●県職員勤めで最大級の惨劇(その2)
いよいよ行啓初日。新幹線での燕三条駅ご到着の場面では、知事以下県幹部によるお出迎えということで、知事を取り巻く関係職員達が一通りを対応することとなったので、両殿下が駅からお車でご移動してお越しになる最初の視察先となる「燕三条地場産業振興センターリサーチコア」という施設が最初の私達の仕事場になる。施設のエントランスに予めご招待してある県内関係筋のお歴々に立ち並んでいただき、皇太子ご夫妻をお出迎えしてもらう…。言ってしまえばそれだけの事で、両殿下とお話しできるものでもないのだが、一般人の立ち入りが制限された中で、選ばれて参列するというのは当事者にとっては栄誉であるらしく、時にはお声掛けの僥倖に恵まれることもあるかも知れないという。ロイヤルファンにはたまらないらしいのだ。
管理運営の都合により、招待参列者の皆さんには、皇太子ご夫妻がお見えになる予定時間より相当前から待機して頂くのであるが、更に移動時間が押してご来場が遅れたものの、参列の皆さんはさすがに不平不満を言わずジョークを飛ばすことも無い紳士淑女であらせられた。行啓最初の視察現場は、4月下旬の風が少し冷たいながらも明るい日差しに恵まれたこともあり、終始厳かな中にも和やかな雰囲気で事が運んだ。
次のご視察先は別動態の対応となっており、その行事の間に私は、ご宿泊所となる長岡市内のホテルへ向かった。明日の朝早くから開催されるメイン行事の会場近くというロケーションだ。私は、夕方のお宿入りに備えて、参列者の受付や待合室への誘導、参列にあたっての注意事項の説明などを続けた。参列登録しているのに来ない者、禁止しているのにカメラを構えようとする者など、参列位置の調整や"お諫め"などで若干煩わされもしたが想定の範囲内であり、淡々と予定の対応を重ねる内に初日の役目を終えることとなった。構えすぎの感があったが始めてみれば容易なことよ…と安堵しつつ帰宅してビールを呑む。「始め良ければ全て良しだ」と上機嫌だったのだ。
二日目早朝からのメイン行事については、イベントを担当する部局の専任スタッフが包括的に仕切りと対応をすることになっていたので、私に仕事は無く、後は、午後に新幹線で県を発たれる時のお見送りの参列者管理のみとなった。殆どの日程を無事に終えており、心なしか現場に向かう高速での公用車の走りも軽快だ。新幹線の駅につくと、既に手慣れた作業を始める。すなわち、参列者の受付や待合室への誘導、参列にあたっての注意事項の説明などだ。相変わらず参列予定の時間から見て相当早い時間からの待機になるのだが皆からは苦情の一つも出ない。皇室行事への参加とは人々をかくも畏まらせるものなのかと感心しきりだ。
予定の時間が来たので、新幹線ホームの指定位置へと参列者を誘導する。我々が管理する参列場所はロープで仕切られているのだが、その後ろには既に見物人がごった返していた。老若男女あわせて200人近くはいる。皆がホーム入場券を買って入り込んでいるらしい。お招きした参列者は、公的なことに関する功労者などで大方が高齢者であり人数も限られていたから、それだけでのお見送りでは確かに少しさみしい。雑多な見物人達はお見送りの盛り上げになりそうだ。それにしても、4月の下旬ではあったが日陰の待機場所は風が吹き抜けることもあり非常に肌寒い。前の日程が押しているとの伝達が入り、まだ暫くは冷えるホームに立ち尽くすことになりそうだ。それでも皆が、皇太子ご夫妻を間近で見送らんと静かな緊張の中で待ち構えていた。
管理運営の都合により、招待参列者の皆さんには、皇太子ご夫妻がお見えになる予定時間より相当前から待機して頂くのであるが、更に移動時間が押してご来場が遅れたものの、参列の皆さんはさすがに不平不満を言わずジョークを飛ばすことも無い紳士淑女であらせられた。行啓最初の視察現場は、4月下旬の風が少し冷たいながらも明るい日差しに恵まれたこともあり、終始厳かな中にも和やかな雰囲気で事が運んだ。
次のご視察先は別動態の対応となっており、その行事の間に私は、ご宿泊所となる長岡市内のホテルへ向かった。明日の朝早くから開催されるメイン行事の会場近くというロケーションだ。私は、夕方のお宿入りに備えて、参列者の受付や待合室への誘導、参列にあたっての注意事項の説明などを続けた。参列登録しているのに来ない者、禁止しているのにカメラを構えようとする者など、参列位置の調整や"お諫め"などで若干煩わされもしたが想定の範囲内であり、淡々と予定の対応を重ねる内に初日の役目を終えることとなった。構えすぎの感があったが始めてみれば容易なことよ…と安堵しつつ帰宅してビールを呑む。「始め良ければ全て良しだ」と上機嫌だったのだ。
二日目早朝からのメイン行事については、イベントを担当する部局の専任スタッフが包括的に仕切りと対応をすることになっていたので、私に仕事は無く、後は、午後に新幹線で県を発たれる時のお見送りの参列者管理のみとなった。殆どの日程を無事に終えており、心なしか現場に向かう高速での公用車の走りも軽快だ。新幹線の駅につくと、既に手慣れた作業を始める。すなわち、参列者の受付や待合室への誘導、参列にあたっての注意事項の説明などだ。相変わらず参列予定の時間から見て相当早い時間からの待機になるのだが皆からは苦情の一つも出ない。皇室行事への参加とは人々をかくも畏まらせるものなのかと感心しきりだ。
予定の時間が来たので、新幹線ホームの指定位置へと参列者を誘導する。我々が管理する参列場所はロープで仕切られているのだが、その後ろには既に見物人がごった返していた。老若男女あわせて200人近くはいる。皆がホーム入場券を買って入り込んでいるらしい。お招きした参列者は、公的なことに関する功労者などで大方が高齢者であり人数も限られていたから、それだけでのお見送りでは確かに少しさみしい。雑多な見物人達はお見送りの盛り上げになりそうだ。それにしても、4月の下旬ではあったが日陰の待機場所は風が吹き抜けることもあり非常に肌寒い。前の日程が押しているとの伝達が入り、まだ暫くは冷えるホームに立ち尽くすことになりそうだ。それでも皆が、皇太子ご夫妻を間近で見送らんと静かな緊張の中で待ち構えていた。
(「財政課9「県職員勤めで最大級の惨劇(その2)」編」終わり。「財政課10「県職員勤めで最大級の惨劇(その3)」編」に続きます。)
☆ツイッターで平日ほぼ毎日の昼休みにつぶやき続けてます。
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