花が小学校に上がってから、改めて実感しています。
2学期って忙しいんだな、って
秋祭りという言葉があるように、
私の住んでいる地域でも、この時期いろんなお祭りがあります。
といっても、昔ながらの収穫を祝うようなお祭りではないのですが、
夏の暑さも一段落したこの時期は、
人が集まりやすい時期なのかもしれないですね。
今月に入ってからずっと、運動会やら遠足やら、授業参観やら、地域のお祭りで
(今年はそれに加えて台風とインフルエンザ騒動もありましたが)
バタバタしていましたが、昨日も地域でのお祭りがありました。
だけど、昨日はちょうど午前は風、午後は花の習い事の日にあたっていたんです。
動物好きの花は、毎年このお祭りにくる移動動物園をとても楽しみにしていて、
私も何とか時間を作って、風と花の習い事の合間に、会場まで足を運びました。
会場についてすぐに整理券を買いにいったのですが、
13時半からの分しかありませんでした。
習い事が始まるのが、13時半。
到底間に合いません。
残念ですが、花にはあきらめてもらうしかありません。
「花、残念だけど今日は時間がないから移動動物園はあきらめよう」
「えーーー、私楽しみにしていたのに!動物、触りたい!」
「しょうがないでしょ。お教室に間に合わなくなっちゃうよ。」
「だけど、動物園行きたかったのに~」
「そんなこといったって、来るのが遅かったんだから仕方ないでしょ」
「・・・ママ、それって花が悪いっていってるの?」
「別にそうはいってないけど、そんなに来たかったんだったら、
もっと早く準備していたら、もう1回早い整理券が手に入ったかもしれないじゃない。
そしたら、お教室にも間に合ったかもね」
「だから、花が悪いっていってるの?」
「そうはいってないでしょ」
「だけど、ママの言い方って、なんかそういうふうに聞こえるもん」
「だから、そんなにグズグズいうんだったら、
最初からもっと早く家を出てくればよかったんでしょ」
「ママ、私が動物園に行きたかった気持ち、わかってくれてる?」
「わかってるよ!だけど、そんなこといっても、もう今日行くのは無理なんだから、
あきらめるしかないでしょ。」
「だって・・・」
「ママだって、今日時間ないんだよ!だけど、花ちゃんが動物好きなのも知ってるし、
移動動物園を楽しみにしてたのも知っているから、無理して時間作ってきたのに!
それをそんな言い方されたら嫌やわ!」
「じゃあさ、今度みんなで動物園に行くっていうのはどう?」と風。
「そうだね、今日は無理だけどまた動物園に行こうか」
と、まとまるかと思いきや、
「私は今日、行きたい」
「だから、今日はママも用事があってこれから出かけるし、
お教室が終わったらもう夕方になるから、動物園に行くのは無理だって」
その後もまだふくれている花をお教室まで送っていきました。
別れ際、このままは嫌だと思ったので、
右手をだして「仲直りしよ!」といいました。
花はまだふくれていましたが、しぶしぶ仲直りの握手をして別れました。
さて、ここまで読んで皆さんはどう感じられましたか?
少なくとも私のクライアントさんなら、
あらあら、はるさん~(苦笑)と思われているかもしれません。
セミナーの受講生の方なら、あ、これって・・・とピン
とこられているでしょうね。
これだけの会話の中にも、コーチングのエッセンスがたっぷりとあります。
☆「移動動物園に行きたかった」という花の気持ちをちゃんと承認できていない。
☆もう少し早く来ていれば・・・と自分ではなく密かに他人(この場合、花)に責任転嫁。
☆その言葉にはならない部分を花はちゃんと感じていて、
「なんだか自分が責められているような気がする」というのを
きちんと私にフィードバック。
☆私も花もお互いの気持ちはIメッセージで伝えているけれど・・・
さて、この話の本筋はどこだったのでしょう。
それは、ひとまず置いておくとして、
この場合どうすればよかったのでしょうか?
それを考えていくのがコーチングです。
1)まず、お祭りに行く前に、行くだけ行ってみるけど
時間的に移動動物園は無理かもしれないという話をしておく。
(毎年人気で整理券が売り切れることもあります)
→前回のメルマガでもいっていた「予防と対策」の「予防」ですね。
2)顔見知りの方が早い時間の整理券を手に入れていたので、
事情を話して譲っていただけないかお願いしてみる。
→これは私としてはあまりしたくありませんが、
こういう方法がないわけではありません。
日頃からこういうちょっとした無理をお互いお願いできる
人間関係を作っておくことも大切かもしれません。
3)動物には触れないけれど、檻の外から動物をみる時間をたっぷりととる。
→もしかしたら、これだけでもかなり花の気持ちは
おさまったのではないかと今となっては思います。
4)花の「移動動物園に行きたかった」という気持ちを、
ちゃんと受け止めてしっかりと承認してあげる。
5)移動動物園は時間的に難しいことはわかっていたので、
それ以外のお楽しみを考えておく。
→こちらも前回のメルマガでいっていた「予防と対策」の「対策」です。
a)一緒に開催されているフリマや屋台で好きなものを買ってあげる
b)お祭りのステージで面白そうなものに目を向けてあげる
c)「移動動物園」は無理だったけど、「動物園」や「ねこカフェ」など、
花が納得しそうな代案を用意しておく。
いろいろと方法はありますね。
これだけあれば、ドンとこい!です。
どうとでもできます(笑)
さて、本筋です。
花をお教室まで送った後、私は用事があって外出していました。
帰宅したのは夜遅く。
子どもたちはもう眠っていました。
そして、リビングのテーブルの上には花からの手紙が・・・。
昼間のことは、“仲直り”して決着していたと思っていたので、
ちょっとびっくりしました。
ままへ 10/18(日付入り・笑)
まま、どうぶつえんにいきたかったきもちを、
わかってほしい
なかなおりしたけどちょっと、
うらにつずきがあります。
いきたかったのにってゆうきもちがちょぴっとのこってたから
あとおりょうりきょうしつのおかしもってかえってきたよ
どうぶつえんにいけなかったはなのきもちは
これだよ。
はなより
まだ起きていた夫に、花が何かいっていなかったか聞いてみると、
「別に何もいっていなかったよ」とのこと。
先日の学童でのケンカの話もそうですが、
最近の花は、誰かとのトラブルはその本人との間で解決するものと思っているようです。
だから、今回のことも
“これは私とママの問題”として、
夫には何も話さなかったのでしょう。
今までは何かあるとすぐに話をしてくれていましたが、
こうなってくると今まで以上に、花の様子を気にとめておかなければと感じました。
考えてみると、あの“仲直り”も、
もうこの問題はおしまいにしてしまいたいという、
私の一方的な押さえつけだったように思います。
花はやっぱりどこかでそれに納得していなかったのでしょうね。
あの時に必要だったのは、
移動動物園を楽しみにしていたという花の気持ちを
しっかりと受け止めてあげることだったのだと痛感しました。
私はそれを、他の問題にすり替えてばかりいましたね。
朝起きたら、真っ先にそれを伝えようと思っていたら、
先に起きた花が私のベッドにもぐりこんできました。
早速、花をぎゅっと抱きしめながら、
「昨日はごめんね。花はとっても移動動物園を楽しみにしていたんだよね。
だからとっても残念で、悲しかったんだよね。
それがママに伝わっていないと思ったんだよね。
お手紙読んだよ。ちゃんと伝えてくれてありがとう。
ママもちゃんと分かっているつもりだったけど、
ちゃんと分かってるってことを、花に上手に伝えられなくてごめんね。」
花は、わかってくれたらもういいの。という感じで笑っていました。
じっくりと考えてみれば、花は1度も
「どうしても移動動物園に行きたい」というようなことはいいませんでした。
ただ、動物園を楽しみにしていた、行きたかった、
行けないことを自分のせいにされている気がするというのを
繰り返し伝えてくれていたのです。
コミュニケーションはキャッチボール。
自分の思いを投げつけるだけでなく、
ちゃんと受け取らなければ、成立しませんね。
改めて、実感。
そして、反省(苦笑)