祭での自主上映会の宣伝のタイミングと尺など最低限度のものだったので、番組がどのように進んでいくかが楽しみでもあった。
ゲストの一番手はなんと「早野凡平」さん。黒いフエルトの"ホンジャマカ帽"を取り出すと、様々に形を変えて有名人の姿の特徴に見立てては、「牧師」、「スチュワーデス」、「ナポレオン」、「カウボーイ」、「ローマ法王」、「鞍馬天狗」などを次々と繰り出すので、観客の我々は大爆笑。テレビ番組などでの演芸は年寄りか年輩の人の楽しみと気にもとめていなかったが、間近で観ると大興奮の面白さ。オーディエンスの中で気分が上がるというのもあるかもしれない。演芸をライブで見に行く若い人の気持ちがわかる気がした。
続いてのゲストも、なんと「橋幸夫」さんなのでぴっくり。こんな大物歌手が新潟のような地方の、しかもローカル局制作番組に足を運んでくれるのかと驚いた。女性歌手を従えていて、発売したばかりのデュエット曲「今夜は離さない」の宣伝活動として訪れたことがわかると、地方行脚も頷けるというものだった。
私か言うのもおこがましいが、橋幸夫さんご本人はもとより私が全く知らない安倍里葎子という歌手も素晴らしい歌声なので驚いた。新人演歌歌手の売り出しのために、いわゆるバーター企画で橋幸夫さん連れ回しているのとは違うようだ。後から知ったのであるが、不倫騒動で歌謡メディア界から干されていた安倍里葎子さんを、橋幸夫さんがその実力を評価してデュエット相手に抜擢したらしい。
何かコメディアスにイジられることもある橋幸夫さんであるが、極めて真摯な方なのであろう。最前列の私が親しみを込めて橋幸夫さんの軽く首をかしげながら口をとがらして歌う例のジェスチャーをしてみせると、目があった時に少し睨まれたものだ。若気の至りで調子に乗って真剣勝負で歌う橋幸夫さんに大いに失礼なことをしてしまった。しばらくは反省しきりだった。
なお、この時のデュエット曲は結構なヒットとなったのであるが、安倍里葎子さんはそんな恩人である橋幸夫さんに義理を欠いて事務所を辞めたりして一悶着起こし、何十年と経ってから橋幸夫さんとテレビ番組企画でなんとか和解したという。良くも悪くもお騒がせ気質が芸能人たる素質なのかもしれない。
豪華なゲストにバラエティ番組にありがちな視聴者参加のゲームなど展開されていくとあっという間に我が映画クラブの出番の時間がやってきて、テレビ映りの良さと物怖じしない度胸で選抜された女子学生数人が自主映画祭の宣伝を明るく楽しげに話すことができた。この舞台を仕掛けた私としては事故なく終わって一安心。あれよあれよで生放送「土曜はヨイショ」の約一時間は感激と興奮の中であっという間に過ぎたのだ。
ちなみに、この時に宣伝役をこなした女子学生は、その後に全国ネットのあの伝説の高視聴率番組「巨泉のクイズダービー」の素人参加回答者にまで出演して、名物レギュラー解答者の篠沢教授に番組内で「美人だ美人だ」と言わしめたお方。彼女とは映画クラブの8ミリ自主制作映画で共演もしたのですが、今はどうしているやら…。
ゲストの一番手はなんと「早野凡平」さん。黒いフエルトの"ホンジャマカ帽"を取り出すと、様々に形を変えて有名人の姿の特徴に見立てては、「牧師」、「スチュワーデス」、「ナポレオン」、「カウボーイ」、「ローマ法王」、「鞍馬天狗」などを次々と繰り出すので、観客の我々は大爆笑。テレビ番組などでの演芸は年寄りか年輩の人の楽しみと気にもとめていなかったが、間近で観ると大興奮の面白さ。オーディエンスの中で気分が上がるというのもあるかもしれない。演芸をライブで見に行く若い人の気持ちがわかる気がした。
続いてのゲストも、なんと「橋幸夫」さんなのでぴっくり。こんな大物歌手が新潟のような地方の、しかもローカル局制作番組に足を運んでくれるのかと驚いた。女性歌手を従えていて、発売したばかりのデュエット曲「今夜は離さない」の宣伝活動として訪れたことがわかると、地方行脚も頷けるというものだった。
私か言うのもおこがましいが、橋幸夫さんご本人はもとより私が全く知らない安倍里葎子という歌手も素晴らしい歌声なので驚いた。新人演歌歌手の売り出しのために、いわゆるバーター企画で橋幸夫さん連れ回しているのとは違うようだ。後から知ったのであるが、不倫騒動で歌謡メディア界から干されていた安倍里葎子さんを、橋幸夫さんがその実力を評価してデュエット相手に抜擢したらしい。
何かコメディアスにイジられることもある橋幸夫さんであるが、極めて真摯な方なのであろう。最前列の私が親しみを込めて橋幸夫さんの軽く首をかしげながら口をとがらして歌う例のジェスチャーをしてみせると、目があった時に少し睨まれたものだ。若気の至りで調子に乗って真剣勝負で歌う橋幸夫さんに大いに失礼なことをしてしまった。しばらくは反省しきりだった。
なお、この時のデュエット曲は結構なヒットとなったのであるが、安倍里葎子さんはそんな恩人である橋幸夫さんに義理を欠いて事務所を辞めたりして一悶着起こし、何十年と経ってから橋幸夫さんとテレビ番組企画でなんとか和解したという。良くも悪くもお騒がせ気質が芸能人たる素質なのかもしれない。
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(「新潟独り暮らし時代28「映画クラブイベント宣伝(その3)」」終わり。仕事遍歴を少し離れた独り暮らし時代の思い出話「新潟独り暮らし時代29「映画クラブイベント宣伝(その4)」」に続きます。)
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