新潟久紀ブログ版retrospective

新潟暮らし推進課22「行き詰まりのワーキングチームに外からの刺激を(その1)」編

●行き詰まりのワーキングチームに外からの刺激を(その1)

 人口減少対策ワーキングチームは、初回の活発な意見続出は有り難かったのだか、そこで出された論点に基づいて具体の施策に落とし込んでいく議論を始めると、行き詰まり始めた。自由に意見を出し合う場では縦割りを超えた話になるのだが、いざ現実的に予算事業を考え始めると、各々の部局は既往の施策との関連や継続性であったり、他部局のテリトリーに踏み込むようなことをお互いにしたがらないことなどから、大胆で制作横断的な施策が企画されないのだ。
 行政が部局別に縦割りで事業を展開するのは、専門性や効率性の追求の面などでは決して否定するものではないが、人口減少問題へ対峙するような政策横断的な総合力の発揮という面では途端に効力が及ばなくなってしまう。私はワーキングチームに参画する全ての部局の施策を俯瞰する事務局として、各部局に対して、「この施策とこの施策を連動させて一体的な取組として組み替えてはどうか」などと意見したりするのであるが、縦割りのガードは堅い。そもそも、我が新潟暮らし推進課には財政や人事といった経営資源についての権限が付与されていないので、部局は言うことをまともに聞いてはくれないのだ。財政課や政策課はもとより人事課からも業務量の効率化等の観点で事業内容について色々な指示や宿題が出されてくる中で更にワーキング事務局からの意見などは「鬱陶しい以外の何物でも無い」という感じを露骨にいってくる部局もあるのだ。
 身内同士の会議体で、しかも権限の無い者による取り仕切りでは、取組を誘導していくには無理がある。また、最初に整理した11項目の論点課題は、あまねく取り組めば結局は総花的であり、重点を置かない取組というのは力量を蒸散させてしまいがちになるということも経験的に痛感してもいた。何か外からの力というか知恵が欲しいものだ。新潟県庁幹部に神通力の効くようなオーソリティーがないものだろうかと考えた。
 夏の終わりにワーキングチームの進捗状況を報告して政策調整の幹部とディスカッションした場面でも、各部局が検討している新規施策等については旧態依然とした縦割りの取組内容が目立ち、総じて目玉の無い総花的な取組内容のリストに対して案の定、厳しい指摘が浴びせられた。ワーキングチームの事務局として関係部局の取組を一括して説明し、いたたまれなくなった私は、ワーキングチームの設置要綱においては外部有識者から必要により意見を聴くことができるとされていると切り出し、部局横断的な取組の促しや論点の重点化のために人口減少問題に精通した有識者から助言を頂いて、ワーキングの活性化にとなげたいと提案した。「例えば誰に」と聞かれた私は、考えていたところの二人を答えた。「増田寛也先生と田村秀先生にお願いしてはどうかと考えています」。

(「新潟暮らし推進課22「行き詰まりのワーキングチームに外からの刺激を(その1)」編」終わり。県職員として11箇所目の職場となる新潟暮らし推進課の回顧録「新潟暮らし推進課23「行き詰まりのワーキングチームに外からの刺激を(その2)」編」に続きます。)
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