新潟久紀ブログ版retrospective

地域農政推進課12「他県調査に行くべし(その3)」編

●他県調査に行くべし(その3)

 地域農政推進課において、農業政策の企画立案に直接携わる立場には無い事務系の課長補佐でありながらも、どうしても他県の興味深い取組み事例をこの目で見たり聞いたりしたいとの思いを課長に相談すると、課長は寛大にも了解してくださった。課長は農業専門職でありながら県の政策調整の中心的部署に数少ない技術職として在籍した経歴があり、施策の企画立案には幅広い視点での臨場感ある知見が重要であることを良く理解していた。この先、いつまでも課長補佐に留まるものではない私の先々を見据えると、可能な時期に見聞を広めることをむしろ推奨してくれたのだ。
 出張のお許しを得たとなれば早速旅程の編成だ。メインの目的地である鳥取県の智頭町は新潟から直線距離で約700kmも遠く離れた山陰地方。旅費も数万円は掛るわけだから一か所でとんぼ返りというのでは非効率だ。どうせならその道中で是非とも視察したい事案をできるだけ効率的に見て回れるように盛り込むことにした。
 そうして、平成25年2月12日から15日までの3泊4日による、中山間地域対策・都市農村交流施策等の他県調査日程が組み上げられた。極寒の季節での初日は新潟市内が気温氷点下前後という午前5時頃に自宅を出発して始発の新幹線に乗り込む。東京で東海道新幹線に乗り継いでの最初の行先は静岡県庁の交流政策課だ。
 静岡県は気候も土地柄も良いイメージだが新潟同様に東京圏に若者が吸い取られる状況により人口減少に悩まされていた。伊豆半島の温暖で過ごしやすい保養環境を武器に東京との交流人口をそれまでの中心だった富裕層以外にも拡大して若者の移住定住を図ろうとしていた。東京と同じような暮らしぶりを競っても敵わないので農林水産業などを通じた暮らしの豊かさを誘因とする戦術を展開していた。
 新潟にいれば、報道でよく見聞きする第二東名高速などの華やかな話題が浮かぶが、高速交通の整備は通過されるリスクと裏腹であり、関係者の危機感の強さとネットなどの公表資料ではうかがい知れない戦略などについて参考となる話を聞くことができた。
 静岡駅地下街で昼食代わりに名物の「静岡おでん」を数本食べた足で再び新幹線に乗り込み、新大阪で特急スーパーはくとに乗り換えて向かったのは鳥取砂丘の観光業者だ。新潟の海岸の町で生まれ育った私は、広大な砂浜をもっと誘客に使えないものかといつも頭の隅で意識していた。知らない者が居ない"キングオブ砂浜"である鳥取砂丘において、そこでの誘客においては、地元の特産農産物ラッキョウが活躍しているというので、新潟の砂丘地帯で盛んなスイカやら大根やらを活かした加工などによる観光誘客のヒントなどにできないかと話を聞かせて頂いたのだ。

(「地域農政推進課12「他県調査に行くべし(その3)」編」終わり。「地域農政推進課13「他県調査に行くべし(その4)」編」に続きます。)
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